平成28年(受)第944号 貸金請求事件
平成29年3月13日 第二小法廷判決

 前記事実関係等によれば,本件公正証書には,上告人が被上告人から1億1000万円を借り受けた旨が記載されているものの,本件公正証書は,上記の借受けを証するために作成されたのではなく,本件保証契約の締結の趣旨で作成されたというのである。しかるに,被上告人は,本件支払督促の申立てにおいて,本件保証契約に基づく保証債務の履行ではなく,本件公正証書に記載されたとおり上告人が被上告人から金員を借り受けたとして貸金の返還を求めたものである。上記の貸金返還請求権の根拠となる事実は,本件保証契約に基づく保証債務履行請求権の根拠となる事実と重なるものですらなく,むしろ,本件保証契約の成立を否定するものにほかならず,上記貸金返還請求権の行使は,本件保証契約に基づく保証債務履行請求権を行使することとは相容れないものである。そうすると,本件支払督促において貸金債権が行使されたことにより,これとは別個の権利である本件保証契約に基づく保証債務履行請求権についても行使されたことになると評価することはできない。したがって,本件支払督促は,上記保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86588

★ポイント
 ① 貸金の支払を求める旨の支払督促が,当該支払督促の当事者間で締結された保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではない


 実務上,気になる点は,“誰が,支払督促の手続をしたか”ですよね。仮に,弁護士・司法書士が代理又は書類作成して,支払督促をしていた場合には,1億1000万円の損害賠償責任を負うことになるかもしれませんね。ただ,弁護士・司法書士であれば,支払督促に時効の中断効があるのか,ないのかが不明確なことを知っているはずなので,通常は,支払督促を使わないはずです。

 また,原審の判断は,新訴訟物理論みたいですね。実務は,やはり,旧訴訟物理論で,動いてますね。

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