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【裁判書類】請求の趣旨

第1 請求の趣旨の記載方法

1.請求の趣旨の意味

請求の趣旨は,原告が訴状において,訴訟の目的たる権利又は法律関係につき,いかなる裁判を求めるかを簡潔・正確に記載する部分であって,その結論を示す重要な必要的記載事項(133条2項2号)です。この請求の趣旨に対応するものが裁判所の判決の主文です。
それぞれの訴えにおいて強制執行の必要があるときは,これをも念頭に置いて,訴えの目的を十分達成できるようにその記載を吟味すべきです。

2.目録による特定方法

請求の趣旨の中に複雑又は多数の目的物を表示する必要のあるときは,別紙として物件目録を添付し,これを請求の趣旨の中に引用すべきです。なお,訴訟の目的物である不動産の実際の状況が,契約書又は登記簿上の記載と一致しないときは,物件目録に,(実測)(現況)と記載し,実測値や現況の状況を書き加えましょう。そのようにしないと,勝訴判決を得ても,強制執行が円滑に行われないことになるおそれがあるからです。さらに,土地や建物の一部分についての権利関係に関する訴えでは,土地又は建物の部分を方角,距離,面積などを表示して特定することが必要で,そのために別紙として図面を添付するのが通例です。

3.金銭請求

□ 被告は,原告に対し,○○万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え
□ 被告は,原告に対し,平成○年○月○日から1の明渡済みまで1か月10万円の割合による金員を支払え。

※なお,手形,小切手金請求訴訟について,手形訴訟の手続(350条以下)によろうとするときは,「手形訴訟による審理及び裁判を求める」旨の申述を訴状に記載しなければならない(350条2項)。

4.引渡し,明渡し請求

□ 被告は,原告に対し,本件皿を引き渡せ。
□ 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の建物を明け渡せ。
□ 被告は,原告に対し、別紙物件目録記載の建物を収去し別紙物件目録記載の土地を明け渡せ。

※(基本的なことだが,)「引渡し」は,不動産の占有を請求者に直接移転することであり,「明渡し」は,不動産から居住者を立ち退かせる(物品を取り除く)ことをも包含したものをいう概念である。

5.登記請求

(1)抹消登記

□ 被告は,別紙物件目録記載の土地について,別紙登記目録記載の所有権移転登記の抹消登記手続をせよ
□ 被告は,別紙物件目録記載の土地について,○○法務局○○出張所平成○○年○月○○日受付第○○号所有権移転登記の抹消登記手続をせよ

(2)移転登記

□ 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の土地について,平成○○年○月○○日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ
(仮登記の本当記)
□ 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の土地について,○○法務局○○出張所平成○○年○月○○日受付第○○号所有権移転仮登記に基づく平成○○年○月○○日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ

(3)更正登記

被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の土地について,別紙登記目録第1記載の登記を同目録第2記載の登記に更正登記手続をせよ

6.確認訴訟

□ 原告が別紙物件目録記載の建物につき所有権を有することを確認する
□ 原告と被告丙との間において,原告が別紙物件目録記載の土地につき,存続期間平成○○年○月○日から50年,地代lか月5万円,地代支払時期毎月末日の建物所有を目的とする地上権を有することを確認する
□ 原被告間の平成○○年○月○日の消費貸借契約に基づく原告の被告に対する100万円の債務の存在しないことを確認する

7.形成訴訟

原告と被告とを離婚する
被告から原告に対する○○地方裁判所平成○○年○第○○号○○請求事件の判決に基づく強制執行はこれを許さない

8.その他

(1)引換給付

訴えの提起後,被告からの同時履行の抗弁により引換給付の判決となることが予想される場合でも,請求の趣旨は単純な給付を求め,必ずしも引換給付を掲げる必要はない。

(2)予備的請求

例えば,買い受けた建物の引渡しを求めるが,これが認められないときは,売買代金の返還を請求するような場合である。

(主位的請求)
□ 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の建物を引き渡せ
(予備的請求)
□ 被告は,原告に対し,1000万円を支払え

(3)代償請求

物件の引渡しを求めるが,前記物件の存在が不明であるなどの理由により強制執行が効を奏しないときに備えて,引渡請求のほか代償請求をする場合である。

被告は, 原告に対し,
1別紙物件目録記載の機械を引き渡せ
2前項の引渡しの強制執行が効を奏しないときは,100万円
を支払え

(4)連帯債務・保証債務

主債務者と連帯債務者(又は保証人・連帯保証人)を共同被告にして同時に請求する際の請求の趣旨の記載例は,下記のとおりです。

 ①被告らは,原告に対し,各自50万円及びこれに対する年月日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え
 ②被告らは,原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する年月日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

(5)不可分債務 [東京地判平成20年8月28日判時2044号134頁]

不可分債務の請求の趣旨の記載例は,下記のとおりです。

 被告らは,原告に対し,各自50万円及びこれに対する年月日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

第2 遅延損害金

1.遅延損害金の利率について

(1)遅延損害金について当事者間にあらかじめ取決めがある場合

□ 取決め利率に従います。取決めがない場合は下記(2)(3)のとおりです。

(2)当該原告(申立人)から被告(相手方)に対する請求権が一般の民事債権の場合

□ 年5パーセントの割合

(3)商事債権の場合(当該取引を業として行っている場合)

□ 年6パーセントの割合(この場合請求原因中に「原告は(被告は)○○を業とす商人であり,当該取引は商行為である。」旨等の記載が必要です。)

2.遅延損害金の起算日について

(1)当該金銭の支払いについて支払期限の約束(取決め等)がある場合

□ 支払期限の翌日が遅延損害金の起算日となります。

(2)支払期限について取決めがない場合

□ 配達証明付内容証明郵便で「この書面到達の日から○日以内に支払うこと」というような催告をした場合は,その支払期限の翌日が起算日となります。(1月10日に「この書面到達の日から7日以内に支払うこと」という文面が到着した場合1月18日が起算日になります。)

□ 上記のような催告をしていない場合は, 一般的には「訴状送達の日の翌日」が遅延損害金の起算日になります。

(3)不法行為に基づく損害賠償請求の場合(交通事故や傷害事件等)

□ 当該不法行為の日(例事故の日)が起算日となります。

(4)売買契約の解除等の理由で売買代金の返還を請求するような場合

□ 被告の売買代金受領の日から遅延損害金の請求が可能です(民法545条2項)。

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