択一直前総整理講座(伊藤塾)の正しい使用方法

 私が働きながら司法書士試験に合格できたのは、択一に関しては、『択一直前総整理講座』のお陰です。択一直前総整理講座は、もともと伊藤塾の向田先生の講座だったのですが、最近、向田先生が伊藤塾を出て、新しく塾を立ち上げたので、講師は「北谷馨」先生になっているそうです。

 この講座の特徴は、講義が素晴らしいというよりも、テキストが優れています(北谷先生の講義は聞いたことありませんが。)。私は、このテキストには講義は必要がないと思います。なぜなら、(1)このテキストを使えるだけの実力があれば、講義は必要ないし、(2)このテキストを使えこなせないのであれば、まずは、基本テキストを読むなり、基本的な定義等を頭に入れてから、このテキストを使うべきだからです。

 そういえば、よく、このテキストの使用方法を間違っている方がいらっしゃいます。

 それは、このテキストにある肢別問題集を中心に解いてる方です。このテキストは、問題集ではありません。このテキストの肢別問題集を解いても損はないでしょうが、このテキストの肢別問題集のみでは、問題集としては、量が少なすぎます。問題集は、やはり過去問の全肢に頼るべきでしょう。

 このテキストの真髄は、表にあります。このテキストの表を全て覚えましょう。もちろん、写経する必要はありません。昨日お伝えしたように、過去問の肢を解いてる際に、このテキストのどこに、その過去問の肢の解説(解答)が載っているかを瞬時に判断できるようにするのです。つまり、過去問は、問題集にし、このテキストは、解説集とするのです。

 これができていれば、少なくとも、択一では、基準点+4問程度は、得点できるはずです。運がいいと、私みたいに午後択一満点が取れます。

 なお、私は、過去問とこのテキスト以外は、LECやWセミナーの模試で出題されたこのテキストに記述のない論点表を数ページ挟み込んだだけで、特に他の問題集や参考書を使っていません。

下記のとおり、伊藤塾講座「択一直前総整理」と市販版「必出3300選」のどちらを選ぶか迷っております。どちらが良いでしょうか? なお、現在は、他の予備校で基本講座を受講中です。

①塾の講座資料
■市販版よりも問題数・論点数も多い。
 ただ、若干資料が増えるだけで60000円の価値があるのか不明。
■形式面ですが、B5サイズなので、他の資料も差し込み情報の一元化が楽。

②市販版
■3000選から3300選となり、論点数は増えた。その意味でより点がとりやすい?
■当然、講座資料よりも情報量はすくないため、塾生とは差がついてしまう。
■講師の方の「これのみでは基準点超えは難しい」との説明が気になる。
■旧3000選から3300選の改訂となり、旧3000選の紙面では「これのみで十分」と謳いながら、3300選では「Aランクは揃えました。正しい努力の方向性を示してます」のみ言い、何だが事前言い訳と商業主義を感じてしまいます。(Aランクは揃えました、あとはどうするかは自己判断。不安に感じたら伊藤塾を利用してねという意図も…)
■一方、旧3000選を使用者で合格者の方も、これだけで十分と掲載されていますので悩ましいです。

 申し訳ございませんが、精査したことがないので、断言しかねますが、基準点を超えるか否かだけで判断すると、3000選でも大丈夫なはずです。よって、3300選でも大丈夫なはずです。
 ただ、私が受験生だったら、「択一直前総整理」の講座を受講します。その理由は、他の資料の差込が簡単だからです。特に、まだ、基礎講座を受講中ということは、3300選や「択一直前総整理」に記載されていない“試験では直接問われないけど覚えておいた方が良い基礎的な表や解説”も多いと思いますし、現段階では、解説講義なしでは、表自体も上手に使いこなせないのではないかなとも思います。
 なお、肢別問題の数に関しては、「択一直前総整理」の方が多いかもしれませんが、あまり気にするところではないと思います。上記、本文でも述べているとおり、右側の表が大事なテキストであり、左の肢別問題は、過去問で頻出の絶対に落としてはいけない肢です。この肢さえ間違うようなら基準点にさえ届かないでしょうし、合格にはまだまだ遠いです。択一に関しては、最終的には、過去問の全肢を解説できる(or表のどこに書いてあるかを思い出す)ようにするのが目標であり、「択一直前総整理」にしても3300選にしても、そのための道具に過ぎません。もっとも、基礎講座を受講中に過去問を解いて覚えるのは大変なので、「択一直前総整理」や3300選の肢だけは完璧にするという使い方ならば有用かなとも思います。
 よって、私は、(お金の問題は残りますが、)「択一直前総整理」の講座を受講した方が良いと思います。

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択一直前総整理講座(伊藤塾)の正しい使用方法” に対して12件のコメントがあります。

  1. 匿名希望 より:

    中嶋先生、こんにちは。

    受験生のためにもなるブログを更新頂き、ありがとうございます。
    現在、かつての先生と同じく兼業受験生の会社員です。

     突然で恐縮ですが、質問させてください。
    現在、来年受験の直前の確認資料として、伊藤塾講座「択一直前総整理」と市販版「必出3300選」のどちらを選ぶか迷っております。塾の窓口にいき、資料閲覧と説明頂きましたが、それでも判断がつきかねます。
    (講師の方の説明では、総整理講座は、市販版の3割増しの内容であり、市販版では基準点はとれず、自分で追加の書込みが必要になるとのことでした。)
    実物を見ても判断がつかず、恥ずかしい限りですが、もし市販版も見たことがありましたらご意見いただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

    私見では以下①②の程度の感触くらいです。
    なお、両方を購入して、じっくり吟味する方法もありますが、
    金銭面、購入後の迷う時間、徒に資料が増えてしまう面も考えると
    最初に、どちらかのみを購入しておくべきと考えております。

    ①塾の講座資料
     ・市販版よりも問題数・論点数も多い。
      ただ、若干資料が増えるだけで60000円の価値があるのか不明。
     ・形式面ですが、B5サイズなので、他の資料も差し込み情報の一元化が楽。
     
    ②市販版
     ・3000選から3300選となり、論点数は増えた。その意味でより点がとりやすい?
     ・当然、講座資料よりも情報量はすくないため、塾生とは差がついてしまう。
     ・講師の方の「これのみでは基準点超えは難しい」との説明が気になる。
     ・旧3000選から3300選の改訂となり、旧3000選の紙面では「これのみで十分」と謳いながら、
      3300選では「Aランクは揃えました。正しい努力の方向性を示してます」のみ言い、
      何だが事前言い訳と商業主義を感じてしまいます。
      (Aランクは揃えました、あとはどうするかは自己判断。
       不安に感じたら伊藤塾を利用してねという意図も…)
     ・一方、旧3000選を使用者で合格者の方も、これだけで十分と掲載されていますので
      悩ましいです。

    なお、現在は、他の予備校で基本講座を受講中です。(民法、不登法が終了。現在商法・会社法を受講中)
    それでも直前資料を今から用意するのは、基本テキストを精読しつつ、直前期に初見の資料をみる負担を
    回避したいためです。(基本はテキストでキチンと身に着けつつ、まとめ資料を一読はしておきたい)

    批判めいた事も書いてしまいましたが、市販書籍も試験対策本として優れているとは思います。
    長文失礼しました。
    よろしくお願いいたします。

    匿名希望者より。

    1. >>匿名希望さん
       上記のとおり回答いたしましたので、よろしくご査収ください。なお、私は、伊藤塾の回し者ではありませんし、自分自身が色々と批判してしまうタイプなので、全く気にしないで良いですよ。

  2. 匿名希望 より:

    中嶋先生

    土日にもかかわらず、早々にご回答いただきまして、ありがとうございます。
    詳細なご説明、大変助かります。

    ご回答にありますように資料としての使い勝手の良さ、解説論点数の充実度から
    総整理講座が前向きに検討しようかと思います。

    確かに金銭面の問題もありますが、本年度分は7月で終了になり、来年は3月から受講可能との事なので。
    効率のために金銭を気にしなくていいのが兼業受験者のささやかな強みですし(苦笑)

    あとは基準点だけでなく、合格点が取れるかですね…。
    先生の受験時ブログにありますように、基礎の構築、過去問集(兼業なので伊藤塾のセレクト過去問にしてます)を取得をしたうえで、総整理講座を極めれば合格点もとれそうな気がします。

    もちろん自分次第ですが。

    ご回答ありがとうございました。

    匿名希望者より

    1. >>匿名希望さん 過去問は、伊藤塾のセレクトということですが、私は、全くお勧めできません。問題数が少ないためです。演習する過去問数(≠答練等の問題集)が少ないと、様々な理由がありますが、司法書士試験では、圧倒的に不利です。色々と時間も少なく大変でしょうが、ぜひ過去問集は、昭和の時代から全て載っているLECかTACの過去問集で頑張ってください。

  3. 柴田智行 より:

    匿名希望さんへ  試験の直前期を見据えて勉強なさる姿勢が大変すばらしいと思います。ぜひそのまま照準をあわせて勉強を続けてください。ところで,現在は基礎講座を受講中とのことですが,その講座で用いているテキストは使いにくいですか? もし大きな不満が特にないのであれば,そのテキストを直前期までずっと用いることができるような勉強をしていただいたほうが良いと思います。上記記事の中嶋先生の言葉を借りるなら,「過去問の肢を解いてる際に、このテキストのどこに、その過去問の肢の解説(解答)が載っているかを瞬時に判断できるようにする」ような勉強をなさるべきですので,使い慣れたテキストを直前期に持ち替えることは得策だとは思えません。とりあえず民法や不動産登記法の勉強をなさった状態で,今お使いになっているテキストより3300選のような整理方法が自分に合うと今の時点でお考えであるならば,さっそく3300選をお買いになって,「過去問の肢を解いてる際に、このテキストのどこに、その過去問の肢の解説(解答)が載っているかを瞬時に判断できるようにする」ような勉強をなさるべきです。同じような整理方法が採用されているからといって講座の開講を何か月も待っているなんてもったいないです。点のとれるところから点をとっていかないと合格できない試験なのですから。

    1. >>柴田さん 補足ありがとうございます。ただ、司法書士柴田智行にしておかないと、「誰?!」ってことになりますよー(^_^;)。

      1. 柴田智行 より:

        大丈夫! 中嶋先生はきっと正しいツッコミを入れてくれるハズと思って書いてますから(爆)。次回以降,気を付けます m(_ _)m

  4. 匿名希望 より:

    中嶋先生 
     重ねてのご助言、ありがとうございます。 
     過去問は伊藤塾セレクトでは足りないですか…。自身の来年までの可処分時間、それに対して残りの講義数、 復習時間を算出すると、とても過去問ゾーン等は消化できないのが正直なところでした。
     ですが、再検討が必要かもしれません。ありがとうございます。

    柴田智行様
     (司法書士の先生かと存じます、間違いでしたらご容赦願います)
     ご質問を見てくださり、ありがとうございます。
     また、ご助言ありがとうございます。
     現在のテキストは使い勝手はいいです。ただ、それでも総ページ数は2000Pになるので、直前に高速回転で きる情報集約ツールが必要かなとは考えております。
     
     なお、「同じような整理方法が採用されているからといって講座の開講を何か月も待っているなんてもったいないです」のご助言ですが、もったいないのは全くその通りです。
     そのため、2015総整理講座は2015年7月末まで販売終了(伊藤塾窓口より)となるので、
     7月中に購入はして資料を読んでしまい、2016年3月ごろに講座開講しても法改正部分のみ差替えて、
     時間短縮を図るプランをとる案も検討している意味です。
     
     わかりづらい表現ですみません。

     匿名希望より

  5. 匿名希望 より:

    中嶋先生はじめまして。受験生のコメントに対して真摯な対応をされていたので誠にかってながらコメントさせて頂きました。
    先生のブログを知ったきっかけは択一直前総整理講座を受講しようか悩んでいた時にみつけました。そして受講し筆記は合格することができました。ありがとうございました。
    その後の口述があまりにもひどく不登法、商登法は×のオンパレードでもう一周することになりかなりやばい状態になっております。最終合格が微妙なところですがもし差支えなければ教えて頂きたいことがあります。
    先生がおすすめの完全講義民事裁判の実務(上)(下)を検討しています。最近では入門編も出ておりますが3冊揃えた方がよいのか、(上)(下)だけでよいのか、入門編1冊でよいのか教えて頂けないでしょうか

    先生に怒られるかもしれませんが私が司法書士試験を目指したきっかけは将来司法書士になるではなく司法書士試験に合格することでした。合格後のビジョンがなかったので研修をどうしようか悩んでいるところです。
    私の人生の中でなかなか経験する事ができないのでお金は少し借りてでも参加し、業界の事が何も分からないので研修を通して実務に就くか就かないか決めようと思う自分もいますがこの考え方は間違っているでしょうか。
    特に悩ましいのは認定考査です。実務をされている認定司法書士の方で認定不要という方もいますが、先生も含め大多数の方が認定必要と言っています。私は試験勉強前から認定には興味なく、だから司法書士試験を選んだ事になりますが現在では当たり前のように大多数の方が取得し、もしかして自分も受けないとまずいのかなと思うようになりました。認定考査もなかなかできない経験であり、勉強してみたい自分もいますが私の場合は実務に就かないかもしれない、認定取得後のビジョンもないのでその状態では受けない方がマシでしょうか。
    かなりの長文になってしまい、お忙しい所本当に申し訳ございませんでした。よろしくお願い致します

    1. >匿名希望さん
      >その後の口述があまりにもひどく不登法、商登法は×のオンパレードでもう一周することになりかなりやばい状態になっております。最終合格が微妙なところですがもし差支えなければ教えて頂きたいことがあります。
      というところが,よくわかりませんが…完全講義民事裁判の実務については,入門編と発展編のみで大丈夫ですよ!

       また,特別研修を受講するか(その後,認定考査を受験するか)は,人それぞれですので,正解はないと思います。

       まず,私の知り合いには,認定考査に合格していなくても立派に仕事をしている方もおります。したがって,認定考査に合格していないと,司法書士として仕事ができないというわけではありませんし,稼げるか否かにも直接影響を与えるものではないと思います(認定考査に受かったからといっても,裁判実務の経験なく,受かっただけでは裁判実務は,能力的に辛いものがありますし(^_^;))また,裁判実務をする意志がないのであれば,認定考査の勉強は不要かもしれませんね。さらに,匿名希望さんのように,(案外多いと思いますが,)司法書士試験に合格したものの,司法書士がどのような仕事をするかわからない方,どのように司法書士として稼ぐかを考えてこなかった方は,独立するまでに時間がかかる可能性が高いので,今,認定考査を受けなくても良いかもしれませんね。独立する前や仕事で必要と感じることが多くなってきたときでも良いと思います。
       一方,特別研修の受講や認定考査の勉強には一定の時間がかかるため,本格的に(司法書士として)働く前に,とりあえず取得しておくというのは,間違いではありません。なお,特別研修の受講生の大半は,明確なビジョンなく,とりあえず認定を取得しておく方ですよ。

       以上のとおり,何が正解なのかは,(お金の問題もありますし,)絶対にこうした方が良いということも言えませんが,参考になれば幸いです。

      1. 匿名希望 より:

        中嶋先生 

        昨日は急なコメント失礼しました。そして早々にご回答頂きまして有り難うございます。 
        先生に貴重なアドバイスを頂き大変感謝しています。
        見ず知らずの私に丁寧にご対応して頂きまして有り難うございました。

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