生活困窮者向けに全国約900自治体に設置されている相談窓口「自立相談支援機関」で、新型コロナウイルスの感染が拡大した今年度上半期(4~9月)の新規相談が39万1717件に上ることが、厚生労働省の集計でわかった。前年度同期(12万4439件)の3倍に急増。年末の雇い止めなどで困窮者はさらに増える可能性があり、同省は年末年始の支援体制を整えるよう自治体に求めている。
■国、年末年始も支援要請
支援機関は、生活保護に至る前の「安全網」として、2015年施行の生活困窮者自立支援法に基づき都道府県や市区などに設置されている。実際の窓口は自治体の福祉部署や社会福祉協議会(社協)などに置かれ、NPO法人や社会福祉法人が運営するケースもある。失業者らの相談に乗り、家賃や生活費給付などの公的支援につなげている。
月別の新規相談は昨年度までは2万件前後で推移していたが、今年度は全国に緊急事態宣言が出された4月(9万5214件)と5月(8万5635件)に急増。7月は4万件台だが、8月と9月は5万件を超え、再び増加傾向にある。
厚労省によると、「コロナの影響で失業や収入減に直面する人が増えている。住居確保給付金など、制度に関する相談も多い」という。今年度上半期の相談者を職種別にみると、フリーランスとして個人で働く人や、飲食業従事者、ホテルなどの観光・接客業からの相談が目立つという。
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