「60/70点とる!」認定考査の勉強法:第3 要件事実(2)
第1 訴訟物【第1問 小問(1)で出題】
1 訴訟物の決定方法
X(原告)の言い分に着目し,Xの要求が(1)金を払え(2)物を渡せ(3)登記手続をせよ(4)確認する,なのかを見極める。多くの場合,Xの言い分の末尾に記載がある。その後,法的根拠になる権利より訴訟物を決定する。また,多数当事者がいる場合には,被告がどのような相手方(主債務者か保証人か等)なのかを間違えると訴訟物の選択を誤るので注意を要する。
なお,「代理」は,訴訟物に影響を与えなく,「債務不存在確認訴訟」は,給付訴訟の裏返しなので,訴訟物は給付訴訟の場合と同一である。
2 訴訟物の記載例
別紙『「訴訟物」と「請求の趣旨」の記載例』を参照。
第2 請求の趣旨【第1問 小問(2)で出題】
1 請求の趣旨の記述方法
請求の趣旨は,給付の法的な性格や理由づけを記載しない取扱いとされている。また,一部請求でも,その記載は不要である。なお,訴訟物を決定すると同時に,請求の趣旨も決定するので,請求の趣旨の記載例は,別紙『「訴訟物」と「請求の趣旨」の記載例』を参照。
2 付随的申立て
認定考査では,請求の趣旨の記載について,付随的申立てを除く旨が指示された場合には,付随的申立ての記載を要しない。
第3 請求の原因【第1問 小問(3)で出題】
1 請求の原因の記述方法
認定考査では,請求の原因は,必要十分な要件事実を記述し,余分なことは書いてはならない。なお,記載例は,各参考書を参照。また,後述「認否」で,認否しやすいように,要件事実ごとに項目を分けて請求の原因を記載する。もっとも,要件事実ごとに記載すると不自然になることもあるので,各参考書の記載例に従えばよい。
以上、前回までのまとめです。
今回からは、請求の原因の記載で、試験上ポイントとなる点を何点かあげます。
1.条文が問題文に記載されている
司法書士試験の際と同じように、条文が問題文に記載されていたら、試験作成委員は、条文をよく読んで解いてもらいたいのです。認定考査では、平成22年の「請負契約に基づく報酬請求権」でこのような形式になっています。この年の認定考査では、『条文から、Kg⇒E⇒R⇒Dの判別ができますか?』という点が問われました。
条文が、問題文に記載されていたら、問題文(条文)をよく読むという、当たり前のことを行いましょう。その当たり前のことができたかどうかが、平成22年の認定考査の合否を分けたものだと思います。
2.当事者の言い分に「商人」「商行為」が記載
当事者の言い分に「商人」「商行為」が記載されていたら、下記のことを疑いましょう。司法書士試験において、不動産登記の記述式で、未成年者や法人が出てきたら、利益相反行為・利益相反取引を疑うことと同じです。
(1)商行為
消滅時効5年,商事法定利率(利息年6分)、債務の連帯債務化,保証債務の連帯保証化,非顕名代理(504),商行為の委任(505)
(2)商人間
法定利息請求権
など
次回も、請求の原因の記載について、ポイントとなる点を説明していきます。
To Be Continued...