会社設立に関する書籍を見ていると、定款には本店の「所在地」を、登記申請書には本店の「所在場所」を記載する、という記述がありました。この「本店所在地」と「本店所在場所」とは、どのような違いがあるのでしょうか?
 「本店所在地」「本店所在場所」は、ともに住所地のことなのですが、どこまで詳しく記載するかが違います。
 「本店所在場所」とは、具体的な本店の住所地のことです。たとえば、 名古屋市中区○丁目○番○号 (ビル名等は、通常、必要ありません。)というように、所在場所と言った場合、住所地を最後まで記載します。
 登記簿の本店には、上記のように、「本店所在場所」を記載しなければなりません。
 一方、「本店所在地」とは、本店の所在場所の最小行政区画までのことをさします。定款に記載しなければならないのは、この「所在地」となります。たとえば、愛知県名古屋市の場合、「名古屋市」が最小行政区画のため、定款上は「名古屋市」と定めてもかまいません。もちろん、所在場所と同様に、名古屋市中区○丁目○番○号 まで定めてもかまいません。もっとも、名古屋市中区○丁目○番○号 のように具体的に、定めてしまうと、後に本店移転した場合に、定款変更手続きが必要となりますので、本店の所在場所の最小行政区画までの記載に止めるべきです。