はじめに申し上げておきますと、私は、受験生ではなく、予備校で受験指導しているわけでもありません。また、平成27年度の司法書士試験の問題用紙を持っているわけでもありません。ただの司法書士です。

 しかし、表題の件(募集株式発行の消極は出題ミスか否か)につき、2chや司法書士試験の講師のブログ等で話題になっており、私なりに思うところがありましたので、記事にします。

 結論から申し上げますと、私は、『募集株式の発行ができないことは、出題ミスではない』と思います。

 その理由は、「募集株式の発行が消極」である方が自然だということです。株式交換による対価の交付としての株式の発行は、募集株式の発行と同様のようなことをしているので、「発行済株式の総数」や「資本金の額」に影響を及ぼします。つまり、「募集株式の発行」と「株式交換による新株発行」を登記させるのはクドいのです。

 この点、私の手元の資料では、平成12年度の司法書士試験では、新株予約権の行使(募集株式の発行と同様の効果を持つ)を登記し、募集株式の発行は消極(新株予約権の行使のために留保されるべき発行可能株式総数を超えているため募集株式の発行ができない)となっています。

 司法書士試験では、あの午後の短すぎる試験時間の中で、記述式の商業登記で、毎年、「役員に関する事項」と「株式に関する事項」を出題しようとしています。試験問題作成者は、「株式に関する事項」でも、株式分割や株式の併合、株式の内容の変更、譲渡制限株式に関する事項等、様々な論点を出題したいと考えているはずです。それなのに、「募集株式の発行」と「株式交換による新株発行」を登記させるとしたらクドいのではないでしょうか。

 予備校講師の中には、「募集株式の発行による変更の登記の件は,出題ミスだと考えています」「募集株式の発行に係る部分は採点の対象からはずすということが一番適当な方法(※)」という主張をする方もいますが、受験生に対するリップ・サービスにも程があると思います。

 (※)ちなみに、私の数回ある悲しい不合格の経験上、商業登記記述式の採点方法は、減点方式(基本:1ミスにつき、-1点)だと思います。

 【追記】また、仮に、出題ミスだと言いはっても、試験という特性上、正解とみなせる解答が出せるのであれば、それは、出題ミスではないです。そもそも、出題傾向や出題意図を読み取って解答するというのは、(非常に有効ですけど、)試験テクニックですからね。試験では、問われていることに、答えればいいだけです。

 なお、登記不可事項の問いがないため、全て登記できるものとみなして、記述するというのは、大変危険な行為だと思います。仮に、そのような姿勢で問題を解けてしまうのであれば、その問題は、実体法も手続法も何ら検討せず、ひな形を覚えてさえいれば、解けてしまう問題ということです。これでは、法律を知っているか否かは判定できません。

 『今年の商業登記記述式は、難しかったので、各予備校が解答速報で間違った解答を出してしまった。そして、難しかったので、実力のある受験生でも殆どまともに解答できない問題だった。したがって、今年の商業登記記述式は、実力差が反映されない問題であった。記述式の基準点を超えるか否かは、不動産登記記述式の出来不出来にかかっている。』

 というのが、真実に近いのではないでしょうか。

 ・・・っと、まぁ、問題文も持っていない、よく事情がわかっていない人間が、試験に対して無責任なことを思っただけで、なんら具体的な証拠は示せないんですけどね。

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