ここがヘンだよ非弁提携事務所（１）完済時期が曖昧（よくわからない）

《回答》非弁提携（ひべんていけい）とは、弁護士が、非弁護士と弁護士法や職務基本規程上、許されない提携をすることをいいます。

簡単にいうと、弁護士（や司法書士）の資格がない人が、弁護士（や司法書士）を操って、弁護士事務所（や司法書士事務所）を運営すること などをいいます。対外的には、弁護士（や司法書士）が正常に運営しているように見えるので、一般の方はもちろんのこと、弁護士や司法書士であっても、非弁提携をしている事務所であることを見抜くことは難しいです。

大型非弁提携の事例としては、２０２０年の「弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所」や、２０２３年５月の「弁護士法人アーク東京法律事務所」があげられます。

《回答》非弁提携事務所に依頼した場合、下記のような被害に合うことが多いため、問題とされています。

実害（１）報酬が２～４倍ほど高い

非弁提携事務所の報酬（費用）は、一般的な弁護士・司法書士事務所の報酬（費用）よりも２～４倍ほど高くなっています。非弁提携事務所は、非弁業者に支払われる儲けの分、正常に運営されている弁護士・司法書士事務所に依頼する場合と比べて高額になります。

実害（２）横領される危険性（預り金の費消）

非弁業者は、非弁提携事務所をいつでも切り捨てることができるため、依頼者に返金すべき預り金を使ってしまうことがあります。

実害（３）依頼者にとってベストな選択がされない

非弁業者が関心があるのは非弁業者の利益のみです。したがって、依頼者の意向に関わらず、合理的な理由もなく、安易に手間の少ない解決策しか提示しない傾向があります。例えば、債務整理においては、本来、自己破産や個人再生を利用すべき場合でも任意整理を無理に勧めるといった傾向があります。

《回答》任意整理の手続の流れは、下記の画像とおりです。今回、債務整理（任意整理）の手続を開始して、約１年経過しているとのことですので、和解交渉は完了し、和解契約書は作成していると思われますので、具体的な完済時期もわかるはずです。

非弁提携事務所は、依頼者に完済時期を曖昧に伝え、いつまでも非弁提携事務所にお金を送金させようとします。

２０２０年の弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所（非弁提携事務所）の破産事件では、当初、「約５年で完済する」と聞かされていた依頼者が、依頼から５年後に連絡したところ、「完済まであと３年かかります」と言われたこともあったようです。