【X(旧Twitter)】骨抜きにされた相続登記の義務化( 弁護士 荒井達也)
【骨抜きにされた相続登記の義務化、頼みの綱は日本人の勤勉さ】
— 弁護士 荒井達也 (@AraiLawoffice) March 5, 2024
みなさん、相続登記の義務化は評価しますか?否ですか?
是非、リプ欄にご意見お寄せください。
いよいよ4月から相続登記の義務化が始まります。… pic.twitter.com/ssNpcFma2B
『いよいよ4月から相続登記の義務化が始まります。しかし、せっかく何年も議論して作った法律なのに、通達で骨抜きになってしまいました。』
最近、このような流れが多いような気がします。相続登記の義務化前に開始した、相続土地国庫帰属制度(や少子化対策)も同じ流れです。
- 社会問題がある
- 解決策を練る
- 解決策を実行するためのコスト(人的コスト、法改正コストなど)が高すぎることに気がつく
- (仕事をしたことにするために)解決策を出す(法律の改正をする)
- 解決策を実行しない(通達で骨抜きにする)
という流れです。
少なくとも、相続登記義務化や所有者不明土地については、司法書士の間では「(鎌倉時代の御家人の分割相続の問題と同じなので)家督相続に戻すしかないのでは」というジョークもよく聞くようになりました。相続登記をしないという問題から、所有者不明土地問題が発生するわけではなく、そもそも相続の制度に問題があるという考え方です。もちろん、誰も家督相続がよい制度だとは本気では思っていないのですが、相続の問題を解決をするには、それくらい極端なことをしないと難しいということです。
ちなみに、私は、相続登記の義務化は、「所有者不明土地問題の解決への流れを作った」「“相続登記をしないと危険である”という認識に至った人が増えた」という点での評価はしますが、一方で、相続登記義務化だけでは、「所有者不明土地問題」の解決には全く繋がらなく、今後数十年以上「所有者不明土地問題」は放置されることにも繋がりそうなので、その意味では評価はしません。