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7.身上監護の業務

身上監護とは、何ですか?
 後見人の職務には、財産管理と並んで被後見人の生活の維持や介護等、身上の保護に関する職務(身上監護事務)があります。民法858条は、後見人には被後見人の身上監護に関する職務が存在することを前提として、身上監護の充実の観点から後見人に身上配慮義務を課したものです。
 身上監護事務は、身上監護に関する法律行為を行うことであり、介護等の事実行為は、身上監護に含まれません。(【比較】介護サービスの契約の締結は、身上監護事務となります。)
身上監護の具体例を教えてください。
(1)介護、生活維持に関する事項
 介護に関する事項としては、介護保険法に基づく介護保険の認定申請、介護サービス計画(ケアプラン)の検討、介護サービスの締結、障害者自立支援法に基づく支給決定の申請等があります。
 また、生活の維持に関する事項としては、生活品の手配、公共料金の支払い等があります。

(2)住居の確保に関する事項
【被後見人の住居が借地・借家の場合】
 借地・借家契約の更新及び更新料の支払い、地代・家賃の支払い、退去に伴う賃貸借契約の終了にまつわる事務、転居先の確保等があります。
【被後見人の住居が持ち家の場合】
 固定資産税の支払い、家屋の修繕・増改築に関する請負契約の締結、維持管理に関するサービスの契約、これらの費用の支払い等があります。

(3)施設の入退所、処遇の監視に関する事項
 被後見人に最適の入所先施設を選択するために情報収集を行ったり、実際に施設を見学したりする事実行為の他、施設の入退所契約の締結、入所中の施設訪問や被後見人との面会による生活状態の把握、介護サービス事業者や市区町村等への苦情の申出等があります。

(4)医療に関する事項
 医療契約の締結、医療費の支払いがあります。ただし、身体に対する強制を伴う事項は含まれないため、手術、入院又は健康診断の強制はできません。

(5)教育、リハビリに関する事項
 学校やリハビリ施設選択のための情報収集や見学、入学、入所契約、施設利用契約の締結、学費・施設費・施設利用料の支払い、通学状況、入所状況・施設利用状況の確認等があります。

介護保険制度における後見人等の役割を具体的に教えてください。
 介護保険制度は、要介護・要支援状態の者に、そのニーズに応じた介護サービスを選択し、保健医療、福祉サービスに係る給付を行うことを目的とするものです。介護保険の給付には在宅で受けられる在宅サービス、施設において受けられる施設サービスがあります。
 (1) 要介護等の認定申請
 介護保険によるサービスを受けるためには、申請により市区町村から要介護・要支援状態にあることの認定を受けなければならない。被後見人が介護保険によるサービスを受けるためには、後見人は、被後見人が要介護・要支援にあることの認定を受けるための申請を市区町村にします。
 (2) 介護サービスの契約
 要介護・要支援にあることの認定を受けた者が介護サービスを受けるには、介護サービス事業者との間で介護契約を締結することになります。被後見人が要介護・要支援の認定を受けたら、後見人が被後見人のニーズ、資力に合った介護サービスを選択し、介護契約を締結します。
後見人等は、被後見人等の介護をしてくれないのですか?
 後見人等の職務には、現実の介護行為のような事実行為や、被後見人の身体に対する強制を伴う事項は含まれません。ただし、介護契約などの法律行為をするには、介護サービスの内容について事前に介護サービス計画を検討したり、事業者と相談したりすることなどが必要であり、法律行為に当然伴う事実行為は含まれると解されています。
医療に関する事項について、後見人等は判断できるのでしょうか?
 医療に関する事項については、手術やその他の治療行為、検査など患者に対する医的侵襲行為を伴うことが多くあります。立法者は、診療契約に関する法定代理権と医的侵襲行為に関する決定権限を分けて、後見人には医的侵襲行為を受けることについての同意権はないと考えています。すなわち、後見人が行う身上監護に関する職務は、身上監護に関する法律行為を行うことであり、現実の介護行為のような事実行為や、被後見人の身体に対する強制を伴う事項は含まれないから、診療契約締結に関する法定代理は可能だが個別の医療行為に対する同意はできないと考えているようです。
 しかし、医師を含む誰かが何らかの形で医的侵襲の意思決定をしない限り、本人は何らの治療も受けられずに放置されてしまうことになります。確かに、実際の医療現場では、医療機関が後見人等に対して同意を求める場面は多く、被後見人のためにも一定の範囲で後見人に同意権を与えるべきであるとする考えもあります。
 そこで、緊急性の高い場合は『緊急避難の法理』を、一般的な医的侵襲行為については、『患者の推定的承諾の法理』を援用して、事後的に正当化を図り適法としています。

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