何度も落ちる人の法則(3)無駄に考え、悩む

3.自己分析が苦手な人

司法書士試験結果_ページ_1

前回前々回と続き、

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やはり司法書士試験は、何度も何度も不合格という結果に打ちのめされて、

ようやく合格できる試験だからでしょうか。

前回と同じセリフですが、悲しくなりますね。

では、続きです。

(2)無駄に考え、悩む

 勉強することが大好きな学者肌の人に多いようですが、たまに、法律という学問を高尚な学問と勘違いし、法的思考や法的センスを養うことによって、法律系の試験に合格できるのだと勘違いしている方がいます。また、そのような人でないにせよ、自分で新たな疑問を作り、無駄に多くの疑問を抱える人はいます。理解していないと覚えられないという方もいます。つまり、考えて悩んでいるまま、そこでストップしてしまう人です。

 しかし、試験とは、本試験の日に、どれだけの知識を覚えているかで、ほぼ、結果が決まります。そこに、法的思考や法的センスはほぼ関係はありません。ベテラン受験生が模擬試験や答練で高得点を取るのは、彼らが法的思考であったり、法的センスが優れているからではありません。単に知識量が初学者を圧倒しているからに過ぎないだけです。試験は、独創性や創造力をまったく試していませんし、試すこともできません。仮に、法的思考や法的センスということがあるというならば、それは圧倒的な知識量による推理力です。試されているのは知識量です。

 例えば、難しくてまったくわからない試験の問題(論点)を一つ、頭に思い浮かべてください。そして、その問題についての解説を少し考えてみてください。

 さて、あなたはその問題について解説を思いつきましたか。いえ、まったくわからない場合は、何時間考えてもさっぱりわからないはずです。仮に、すこし解説を思いついたかもしれませんが、じっくり考えて答えを見ると、筋がまったく違っていることも多々あります。実は、今さっき考えた時間は無駄なのです。そして、その間違いが思考の上昇につながることもありません。無から有を作ることはできないのです。

 また、「考えて理解していないと覚えられない」という方もいますが、大抵の場合、順番が逆です。覚えていないから理解できないのです。足し算を覚えていない子どもに、掛け算は理解させることはできません。理解できないのは、どこかで知識不足なのです。例えば、理解できない場合には、前提となる定義がうろ覚えなのかもしれませんし、関連する事項の知識を覚えていないのかもしれません。法律の勉強でいうと、ある法律の総論部分がわかりにくのは各論の知識を覚えていないからかもしれません。

 もっとも、上記のとおり、“知識がないのに考えることは無駄で、まずは知識を覚えることが大事”ですが、覚えるべき知識を限定しなければなりません。例えば、商業登記の記述対策のためにDES(デットエクイティスワップ)の概要を知っておくことは試験対策といえるでしょう。しかし、DES(デットエクイティスワップ)の税務や会計処理等まで含めて覚えなくてもいいんです。それらは、絶対に司法書士試験には出題されません。試験に出ない知識です。上記のとおり、「能力」と「時間」は無限にあるわけではありません。子どものように、知的探究心の赴くままに寄り道をしてはいけません。

 なお、これらの失敗も、自己分析ができていないことに起因します。まとめると下記のようになります。

(Ⅰ)知識がないのに考える事が大事だと思っている

(Ⅱ)覚えていない知識を理解しようとしている

(Ⅲ)知的探究心の赴くままに寄り道をする

 ⇒これらも、自己分析ができていないことに起因する

To Be Continued...

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