今年の問題は,難易度としては,例年通り平易であったと言えます。昨年の認定考査の問題は,難易度が高く,解答を出すことが困難な問題でしたが,今年は,過去に出題された論点や基礎的な論点ばかりでした。

 要件事実等は,色々な論点が出題されているものの,特段,紛らわしい記載や難解な論点もありません。また,相続の要件事実は,「のみ説」と「否のみ説」とで争いがありますが,どちらの説で書いても大丈夫なように作問されているので,採点に影響はないでしょう。
 「簡裁代理権の業務範囲」及び「司法書士法及び司法書士倫理」についても,いずれも,基礎的な内容でした。

 しかし,認定考査の問題が難しくても簡単であっても,認定考査の合格率は,毎年大きく変わりません。つまり,今年の採点基準は,厳しめになると思います。そして,採点基準が厳しめになると,少しのミスで不合格になります。今年の合否を分けるものは,“大きなミスがほとんどない状態で,小さなミスをどれだけしているか”でしょうね。

 なお,下記に,論点等を記載しますが,内容につきましては予告なく変更する場合がございますので,ご注意ください。

第1問 要件事実及び事実認定

小問(1)訴訟物

□ 所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権
□ 附帯請求なし


・例年のどおり,Xの言い分の最後を読めばわかります。
・要件事実ドリルに載っています


小問(2)請求の原因

□ 所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権の請求原因事実(もと所有)
□ 「もと所有」(+相続)


・要件事実ドリルに載っています
・「もと所有」には,Aが死亡しXが相続した事実も記載します。


小問(3)抗弁

□ 賃貸借契約+相続
□ 代物弁済


・両方とも要件事実ドリルに載っています
・賃貸借契約には,Bが死亡しYが相続した事実も記載します。
・kg「所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権」,E「賃貸借契約に基づく占有権」,R「賃貸借契約の契約期間の合意及び期間満了による終了」,Rの否認「賃貸借契約の契約期間が異なる」となるので,抗弁(E)で「賃貸借契約の契約期間の合意」は記載すべきではないでしょう。
・代物弁済の抗弁では,Bが死亡しYが相続した事実は記載すべきではないでしょう。代物弁済の抗弁は,所有権喪失の抗弁(「相手方に所有権がないから,相手方の主張は失当である」という抗弁)であり,Yの所有につき,主張立証は不要だからです。


小問(4)再抗弁

□ 賃貸借契約の抗弁に対する賃貸借契約の終了(無断転貸による解除)
□ 賃貸借契約の抗弁に対する賃貸借契約の終了(賃貸借期間の満了)


・無断転貸は,要件事実ドリルに記載あり
・賃貸借契約の期間の終了については,要件事実ドリルに記載なし
 (もっとも,民法の話なので,司法書士試験の知識で対応可能)


小問(5)証拠

ア □ 認否(否認する。)
  □ 否認の理由
   (二段の推定:本人又は代理人の意思に基づく押印ではない事実。)
イ □ 文書の成立の真正(二段の推定の説明)


・過去,平成15年・平成20年・平成25年に出題されている基礎的な論点です。


小問(6)保全

□ 占有移転禁止の仮処分


・過去,平成16年と平成23年に出題されている基礎的な論点です。


第2問 簡裁代理権の業務範囲

□ 追加請求(不法行為)をした場合の代理の可否(訴額算定)
□ 附帯請求(賃料相当損害金)を追加した場合の代理の可否(訴額算定)


・いずれも訴額算定の基礎的な論点です。


第3問 司法書士法及び司法書士倫理

□ 司法書士法人の社員または使用人である司法書士の依頼回避


・司法書士倫理上も司法書士法上も依頼を受けることができないという結論になると思われる。
・過去の出題では,「司法書士法上は,依頼を受けることができるが,司法書士倫理上は依頼を受けることができない」という回答パターンが多いが,今年は,司法書士法上も依頼を受けることができないというパターンとなります。


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