目次【認定考査マニュアル】
「認定考査マニュアル」は、私が特別研修のチューターをしていたときに、①特別研修と認定考査(簡裁訴訟代理等能力認定考査)との違いを説明するため、②認定考査の勉強方法を説明するため、に作成したものであり、特別研修期間中に独自で配布していたものです。非常に短いマニュアルですが、認定考査の勉強方針で困っている方は参考にしていただければと思います。
【注意】このマニュアルは、新民法が施行される前のマニュアルになりますので、少しだけ前の民法の話になっております。もっとも、ほとんどは、現在もそのまま通用するマニュアルとなります。
その他、認定考査の勉強法については、「認定考査(司法書士)の勉強法」へ
第1 認定考査の本質
認定考査は,①試験であるので正解が出せるような作りになっており,さらに,②7割弱の人が合格できる試験(※1)にするため,基礎的な要件事実論しか問わないように配慮をしてある試験です。
つまり,認定考査の問題自体は,基本的に難しくありません。認定考査の過去問を理解することは簡単であり,“なんとなく問題を解けるようになった”と勘違いしやすい問題(※2)も多いです。
しかし,一方で,認定考査の認定率は,全体で毎年約66%です(※1)。
これは,試験の難易度が安定しているため生じているわけではありません。試験の難易度は毎年異なります。ときには,非常に難易度が高い問題が出題される年もあります。
しかしながら,そのような年であっても,認定率は,全体で毎年66%くらいです(※3)。
(※1)近年の愛知県の受験生(受験回数1回目)の認定率は,平成30年は50%,平成29年は68%となっています。
(※2)令和元年の問題がまさにそのような問題です。
(※3)平成30年は,全国平均の認定率は43.1%と過去最低でした。
つまり,認定考査は,司法書士試験と同じで相対評価の試験です。
相対評価の試験ということは,(1)受験生のレベルが上がると合格難易度も上がる試験であり,かつ,(2)試験問題の難易度によって採点方法・採点基準が変化する試験ということです。
-
事務所の先輩やボスに,「認定考査の勉強は,簡単だよ。『新問題研究要件事実(司法研修所)』だけでも合格できるし,勉強しなくても,理論さえ頭に入っていれば合格するよ。」と言われましたが,本当でしょうか?
-
認定考査に合格することが非常に簡単な時代もありましたが,現在は,そのような勉強をしていては,合格はできません。
-
認定考査は、正解が出せる問題であるとのことですが、実務では、そうではないという意味ですか?
-
はい。認定考査は、意図的に正解が一つしかないような問題の作りになっていますが、実務では、正解が複数存在することや、正解がわからないことも多いです。
なお、実務だけではなく、特別研修の題材も、曖昧な記述があり、意図的であるか、意図的ではないかわかりませんが、正解が複数存在する問題や、正解がわからない問題が複数あります。
第2 落ちる人は、要件事実で連鎖ミスをした人
認定考査では,訴訟物を間違えると,その後のkg・E・R・D・T(※1)を連鎖的に間違えることになるので,絶対に落ちます。同様に,請求原因(kg)を間違えると,連鎖的にE・R・D・Tを間違えることになるので,絶対に落ちます。認定考査で間違えても,なんとか合格できるのは,抗弁(E)からです。
勉強時間がない方は,まずは,訴訟物と請求原因(kg)を完璧にしましょう。勉強時間がある方も,訴訟物と請求原因のみを勉強してから,抗弁以降の勉強をすると効率が良いでしょう。
(※1)kg・E・R・D・Tについては,kg(請求原因)・E(抗弁)・R(再抗弁)・D(再々抗弁)・T(再々々抗弁)と単に覚えておけばよいです。
-
連鎖ミスをしないようにするには,具体的にどうすれば良いのですか?どうすれば,Kg・E・R・D・Tの分類ができるかがわかりません。
-
まず,上記のとおり,①典型的な訴訟物と請求原因を暗記しましょう。その次に,②それらに対する典型的な抗弁・再抗弁・再々抗弁も暗記しましょう。
そうすれば,原告側と被告側の主張を,それぞれKg・E・R・D・Tに分類することができます。
要するに,まずは典型的な要件事実を暗記しましょう。
認定考査に出題されるレベルの要件事実を暗記しておけば,認定考査で未知の問題が出題されても,そこから類推して,分類をすることができるようになります。一方で,認定考査に出題されるレベルの要件事実すら暗記していなければ,未知の問題が出題された場合や実務で起案する場合に,類推することもできません。
登記のひな形を暗記してないと,問題文に書いてある事実から,登記の申請書を書くことができないことと一緒です。まずは,暗記をすることによって基礎を固めてください。
-
訴訟物の決定するには、どうすればよいのですか。
-
被告に何らかの請求する場合,裁判では,どのような法的根拠により法的請求をするかを決定しなければなりません。
認定考査では,原告(以下,「X」という。また,被告は「Y」という。)の言い分に着目し,Xの要求が(1)金を払え(2)物を渡せ(3)登記手続をせよ(4)確認する,なのかを見極めます。多くの場合,Xの言い分の末尾に記載があります。その記載により,法的根拠になる権利より訴訟物を決定します。
なお,多数当事者がいる場合には,被告がどのような相手方なのかをミス(例えば、Yが不法行為の保証人であるのに、不法行為をした当事者であるかのように勘違いした場合など)をすると訴訟物の選択を誤るので注意を要します。また,「代理」は,訴訟物に影響を与えなく,「債務不存在確認訴訟」は,給付訴訟の裏返しなので,訴訟物は給付訴訟の場合と同一となります。
【基礎】訴訟物とは,裁判の対象となる法律関係であり,請求の趣旨及び請求の原因により特定されるものである。
-
訴訟物の記載方法にはルールがあるのですか?
-
訴訟物の記載方法は原則としては下記のとおりです。
- 契約の場合には,『○○契約に基づく△△請求権』(例:売買契約に基づく代金支払請求権)と記載する。契約に基づくのであれば、○○契約を特定しなければなりません。また、△△請求権を特定しなければなりません。さらに、△△請求権は、○○契約に基づくものであることを明示するために、「に基づく」との文言を忘れないようにしましょう。
- 契約に基づかない場合には、『○○に基づく△△請求権』(例:不法行為に基づく損害賠償請求権)と記載する。○○を特定しなければなりません。契約に基づかないのであれば、民法の条文等に基づくはずであるので、民法の条文等の名称(例えば:不法行為、履行遅滞など)を特定します。また、△△請求権を特定しなければなりません。さらに、△△請求権は、○○に基づくものであることを明示するために、「に基づく」との文言を忘れないようにしましょう。
また、細かいルールとしては、次のようなものもあります。
- 代理や相続は,訴訟物に影響を与えない。
- 保証契約に基づく保証債務履行請求権は,主たる請求の附帯請求を含む。したがって、保証人に対する履行遅滞に基づく損害賠償請求権等は,保証契約に基づく保証債務履行請求権に内包されているので,訴訟物として記載したらダメ。
- 賃貸借契約の終了原因は,訴訟物に影響を与えない。
- 「連帯」の特約は,訴訟物に影響を与えない。つまり、連帯債務・連帯保証でも,訴訟物には関係ない。
- 「主たる請求」と「附帯請求」の訴訟物を分けて考えるクセをつける。これは、訴額の算定に影響するからです。
- 債務不存在確認訴訟は給付訴訟の裏返しなので,訴訟物は給付訴訟と同一。
- 「訴訟物」+「請求の趣旨」=「よって書き」になる。
-
XとYの当事者の言い分をどのように読めばいいのかがわかりません。
-
「当事者の言い分」の読み方として、重要なことは、それぞれの言い分を Kg・E・R・D・T と「無価値事実」に分類することです。
(1)X(原告)側の読み方
X側の当事者の言い分には,kg(請求原因)・R(再抗弁)・T(再々々抗弁)の事実及び意味のない事実(「◯◯はブランドが好き」など。以下,試験上,意味のない無価値な事実を「無価値事実」といいます。)が記載されています。したがって,当事者の言い分を読む際には,まず,①訴訟物を判断するために,Xの言い分を読み(多くの場合では、Xの言い分の末尾に記載されています。)。その後,②Xの言い分のそれぞれの文章が,kg(請求原因)・R(再抗弁)・T(再々々抗弁)・無価値事実のいずれに該当するのかをチェックしながら読みましょう。
なお,kgと無価値事実は,一読目で判断できるが,R・Tは,一読目では,判断できないこともあります。したがって,Kgと無価値事実以外は,Rだと判断しないように気をつけましょう。
(2)Y(被告)側の読み方
Y側の当事者の言い分には,E(抗弁)・D(再々抗弁)の事実及び無価値事実が記載されています。上記のとおり,Xの言い分で,訴訟物は特定できているので,Yの言い分のそれぞれの文章が,E(抗弁)・D(再々抗弁)の事実及び無価値事実のいずれに該当するのかをチェックしながら読みましょう。
(3)注意点
一見,無価値事実であるが,評価根拠事実になることもありますので注意しましょう。
-
請求の趣旨の記述方法で気をつけることは、何ですか?
-
請求の趣旨は「被告は,原告に対し,50万円を支払え。」のように裁判上,何を請求するかを特定します。具体的には、主に下記の4つのパターンがあります。
- 「金を払え」の場合:「被告は,原告に対し,50万円およびこれに対する平成○年○月○日から支払済みまでの年3分の割合による金員を支払え。」のような記載になる。
- 「物を渡せ」の場合:「被告は,原告に対し、別紙物件目録記載の建物を収去し別紙物件目録記載の土地を明け渡せ。」のような記載になる。
- 「登記手続をせよ」の場合:「被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の建物について,平成○年○月○日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ。」「被告は,別紙物件目録記載の建物について,別紙登記目録記載の所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。」のような記載になる。
- 「確認する」の場合:「原告が,別紙物件目録記載の土地・建物につき,所有権を有することを確認する。」「原告被告間の平成○年○月○日締結の消費貸借契約に基づく原告の被告に対する債務が30万円を超えて存在しないことを確認する。」のような記載になる。
請求の趣旨は,上記のとおり、法的な性格や理由を記載しない取扱いとされています(法的な性格や理由は,請求の原因で記載します。)。また,一部請求でも,その記載は不要です。
なお,請求の趣旨は、訴訟物を決定するのと同時に決定するので,訴訟物と請求の趣旨の記載例はセットで覚えましょう。
【基礎】請求の趣旨とは,原告が訴状において,訴訟の目的たる権利又は法律関係につき,いかなる裁判を求めるかを簡潔・正確に記載する部分であって,その結論を示す重要な必要的記載事項(民訴133条2項2号)です。
-
請求の原因の記述方法で気をつけることは、何ですか?
-
認定考査では,請求の原因は,必要十分な要件事実を記述し,余分なことは書いてはいけません。なお,記載例は,各参考書を参照してください。
また,「認否」で,認否しやすいように,要件事実ごとに項目を分けて請求の原因を記載しましょう。もっとも,要件事実ごとに記載すると不自然になることもあるので,各参考書の記載例に従えばよい。【基礎】訴状には,請求の趣旨及び請求の原因(請求を特定するのに必要な事実をいう。)を記載するほか,請求を理由づける事実を具体的に記載し,かつ,立証を要する事由ごとに,当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。」(民訴規則53条1項)として,請求を理由づける事実の記載を積極的に要求しています。請求を理由づける事実として記載すべき事実とは,訴訟物である権利の発生要件たる要件事実(請求原因事実)です。
第3 認定考査は,暗記
『要件事実は,理解が大事。暗記は不要。』だという人もいますが,それは,『民法は,理解が大事。暗記は不要。』と言っているようなものです。無視しましょう。
例えば,代表的な,不合格者の勉強方法は,「要件事実の考え方と実務(加藤 新太郎、 細野 敦)」や「認定司法書士への道(蛭町 浩)」(※1)を読んで,理解するのみで試験を受けるという方法です。このような,演習による暗記を伴わない勉強をしても合格はできないので,注意しましょう。
登記のひな形を暗記したときのように,“請求原因事実”の正確な暗記をして,正確な言い回しをしましょう。正確な暗記ができていないと大きく減点される可能性があります。実務上は,変な攻撃防御方法を記載すると裁判官や書記官から指摘が入りますが,試験の場合は,落ちます。
★オススメ参考図書
参考図書
(1)通読用
・完全講義 民事裁判実務の基礎 入門編―要件事実・事実認定・法曹倫理(大島 眞一)
・完全講義 民事裁判実務の基礎 発展編―要件事実・事実認定・演習問題(大島 眞一)
(2)暗記・演習用
・要件事実ドリル(坂本龍治)
(3)実務用【特別研修でも持っていたら便利・役に立ちますが,認定考査には不要】
・要件事実マニュアル(岡口基一)
・民事訴訟マニュアル(岡口基一)
・裁判官! 当職そこが知りたかったのです。(中村真・岡口基一)
・若手法律家のための法律相談入門(中村真)
・若手弁護士のための初動対応の実務(長瀨 佑志)
など
(※1)「要件事実の考え方と実務(加藤 新太郎、 細野 敦)」や同書を元に作成された「認定司法書士への道(蛭町 浩)」は,私にとっては理解しにくかったです。また,試験上,不適切な記載もありますので,オススメできません。
なお,「認定司法書士への道(蛭町 浩)」は,司法書士法や倫理対策として使用することは有効だと思います。
-
①売買の請求原因事実として,『年月日,XとYは,●●を100万円とする売買契約を締結した。』というのは,不適切であると,先生(中嶋)は言いますが,「要件事実の考え方と実務(加藤 新太郎、 細野 敦)」には,そのように書いてあります。また,②同書には,論点によっては,記載例が複数ありますが,どの記載例で書いても正解でしょうか?。
-
①たしかに,実務上は,要件事実を試験のように厳密に考えなくても良いため,上記のような記載例(「○○契約をした」という記載)でも問題はないかもしれません。
しかし,認定考査の場合には,「○○契約をした」という記載では,減点(もしくは,点数がない)ことは避けられないかもしれません。なぜならば,単に,売買契約を締結した(「○○契約をした」)との記載では,要件事実を理解しているかどうかが判然としないためです(※1)。(※1)民法555条によると,売買契約の成立には,「①財産権の移転の約束」と「②代金支払の約束」が必要。したがって,要件事実は,「①目的物の特定」と「②代金額または代金額の決定方法の合意」である。
具体的に,別の例で言うと,上記記載例は,代物弁済の請求原因事実を書くのに,「XとYは,●●を▲▲債務に充当するとの代物弁済契約を締結した。」との記載するようなものです(※2)。
(※2)民法482条によると,代物弁済の要件事実は,「①弁済に代えて物の所有権を移転するとの合意」と「②債務者が①の当時,その物を所有していたこと」と「③①の合意に基づき,物を引き渡したこと」である。したがって,正確な,代物弁済の請求原因事実の記載例は,「①XとYは,平成●年●月●日,本件売買代金債務の弁済に代えて▲の所有権を移転するとの合意をした。」「②Yは,同日当時,▲を所有していた。」「③Yは,同日,Xに対し,①の合意に基づき▲を引き渡した。」となる。
このような記載では,代物弁済の要件事実を理解していないとみなされても仕方ありません。
つまり,○○契約をしたという記載はしてはいけません。
なぜならば,○○契約をしたとの記載は,事実の記載ではなく,法的評価の記載になるためです。要件事実で記載を求められているものは,法的評価の記載ではなく,事実の記載です(※3)。
(※3)【法的評価は,事実の記載ではない】
同様の例として,相続の要件事実があります。例えば,Aが死亡し,その権利をXが相続した場合の記載として,「①Aは,年月日死亡した。②Xは,Aの相続人である。」との記述をすべきではなく,「①Aは,年月日死亡した。②Xは,Aの子である。」と記述しましょう。なぜならば,単に,相続人である旨の記載は法的評価を含んでいるからです。
実務上は、「○○という事実があるから、△△は、□□という法的評価ができる」という流れで記載することもありますが、それは、認定考査では求められていません。②また,「要件事実の考え方と実務」記載例については,不適切なものも多いので,「完全講義 民事裁判実務の基礎」や「要件事実ドリル」の記載を参考にした方が良いでしょう。なお,要件事実の勉強を深くすると,どの説で記述するべきか迷うこともあるかもしれませんが,その場合は,司法研修所説で記述してください。
第4 問題文を読んで,書いて覚える
繰り返しになりますが,認定考査は,記述式または論述式試験であるので,問題文を読んで,書いて,覚えることが重要です。
いくら本を読んでも、書いて訓練をしないと,本試験では書けません。
また,書くことで,細かい言い回し等をミスしていないかを自分でチェックすることも大事です。
要件事実に関して書いて覚える教材としては,具体的には,「要件事実ドリル(坂本龍治)」が使いやすいです(もっとも,将棋の説明は意味不明なので,飛ばしましょう。)。
-
「要件事実ドリル(坂本龍治)」は,請求原因事実等の問題しかありませんが,やはり,訴訟物や請求の趣旨も覚えないといけないのでしょうか。
-
訴訟物や請求の趣旨も書いて覚えてください。
第5 過去問を分析する・演習をする
試験勉強をするので,過去問を解いて,分析して,何が出題されるか予想してください。なお,近年は,過去問からの出題が殆どです。したがって,過去問を完璧に解けるようにしてください。また,余裕があれば,予備校の予想問題を解いてください。
もし,「要件事実ドリル(坂本龍治)」を暗記し,「過去問」と予備校の「予想問題」を解き終えてしまった場合には,「要件事実の考え方と実務(加藤新太郎ほか)」を読み,使用貸借・準消費貸借・債権者代位・詐害行為取消・労働関係等の要件事実を覚えましょう。なお,問題演習として,「要件事実論30講(村田渉ほか)」を解くならまだしも,「要件事実問題集(岡口基一)」は難易度が高過ぎるので手をださない方が無難だと思います。
なお,倫理の勉強は,「簡裁訴訟代理等関係業務の手引」のQ&Aをメインに勉強(暗記)して,過去問を解いて,分析してください。分析ができたら,「簡裁訴訟代理等関係業務の手引」のQ&Aのみで試験対策としては大丈夫だということがわかると思います。
また,民訴・民事執行・民事保全の知識に関しては,司法書士試験の知識程度は,復習しましょう。
第6 特別研修と認定考査の関係
特別研修では,認定考査で出題される内容を全て勉強するわけではありません。特別研修では,起案の形式的な方法論と起案の基礎を勉強するのみです。
また,特別研修は,実務の勉強をする研修ですので,起案にあたっては,請求原因事実と抗弁事実と再抗弁事実を同一書面(例えば,訴状)で記載することは,何ら問題となりません(むしろ,それが正解であることもあります。)が,認定考査では,請求原因事実と抗弁事実と再抗弁事実を同一の回答欄に書くことはありません。
第7 まとめ
1.要件事実は,下記の順に勉強をする
- 暗記の前提として,「完全講義 民事裁判実務の基礎(入門編・発展編)」を読む
- ひな形の暗記:「要件事実ドリル(坂本龍治)」
- 過去問演習:過去問の全て
- 余裕があったら…予備校の予想問題・演習本など
2.倫理等は,下記の順に勉強する
- ひな形の作成:「簡裁訴訟代理等関係業務の手引」Q&Aの自分なりの解答の作成
- 上記,ひな形の暗記(民訴・民事執行・民事保全は,司法書士試験の復習)
- 過去問演習:過去問の全て
- 余裕があったら…予備校の予想問題など