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【要件事実】主張自体失当

第1 主張自体失当とは

 答弁書や準備書面の例において,文末に,「~は,主張自体失当である。」と記載されていることがある。この「主張自体失当である」とは,どのような意味であろうか。裁判用語で,なんとなくカッコ良いからか,誤用している方もいるので注意が必要である。

 主張自体失当とは,当事者の主張の中で,実体法上無意味な主張のことを「主張自体失当」の主張をいいます。

 なお,「主張自体失当」の主張というのは、実体法上の法律効果として論理的に意味がない主張のことをいうのであり、証拠関係からいっておよそ勝ち目のない主張のことをいうのではありません。「~との主張は,~であるから,認められない。」と記載しましょう。

 

第2 主張自体失当の使い方

 主張自体失当を類型化すると下記のとおりとなる。なお,過剰主張等も主張自体失当とする例もあるが,私は,答弁書や準備書面において,過剰主張等を主張自体失当と指摘すること自体,過剰主張等(無意味な主張)であり,相当ではないと考えます。

①誤った法的見解に基づく攻撃防御方法の提出の場合

 例えば,除斥期間は,当事者の援用を要さず,期間の経過により当然に効果が発生する。そのため,「除斥期間の抗弁を提出することが信義則違反である」との再抗弁(信義則違反の再抗弁)の提出は,主張自体失当である。(最二小判平成10年6月12日民集52巻4号1087頁)。

 また,例えば,建物の賃貸借契約における敷金返還請求権は、建物の明渡しが完了して初めて発生すると解されている(最判昭48.2.2民集27巻1号80頁、最判平11・1.21民集53巻1号1頁)ので、建物の明渡しと同時履行の関係に立たない。したがって,貸主から建物明渡請求を受けた借主が,建物の明渡しについて敷金の返還との同時履行の抗弁権を主張しても,主張自体失当である。

②攻撃防御方法の要件事実の主張漏れがある場合

 例えば,ある要件事実が,(a)(b)(c)(d)の各事実であるにも関わらず,(a)(b)(c)の各事実のみ主張を行い,(d)の事実の主張をしていない場合,その主張(攻撃防御方法)は,主張自体失当である。

③他の攻撃防御方法との関係で,いわゆる「せり上がり」に当たる場合

 例えば,請求原因の要件事実を主張すると,その事実中に,これに対する抗弁の要件事実が含まれている場合がある。かかる場合,請求原因の要件事実とともに,当該抗弁を覆滅させる再抗弁の要件事実をも「せりあげて」主張しなければ,当該請求原因の主張は主張自体失当となる。このような場合を「せりあがり」といいます。

【要件事実】せり上がり

 

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