相続登記を放置する5つのリスク+α:過料以外の思わぬ落とし穴とは?

↓このページの内容↓

相続登記を放置する5つのリスク+α:過料以外の思わぬ落とし穴とは?
相談者

相続登記」って何ですか?

司法書士

相続を原因とする不動産の名義変更です。

相談者

相続登記」の義務化って本当?

罰金」まであるの?

司法書士

本当です2024年4月1日からの相続登記義務化が開始されました。

※相続の開始及び相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に手続きを行わないと、10万円以下の過料が科せられることになりました。

相談者

相続登記って何から始めればいいの?

司法書士

まずは、司法書士なかしま事務所までご連絡ください。
手続きの流れ・費用・見積りなどお答えします。

※1 当事務所は、相続登記遺言・相続対策・遺産承継業務・相続放棄を含む相続業務に15年以上のキャリアをもつ司法書士中嶋剛士が電話相談・面談、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。安心してお任せ頂けたらと思います。

※2 当事務所では相続に関する相談は初回無料です。もし相談をご希望の皆様は、下記をクリックして気軽にお問合せ(メール・LINE・電話)ください。

お気軽にお問い合わせください。052-737-1666受付時間 9:30-19:30 [ 土・日・祝日も可 ]

メール・LINEでのご予約・お問い合わせはこちら お気軽にご連絡ください。

リスク1:過料(罰則)の対象になる

Q1-1: 相続登記を放置すると罰金を取られるリスク

相談者

《質問》相続登記を放置すると罰金を取られるって本当ですか?

司法書士

《回答》はい。法律で定められた期限内に手続きを済ませないと、裁判所から10万円以下の「過料(かりょう)」という金銭的なペナルティが科される可能性があります。

注釈:
 2024年(令和6年)4月1日より、これまで任意だった相続登記が法律によって明確に「義務化」されました。このルール違反に対するペナルティが「過料」です。刑事事件の罰金とは異なり前科はつきませんが、個人の財布からお金を支払わなければならない点では同じです。国は所有者不明の土地問題を解決するために本腰を入れており、単に「知らなかった」「面倒だった」という理由での放置は法的なリスクを伴います。

Q1-2: 手続きの期限と罰則の対象

相談者

《質問》いつまでに手続きしないと罰則の対象になりますか?

司法書士

《回答》「不動産を相続したと知った日」からカウントして、3年以内に名義変更の手続きを完了させる法的な義務があります。

注釈:
 相続登記の義務化の厳密なルールは、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日」から3年以内です。例えば、親が亡くなったことと、親が実家を持っていたことを両方知った日から3年間のカウントダウンが始まります。実家以外にも、親が遠方に持っていた山林などに後から気づいた場合は、その存在を知った時点から3年となります。

Q1-3: 過去の相続物件への罰則適用

相談者

《質問》昔亡くなった親の土地でも、今から罰則の対象になりますか?

司法書士

《回答》はい、過去の相続もすべて対象になります。2024年4月より前に亡くなった方の不動産は、原則として2027年3月末までに名義変更が必要です。

注釈:
 今回の法改正で最も注意が必要なのは、法律がスタートする前(何十年も前)に発生した相続であっても、すべて義務化の対象に含まれるという点です。「おじいちゃんの名義のままになっている畑がある」といったケースも例外ではありません。過去の相続分については、猶予期間として「2027年(令和9年)3月31日まで」に手続きを終えなければペナルティの対象となる可能性があります。

Q1-4: 過料が免除される「正当な理由」

相談者

《質問》「正当な理由」があれば過料を免れると聞きました。どんな理由ですか?

司法書士

《回答》相続人が数十名いて戸籍集めに何ヶ月もかかる場合や、ご自身が重病で手続きができないなど、国が認めたごく限られた事情のみが当てはまります。

注釈:
 3年の期限を過ぎてしまっても、やむを得ない「正当な理由」があると法務局に認められれば過料は科されません。しかし、この理由はかなり厳格に決められています。例えば、「相続人が極めて多く、戸籍謄本等の収集に物理的な時間がかかっている」「遺言書の有効性をめぐって裁判で争っている」「申請義務者が重病を患っている」といったケースです。「兄弟で話し合う時間が取れなかった」「費用が払えなかった」といった事情は正当な理由として認められない可能性が高いため、放置は大きなリスクとなります。

リスク2:不動産の売却や融資の利用ができない

Q2-1: 名義変更なしでの不動産売却

相談者

《質問》名義が亡くなった親のままだと、家を売ることはできませんか?

司法書士

《回答》はい、亡くなった方の名義のままでは売却できません。家を売るには、必ず現在の所有者(相続人)へと名義変更をしておく必要があります。

注釈:
 不動産取引の原則として、法務局の登記簿に記載されている「名義人」と、売買契約書にサインする「売主」は一致していなければなりません。たとえ親子であっても、亡くなった親の名前で家を売ることは法律上不可能です。親名義のまま不動産会社に買い手を探してもらっても、契約の段階で「名義変更(相続登記)を済ませてから」と条件をつけられてしまいます。

Q2-2: 手続き遅延による売却チャンスの喪失

相談者

《質問》売却のチャンスを逃してしまう「経済的な損失」とは何ですか?

司法書士

《回答》名義変更には書類集めなどで数ヶ月かかることがあり、手続きをしている間に買主が諦めてしまい、売却の機会を失ってしまうリスクのことです。

注釈:
 良い条件で家を買ってくれる人が現れても、相続登記が終わっていなければ売買契約を結べません。慌てて手続きを始めても、親族間の話し合いや古い戸籍集めに1〜2ヶ月以上の時間がかかることはよくあります。その間に、買主が別の物件を買ってしまえば、売却のチャンスが白紙になってしまいます。いざ売りたい時にすぐ動けないことは、資産活用における大きな障害となります。

Q2-3: 相続未登記によるリフォームローンの審査

相談者

《質問》実家をリフォームしたいのに、銀行でお金を借りられないって本当ですか?

司法書士

《回答》はい。名義が亡くなった人のままだと家を担保にできないため、リフォームローンなどの審査に通らなくなってしまうリスクがあります。

注釈:
 金融機関から大きなお金を借りる際、多くの場合、対象となる不動産に「抵当権」という担保を設定します。しかし、金融機関は貸し倒れを防ぐため、所有者がはっきりしない不動産を担保として認めることはありません。名義変更が終わっていない家は、担保価値が認められないことが大半です。そのため、老朽化した実家をバリアフリー化したいと思っても、資金を借りられない事態に陥ります。

Q2-4: 空き家解体と名義変更の必要性

相談者

《質問》空き家を解体して更地にしたいのですが、そのままで平気ですか?

司法書士

《回答》建物を解体する際も、名義が亡くなった方のままだと手続きが進まない場合があるため、事前に名義変更を行うことが求められます。

注釈:
 古くなった実家を解体して更地にする場合でも、解体工事の契約や、解体後に法務局へ「建物がなくなった」という届け出(建物滅失登記)を行うには、原則として建物の所有者が手続きをする必要があります。名義が曖昧なままだと、後から他の親族が現れて損害賠償を請求されるなどのトラブルに発展する恐れもあるため、解体前に権利を確定させておく必要があります。

リスク3:権利関係が複雑化し、親族間トラブルに発展する

Q3-1: 時間の経過と相続人の増加

相談者

《質問》時間が経つと、親戚同士で話し合いがまとまらなくなるのはなぜですか?

司法書士

《回答》遺言書の検認を司法書士事務所に頼むメリットには、下記のメリットがあります。

Q:

A: 放置中に次の相続が起きると、会ったこともない親戚まで相続人になり、関係者が数十名に増えて話し合いが極めて困難になるからです。

注釈:相続登記を放置する深刻なリスクの一つが「権利関係の複雑化」です。例えば、父親が亡くなって兄弟3人で家を分けるはずだったのに、放置している間に長男が亡くなってしまうと、長男の妻や子供に権利が移ります(数次相続)。さらに時間が経つと孫やひ孫にまで権利が枝分かれし、気づけば数十人の親戚で話し合い(遺産分割協議)をしなければならない状況に陥るリスクがあります。

Q3-2: 疎遠な親族を含む全員の合意

相談者

《質問》会ったこともない親戚全員からハンコをもらう必要がありますか?

司法書士

《回答》はい。遺産の分け方を決める話し合いは「法律上の相続人全員」で行うルールのため、一人でも欠けると手続きが進まなくなります。

注釈:
 遺産分割協議書には、相続人全員の直筆の署名と「実印」での押印、そして印鑑証明書の添付が求められます。どれほど疎遠であっても、一度も会ったことがなくても、法律上の相続人である以上は手続きの対象となります。見知らぬ親戚と連絡を取ったり、手紙を送って事情を説明したりと、多大な労力と精神的な負担が生じるリスクがあります。

Q3-3: 認知症の相続人と成年後見制度

相談者

《質問》認知症の親族がいると、名義変更ができなくなるのですか?

司法書士

《回答》はい。認知症などで判断能力が低下すると法的な話し合いができず、裁判所で「成年後見人」を立てる必要が生じるリスクがあります。

注釈:
 遺産分割協議は、法律上「契約」と同じ重みを持つ行為です。そのため、相続人の中に認知症を患っている方がいる場合、その方が押したハンコは法的に無効と判断される可能性があります。手続きを進めるには、家庭裁判所に申し立てをして「成年後見人」という代理人を選任してもらう手続きが別途必要になり、時間と費用の負担が継続的に発生する恐れがあります。

Q3-4: 意見対立の放置と将来世代への負担

相談者

《質問》誰が家を継ぐかで意見が対立したまま放置するとどうなりますか?

司法書士

《回答》話し合いを諦めて放置し続けると、問題が先送りされ、将来の子供や孫に「権利関係が不明確な不動産」を残してしまうことになります。

注釈:
 「実家は誰が継ぐのか」「代わりに誰が現金を多くもらうのか」といった意見の対立が起こることは少なくありません。しかし、そのまま放置すると相続人がネズミ算式に増えていき、将来世代が解決困難な状況に直面するリスクが高まります。結果として、次世代に膨大な手間と費用をかけて先祖の権利関係を整理させる負担を強いることになります。

リスク4:他人に権利を取られる・差し押さえ・競売の対象になる

Q4-1: 相続人の債務による持分の差し押さえ

相談者

《質問》借金を滞納している親戚がいると、家が差し押さえられますか?

司法書士

《回答》はい。借金を抱える親族がいると、お金を貸している債権者などが勝手に登記を行い、家の一部を差し押さえる危険があります。

注釈:
 相続登記を放置している間に生じる重大なトラブルです。相続人の中に、借金や税金を滞納している人がいたとします。債権者(お金を貸している側)は、借金を回収するために、その人の法律上の取り分(法定相続分)だけを勝手に登記(債権者代位登記)して、その部分を強制的に差し押さえることが法的に認められています。

Q4-2: 法定相続分の勝手な売却リスク

相談者

《質問》勝手に他人に家の権利を取られてしまうことがあるんですか?

司法書士

《回答》はい。差し押さえだけでなく、お金に困った親族が自分の取り分(法定相続分)だけを勝手に他人に売却してしまうリスクもあります。

注釈:
 親族内で「実家は長男が全部もらう」と口約束をしていても、名義変更(相続登記)をせずに放置していると、他の相続人が自分の法定相続分(法律で定められた割合)だけを勝手に単独で登記して、不動産業者などに売却してしまうことが制度上可能です。登記は「早い者勝ち」の性質があるため、先に他人の名前が載ってしまうと取り消すのが困難になる恐れがあります。

Q4-3: 第三者との共有状態と競売の危機

相談者

《質問》差し押さえられたら、私の住んでいる家が競売にかけられますか?

司法書士

《回答》差し押さえられた持分が競売にかけられると、見知らぬ他人と家を共有することになり、家賃を請求されるなどのトラブルに発展する恐れがあります。

注釈:
 差し押さえられた親族の持分が競売で落札されると、第三者が突然「この家の共同オーナーです」と名乗り出てくることになります。その他人から「自分の持ち分を買い取ってほしい」と高額な要求をされたり、逆に「住み続けるなら家賃を払え」と請求されたりするなど、生活の基盤が脅かされる深刻な事態へと発展するリスクを孕んでいます。

Q4-4: 遺産分割協議と第三者への対抗力

相談者

《質問》親族で「長男が継ぐ」と決めていたのに、無効になるのですか?

司法書士

《回答》差し押さえが先に行われると、後から「長男が全てもらう」という遺産分割協議がまとまっても、差し押さえた相手に対抗できなくなる恐れがあります。

注釈:
 遺産分割協議(誰がどの財産をもらうかの話し合い)が後からまとまったとしても、登記簿上ですでに他人に差し押さえが入っていたり、権利が売却されたりした後では、その第三者に対して「私たちが話し合って決めたことだから権利を返してほしい」と法律上主張することが難しくなります。権利を保全するためには、速やかな名義変更の登記が求められます。

リスク5:空き家放置で固定資産税が最大6倍に跳ね上がる

Q5-1: 空き家放置による固定資産税の増額

相談者

《質問》相続した空き家を放置すると、税金が最大6倍になるって本当ですか?

司法書士

《回答》本当です。管理状態が悪く自治体から指導を受けても改善しない場合、固定資産税の優遇措置が外れ、税金が最大6倍になるリスクがあります。

注釈:
 通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」という制度により、固定資産税の課税標準額が最大で6分の1に軽減されています。 しかし、誰も住まなくなった実家を放置し、周辺環境に悪影響を及ぼす状態になると、自治体から「特定空家」や「管理不全空家」に指定される可能性があります。 指定を受けて勧告に従わないと、この特例が解除され、翌年から固定資産税が本来の金額(最大6倍)に増額されてしまう恐れがあります。

Q5-2: 「特定空家」と「管理不全空家」の定義

相談者

《質問》「特定空き家」や「管理不全空き家」とはどのような状態ですか?

司法書士

《回答》倒壊の恐れや衛生上有害な状態が「特定空き家」です。また、放置すれば特定空き家になる恐れがある状態が「管理不全空き家」と呼ばれます。

注釈:
 建物の老朽化で屋根や外壁が剥がれ落ちそうであったり、雑草が繁茂して害虫や悪臭が発生したりしていると「特定空き家」とみなされるリスクが高まります。 さらに、2023年の法改正により、現在はまだ特定空き家でなくても、管理が不十分で将来的にトラブルになる恐れがあると判断された「管理不全空き家」についても、指導や勧告の対象となり、固定資産税の特例が外れる(税金が上がる)対象に含まれました。

Q5-3: 空き家放置に伴う損害賠償と防犯リスク

相談者

《質問》税金が上がる以外に、空き家を放置するリスクはありますか?

司法書士

《回答》建物の劣化による倒壊事故での損害賠償責任や、不審者の侵入による防犯リスク、周辺住民とのトラブルに発展する恐れがあります。

注釈:
 空き家の所有者には、建物を適切に管理する法的な義務があります。もし台風などで屋根瓦が飛び、通行人にケガをさせたり隣の家を壊したりした場合、名義人である相続人が高額な損害賠償責任を問われるリスクがあります。これらのリスクを避けるためには、名義変更を速やかに行い、売却・解体・活用などの対策を早急に講じる必要があります。

その他のリスク

▶書類収集に関するリスク

Q6-1: 保存期間経過による戸籍の廃棄

相談者

《質問》役所で「古い戸籍はもう破棄された」と言われました。どうなるのですか?

司法書士

《回答》役所の保存期間を過ぎて書類が廃棄されている場合、同一人物の証明が困難になり、通常の何倍も複雑な追加の証明手続きが求められるリスクがあります。

注釈:
 相続登記には、亡くなった方の古い住所履歴(戸籍の附票など)が必要です。現在でこそ保存期間は延長されましたが、過去の法令では保存期間が5年と短かったため、古い相続を放置していると役所で書類が合法的に廃棄されているケースが多発しています。 書類がない場合は「不在籍証明書」の取得や「上申書」の作成など、特殊な書類で法務局へ説明する必要が生じ、手続きの難易度が大幅に上がります。

Q6-2: 納税通知書紛失と不動産調査

相談者

《質問》毎年届く「固定資産税の納税通知書」を紛失してしまいました。

司法書士

《回答》不動産の正確な把握が漏れるリスクがあります。役所で「名寄帳(なよせちょう)」を取り寄せることで、所有不動産を確認できる場合があります。

注釈:
 親が持っていた不動産を正確に調べるために、納税通知書は重要な手がかりとなります。これを紛失したまま手続きを進めると、私道や山林などの一部の不動産の名義変更が漏れてしまうリスクがあります。紛失した場合は、不動産があると思われる市町村の役所で「名寄帳」という所有不動産の一覧表を発行してもらうことで、調査を行うことが可能です。

Q6-3: 権利証紛失時の相続登記手続き

相談者

《質問》亡くなった親の「権利証(登記済証)」が見つかりません。

司法書士

《回答》相続登記において、亡くなった方の権利証の提出は原則不要です。ただし、権利証がないことで不動産の特定が難しくなる場合は注意が必要です。

注釈:
 不動産を売買する際には権利証(または登記識別情報通知)が必要ですが、相続による名義変更の手続きにおいては、法務局へ古い権利証を提出する必要は原則としてありません。権利証が見つからなくても手続き自体が不可能になるわけではありませんが、他に不動産を特定する書類(名寄帳など)をしっかり揃えなければならないという調査の負担が生じます。

▶住所や氏名の不一致によるリスク

Q7-1: 登記簿上の住所と現住所の不一致

相談者

《質問》親の最後の住所と、登記簿の住所が違っている場合はどうなりますか?

司法書士

《回答》同一人物であることの証明が困難になるリスクがあります。過去の住所の繋がりを証明する書類集めや、事前の「住所変更登記」が必要になる場合があります。

注釈:
 法務局の登記簿には、不動産を購入した当時の住所が記載されています。引っ越し後に登記簿の住所を変えていなかった場合、法務局は「登記簿の人物」と「亡くなった人物」が同一であるか厳格に審査します。これを証明するために、すべての住所履歴を辿る必要があり、履歴が繋がらない場合は手続きが長期化する要因となります。

Q7-2: 複数回の転居に伴う履歴証明の負担

相談者

《質問》親が何度も引っ越しをしていた場合、手続きはどうなりますか?

司法書士

《回答》転居のたびに各役所から履歴の証明書を取り寄せる必要があり、時間と労力が大きくかかるほか、履歴が途切れて手続きが難航するリスクがあります。

注釈:
 登記簿の古い住所と最後の住所を繋げるため、親が本籍地や住民票を移すたびに、全国の役所から「戸籍の附票」や「住民票の除票」などを途切れることなく集める必要があります。郵送請求を繰り返すことになり、途中で書類の保存期間が切れて廃棄されていると、手続きの難易度がさらに上がってしまいます。

▶親族関係の複雑化によるリスク

Q8-1: 予期せぬ相続人の発覚

相談者

《質問》戸籍を調べたら、会ったこともない前妻の子供がいました。

司法書士

《回答》法定相続人である以上、連絡を取らずに手続きを進めると協議が無効になるリスクがあります。手紙等で事情を説明し、協議への協力を求める必要があります。

注釈:
 親の戸籍を遡ると、予期せぬ相続人(前婚時の子供や養子など)の存在が発覚するリスクは常にあります。法律上は平等な相続権を持つため、一部の相続人を除外して勝手に進めることはできません。戸籍の附票等から住所を調べ、手続きの目的を記した手紙を送るなどして、協議への参加を求める対応が必要となります。

Q8-2: 疎遠な親族への連絡とトラブル防止

相談者

《質問》疎遠な親戚に手紙を送りたいのですが、どう書けばいいですか?

司法書士

《回答》感情的な言葉は避け、財産の状況や手続きの目的を客観的に記すことが重要です。書き方によってはトラブルを誘発するリスクがあります。

注釈:
 突然の手紙で一方的な要求を伝えると、相手が警戒して協議が難航する恐れがあります。財産(不動産)の状況や、どのような形で解決したいのかを事実に基づいて丁寧に伝えることが求められます。第三者的視点が必要な場合は、専門家に文面作成や通知の手続きを依頼することも選択肢の一つとなります。

Q8-3: 海外在住相続人のサイン証明手続き

相談者

《質問》相続人の一人が海外に住んでいて、印鑑証明書が取れません。

司法書士

《回答》日本の印鑑証明書がないため手続きが止まるリスクがあります。現地の日本領事館などで「サイン証明書(署名証明書)」を発行してもらう手続きが必要です。

注釈:
 遺産分割協議書には実印と印鑑証明書が必要ですが、海外在住者は住民票を抜いているため日本の印鑑登録がありません。この場合、本人が現地の日本大使館や領事館に出向き、領事の面前でサインをする「サイン証明書」を取得するなどの特殊な対応が求められ、国際郵便のやり取り等で手続きに時間がかかる要因となります。

▶空き家やその他の特殊なリスク

Q9-1: 空き家売却時の3000万円特別控除の期限

相談者

《質問》空き家を売った時に税金が安くなる「3000万円特別控除」とは?

司法書士

《回答》古い実家を相続して売却した際、要件を満たせば譲渡所得から最大3000万円が控除される制度ですが、期限を過ぎると適用されないリスクがあります。

注釈:
 相続した実家を空き家のまま、または解体して売却した場合、一定の条件を満たせば税金が大きく軽減される特例があります。 しかし、この制度を利用するためには「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却を完了させなければならないという厳格な期限が設けられています。 相続登記を放置して売却手続きが遅れると、この特例が使えなくなり、多額の税金を支払うリスクが生じます。

Q9-2: 相続放棄の期限と登記義務の消滅

相談者

《質問》親が借金ばかりで「相続放棄」をした場合、名義変更はどうなりますか?

司法書士

《回答》相続放棄をすれば不動産を受け継がないため登記の義務はなくなりますが、3ヶ月の期限を過ぎると借金を背負うリスクがあるため注意が必要です。

注釈:
 家庭裁判所で「相続放棄」の手続きをすれば、初めから相続人ではなかったことになり、借金も不動産も引き継ぎません。 したがって相続登記の義務もなくなります。ただし、相続放棄は「親が亡くなったことを知ってから3ヶ月以内」という非常に短い期限内に申し立てる必要があり、これを逃すと多額の負債を抱えるリスクがあります。 登記の3年期限とは異なる点に注意が必要です。

Q9-3: 完済済み住宅ローンの抵当権抹消

相談者

《質問》すでに完済したはずの住宅ローンの「抵当権」が残ったままです。

司法書士

《回答》完済していても、登記を消す手続きをしないと「担保に入っている家」のままとなり、売却や融資の妨げになるリスクがあります。

注釈:
 親が生前に住宅ローンを払い終わっていたとしても、法務局で「抵当権抹消登記」を行っていなければ、登記簿上はいつまでも借金の担保に入った状態として記録が残ります。この状態では不動産の売却が困難になる恐れがあるため、相続登記(名義変更)を行うタイミングで、併せて抵当権を消し去る手続きを行うことが推奨されます。


 相続登記の放置は、単なる手続きの遅れにとどまらず、過料の罰則、不動産の売却不可、税金の増額、そして親族間の深刻なトラブルなど、多岐にわたるリスクを抱えています。時間が経つほど権利関係は複雑化し、対応の難易度と負担は増大します。ご自身の財産を守るためにも、お早めの対応をご検討ください。手続きが困難な場合は、司法書士などの専門家へサポートをご相談いただくことも選択肢の一つです。

お気軽にお問い合わせください。052-737-1666受付時間 9:30-19:30 [ 土・日・祝日も可 ]

メール・LINEでのご予約・お問い合わせはこちら お気軽にご連絡ください。

お問合せ・事務所アクセスなど

相談者

事務所はどこにありますか?

司法書士

〒464-0093
名古屋市千種区茶屋坂通二丁目69番地
茶屋ケ坂パークマンション504

になります。
Googleマップ
最寄りの駐車場

1階にオートロックがありますので、504[呼]を押してください。

相談者

認定司法書士ですか?

司法書士

はい。司法書士中嶋剛士は、愛知県司法書士会所属の認定司法書士です。

愛知県司法書士会のHP。会員番号1924、認定番号1318043

相談者

まずは「無料相談」でも大丈夫ですか?

司法書士

はい。初回のみ無料相談とさせていただいております。
ぜひ、司法書士なかしま事務所までご連絡ください。

※1 当事務所は、相続登記遺言・相続対策・遺産承継業務・相続放棄を含む相続業務に15年以上のキャリアをもつ司法書士中嶋剛士が電話相談・面談、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。安心してお任せ頂けたらと思います。

※2 当事務所では相続に関する相談は初回無料です。もし相談をご希望の皆様は、下記をクリックして気軽にお問合せ(メール・LINE・電話)ください。

お気軽にお問い合わせください。052-737-1666受付時間 9:30-19:30 [ 土・日・祝日も可 ]

メール・LINEでのご予約・お問い合わせはこちら お気軽にご連絡ください。

解説者「司法書士 中嶋 剛士」のプロフィール

司法書士 中嶋剛士(シホウショシ ナカシマコウジ)
司法書士中嶋剛士

「司法書士なかしま事務所」代表司法書士
名古屋市の法務大臣認定司法書士
依頼は“相続・相続対策”と“借金問題”が中心
司法書士実務は2011年から
特別研修のチューターを4年経験
テレビ出演:2021年3月30日:CBCテレビ[チャント!]
登録番号 愛知 第1924号
簡裁訴訟代理等関係業務 認定番号 第1318043号