【備忘録】所有権の登記名義人が法人である場合の職権による住所等変更登記に関する質疑事項集[令和8年4月28日現在]
本日は、令和8年4月28日現在で取りまとめられた「所有権の登記名義人が法人である場合の職権による住所等変更登記に関する質疑事項集」について備忘録としてまとめました 。
[令和8年3月27日付け法務省民二第525号民事局長通達] 質疑事項集
本件は、民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いに関する通達(符号の表示関係及び職権による住所等変更登記関係)についてのQ&Aです 。法人の名称等の更正登記がされた場合の取扱い、会社法人異動情報の提供のタイミング、申請と職権登記が競合した場合の処理方針、および法人識別事項に関する調査対象など、実務上生じうる具体的なケースについての回答が示されています。
(質疑事項)
第1 職権による住所等変更登記をする場合
| 項目 | 質疑 | 回答 |
| 問1 | 規則第158条の44第1項第2号の「その名称又は住所について変更があった」場合には、法人登記簿に記録された法人の名称等の更正の登記(職権による登記の更正を含む。)がされた場合も含まれるとの理解でよいか 。 | 御理解のとおり 。 |
| 問2 | 不動産の所有権の登記事項として会社法人等番号の登記がされていない法人(会社法人等番号を有する法人に限る。)から、スポット的に職権による住所等変更登記の求めがあった場合、これに応じる必要はないとの理解でよいか。(施行通達第3部第3の1関係) | 当該法人に対して、別途、法人識別事項の申出を促すことが相当である 。 |
| 問3 | 商業登記所において、法人A及び法人Bについて本店の移転の登記等が同じ日に完了したにもかかわらず、翌業務日に、不動産の管轄登記所に法人Aに関する会社法人異動情報のみが提供された。法人Bに関する会社法人異動情報は、さらに次の業務日以降に提供されるとの理解でよいか 。 | 御理解のとおり。会社法人異動情報の作成可能件数及び提供可能件数は、システム上、1日当たりの上限があり、上限を超過した場合は、さらに翌業務日以降に提供される 。 |
| 問4 | 商業登記所において、法人の商号又は名称に使用されている文字コードを更正する登記(マイナス(「一」)をハイフン(「-」)に更正する登記など)がされた場合でも、会社法人異動情報が送信され、職権による住所等変更登記の対象となるとの理解でよいか 。 | 御理解のとおり 。 |
第2 調査
1 職権による住所等変更登記を要しない場合
| 項目 | 質疑 | 回答 |
| 問5 | 同一の法人について、会社法人異動情報の受付を行った後に、当該法人について会社法人異動情報に記録された内容と同一の内容の名称又は住所の変更の登記の申請がされた場合には、これらの登記は、受付番号の順に登記をすることになることから、前件の会社法人異動情報に基づき職権による住所等変更登記を行った後、後件の登記の申請を法第25条第3号により却下することになるとの理解でよいか。また、この場合において、前件の会社法人異動情報に記録された二以上の不動産のうちの一部の不動産についてのみ、後件の登記の申請の申請情報に記載されている場合は、前件の会社法人異動情報に基づき職権による住所等変更登記を行った後、後件の登記の申請のうち当該一部の不動産についてのみ却下することになるとの理解でよいか。(施行通達第3部第3の3関係) | いずれも御理解のとおり。なお、後件の登記の申請については、申請人又は申請代理人に対して、前件で職権による住所等変更登記を行った旨を伝え、適宜取下げ又は一部取下げを促すことも考えられる 。 |
| 問6 | 同一の法人について、名称又は住所の変更の登記の申請がされた後に、当該法人について、当該申請の内容と同一の内容の会社法人異動情報が到達した場合には、これらの登記は、受付番号の順に登記をすることになることから、前件の申請による登記を実行した後、後件の会社法人異動情報による登記について、「物件不要」として処理を終了することになるとの理解でよいか。(施行通達第3部第3の3関係) | 御理解のとおり 。 |
2 調査の対象
| 項目 | 質疑 | 回答 |
| 問7 | 登記記録に記録された所有権の登記名義人の名称又は住所が会社法人異動情報に記録された会社法人等番号から確認できない場合には、法人識別事項の申出時に提供された添付情報(閉鎖事項証明書や閉鎖登記簿謄本等)を確認する必要があるとの理解でよいか。(注)会社法人等番号が一意化された平成24年5月21日より前に組織変更や他の登記所の管轄区域内への本店移転の登記等がされた法人が想定される 。 | 御理解のとおり 。 |
| 問8 | 同一法人が同一不動産の持分を数次にわたって取得したとして、持分移転の登記がされている場合において、所有権の登記事項として会社法人等番号の登記がされている持分とその登記がされていない持分があるときは、いずれの持分も同一人が所有権の登記名義人であることが登記記録上明らかであれば、これら全ての持分について職権による住所等変更登記の対象となるとの理解でよいか 。 | 御理解のとおり 。なお、「同一人が所有権の登記名義人であることが登記記録上明らか」とは、複数の登記事項の所有権の登記名義人の名称及び住所の表示が同一であることを意味する 。 |
第3 その他
| 項目 | 質疑 | 回答 |
| 問9 | 会社法人異動情報の受付を行った後、当該会社法人異動情報に記録された法人から、登記事項証明書を取得したいなどの理由で、当該会社法人異動情報による登記を却下するよう求めがあった場合であっても、これに応じる必要はないものとの理解でよいか 。 | 御理解のとおり 。 |
| 問10 | 次のケース①のように、不動産の所有権の登記事項である会社法人等番号に誤りがあり、これを更正する登記をした場合において、法人登記簿に記録された法人の名称と不動産の所有権の登記事項に記録された名称が一致しないときは、不動産登記所において更正の登記を完了した日の翌業務日以降に当該登記所に会社法人異動情報が送信されるとの理解でよいか。(施行通達第3部第3の7(1)イ関係) 上記の場合において、次のケース②のように、法人登記簿に記録された法人の名称及び住所と不動産の所有権の登記事項に記録された名称又は住所が一致するときは、会社法人異動情報は送信されないとの理解でよいか 。 | いずれも御理解のとおり 。 |
別紙の登記記録(問10に関するケース)
ケース①
| 項目 | 所有権の登記事項 | 法人登記簿 |
| 会社法人等番号 | 1234-56-999999 → 1234-56-000000 に更正 | 1234-56-000000 |
| 名称 | 乙株式会社 | 甲株式会社 |
| 住所 | A市B町1番地 | A市B町1番地 |
ケース②
| 項目 | 所有権の登記事項 | 法人登記簿 |
| 会社法人等番号 | 1234-56-999999 → 1234-56-111111 に更正 | 12-3456-111111 |
| 名称 | X株式会社 | X株式会社 |
| 住所 | A市B町1番地 | A市B町1番地 |

