【法務省】成年年齢の引下げに伴う養育費の取決めへの影響について
平成30年10月4日
子の養育費について,「子が成年に達するまで養育費を支払う」との取決めがされていることがあります。
平成30年6月13日に民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立したことに伴い,このような取決めがどうなるか心配になるかもしれませんが,取決めがされた時点では成年年齢が20歳であったことからしますと,成年年齢が引き下げられたとしても,従前どおり20歳まで養育費の支払義務を負うことになると考えられます。
また,養育費は,子が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない場合に支払われるものなので,子が成年に達したとしても,経済的に未成熟である場合には,養育費を支払う義務を負うことになります。このため,成年年齢が引き下げられたからといって,養育費の支払期間が当然に「18歳に達するまで」ということになるわけではありません。
例えば,子が大学に進学している場合には,大学を卒業するまで養育費の支払義務を負うことも多いと考えられます。
なお,今後,新たに養育費に関する取決めをする場合には,「22歳に達した後の3月まで」といった形で,明確に支払期間の終期を定めることが望ましいと考えられます。
成人の年齢は18歳に引き下げるものの,(子が大学に行くのであれば)養育費は22歳まではかかる,のが一般的だと思っているのですね。
なぜ,成人の年齢を引き下げたのでしょうか。
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この文章は,大学卒業までと定めるんだったらそれよりは22歳になった後の3月までと定めたほうがいいと思うよ,というような感じの文章なので,「養育費は22歳まではかかる,のが一般的だと思っている」わけではないと思いますよ。
司)柴田智行さん
「大学卒業までと定めるんだったらそれよりは22歳になった後の3月までと定めたほうがいいと思うよ」というのは,現在でも同じではないでしょうか。
(子が大学に行くのであれば)「また,養育費は,子が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない場合に支払われるものなので,子が成年に達したとしても,経済的に未成熟である場合には,養育費を支払う義務を負うことになります。このため,成年年齢が引き下げられたからといって,養育費の支払期間が当然に「18歳に達するまで」ということになるわけではありません。例えば,子が大学に進学している場合には,大学を卒業するまで養育費の支払義務を負うことも多いと考えられます。」という文言を考えると,(子が大学に行くのであれば)養育費は22歳まではかかると考えているのですよね。私は,なぜ,子が大学に行くのであれば,養育費は22歳まではかかると考えているのかなと思ったのです。
大学に行っている子は生活費を親に頼っていることも多い,ということですよね? そういう説明ではなにか引っかかりますか?
司)柴田智行さん
かなり,ひっかかるところは『養育費は,子が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない場合に支払われるものなので,子が成年に達したとしても,経済的に未成熟である場合には,養育費を支払う義務を負うことになります。』という文言ですかね。
例えば,子がニートになったりした場合,養育費の終期が無限に伸びるわけではないですよね。大学に進学した場合でも,当然に,養育費は22歳までかかるというのも不思議だなあと思いまして。
法務省が『子が成年に達したとしても,経済的に未成熟である場合には,養育費を支払う義務を負うことになります。』というのは,ごもっともだと思うのですが,そうであれば,成人の年齢を引き下げたことは,正しいことなのかなと思ったのです。
おっしゃることの意図がわかりました。その問題は,養育費には限らないのではないかと思います。例えば,年老いた親の生活費を親族間でどういうふうに負担するか,親に資産や収入が十分にあればいいのだけど,というのも似た問題になるのかなと。