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登記-墓地の取扱い

登記-墓地の取扱い

 墓地の相続手続きの方法は2種類あります。1つは、他の不動産と一緒に相続を原因として相続登記をする方法です。2つめは、民法第897条による承継を原因として登記を申請する方法です。以下、2つの方法について述べます。

 原則として、墓地は祭祀財産なので、「民法第897条による承継」を原因として登記すべきです。しかしながら、ある土地が墓地であっても、その土地を他人に墓地として貸している場合、その土地(墓地)の所有者にとっては、土地(墓地)は、自己の祭祀財産には属しません。そこで、墓地であっても祭祀財産に含まれない墓地は、通常の相続登記と同様に、「相続」を原因として相続登記をする方法で行うことになります。

 もっとも、墓地であってもそれが祭祀財産である場合と相続財産である場合とがあっても、登記官にとってはそれがどちらかなのかを審査する権限はないため、どちらで申請しても受理されます。しかしながら、祭祀財産である墓地について、「相続を原因として相続登記をする方法」をとった場合には、登記原因証明情報が不正確ということになりますので、避けるべきです。

 

相続を原因とする登記

 相続を原因とする登記を申請する方法では、墓地であるからといって、通常の不動産の相続登記と一緒の手続きです。唯一気をつけなければならないことと言えば、登録免許税法第5条第10号により登記簿上「墓地」に関する登記の登録免許税は非課税となることです。登記申請書に非課税の根拠条文たる登録免許税法第5条第10号を記載を忘れないようにしましょう。

【先例等】
■登録免許税法5条10号(墳墓地に関する登記)の適否は、一応登記簿上の地目によって判断すれば足りるが、現況が火葬場敷地である土地には同号の規定は適用されない(協議 昭和42年7月6日全国登記課長会同協議問題18、同年8月民事月報号外284頁)。
■評価証明書の現況の地目が雑種地であっても、登記簿上の地目が墓地である場合は、登録免許税法5条10号の規定が適用される(登記研究519号189頁)。
■墓地の所有名義人の住所変更登記についても登録免許税法第5条第10号の適用がある(登記研究260号68頁)。

 

民法第897条による承継を原因とする登記

 民法第897条による承継を原因とする登記を申請する方法では、相続登記と異なり、共同申請の形式になります。遺贈の登記に準じ、指定を受けた祭祀主宰者を登記権利者、遺言執行者(遺言執行者を選任していない場合は相続人全員)を登記義務者とする、共同申請の形式になります。
添付書類は、以下のとおりです。
1.祭祀主宰者の指定を行った旨の要件事実関係を証する登記原因証明情報
2.登記済証(又は登記識別情報)
3.指定を受けた祭祀主宰者の住民票
4.遺言執行者(遺言執行者を選任していない場合は相続人)の印鑑証明書
5.遺言執行者の資格を証する資格証明(遺言書。選任していない場合不要)
6.祭祀主宰者、遺言執行者(又は相続人)の委任状

 

そもそも祭祀財産とは

 祭祀財産とは、祖先の祭りのために使用される家系図、位牌、仏壇、墓碑、墓地などをいいます。これは一般の相続財産と切り離され、共同相続の対象とはされない。つまり、遺産共有状態にならないので、遺産分割協議の対象ではありません。相続財産ではないため、祭祀財産を承継したことを理由に、その者の相続分が増減することはありません。
 祭祀財産は被相続人が祖先の祭祀を主宰すべき者を指定するときは、その者が承継します。指定は遺言などの方式に限られず、口頭でもよいとされています。この指定がないときは、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が、祭祀財産を承継します。慣習が明らかでないときは、家庭裁判所が祭祀財産の権利の承継を定めることになります(民法897条2項)。また、被相続人が、祭祀承継者を相続人の協議によって定めると指定した場合には、相続人間の合意で祭祀の承継者を決めることも可能です。
 祭祀主宰者の資格に制限はありません。相続人でなくてもよく、親族でなくてもよいのです。また、法人でも構いません。さらに、祭祀財産ごとに複数の祭祀主宰者がいてもよいし、共同主宰でもよいとされています。

 

家庭裁判所が祭祀承継者を決める場合

 家庭裁判所が祭祀承継者を決める場合、祭祀財産の承継者を誰にするかは.諸事情から総合的に判断されるが.従前の祭祀主宰者(=被相続人)の意思がもっとも優先されます。

「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具等の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他一切の事情(例えば利害関係人の生活状況及び意見等)を総合して判断すべきであるが、祖先の祭祀は今日はもはや義務ではなく、死者に対する慕情、愛情、感謝の気持ちといった心情により行われるものであるから、被相続人と緊密な生活関係・親和関係にあって被相続人に対し上記のような心情を最も強く持ち、他方、被相続人から見れば、同人が生存していたのであれば、おそらく指定したであろう者をその承継者と定めるのが相当である。」(東京高判平成18年4月19日判タ1239号289頁)

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