最終更新日:2026年4月19日

登記申請書の作成方法│記載のポイント39と法務局の記入例解説6

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登記申請書の作成方法│記載のポイント39と法務局の記入例解説6

相談者

相続登記」って何ですか?

司法書士

相続を原因とする不動産の名義変更です。

相談者

相続登記」の義務化って本当?

罰金」まであるの?

司法書士

本当です2024年4月1日からの相続登記義務化が開始されました。

※相続の開始及び相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に手続きを行わないと、10万円以下の過料が科せられることになりました。

相談者

相続登記って何から始めればいいの?

司法書士

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※1 当事務所は、相続登記遺言・相続対策・遺産承継業務・相続放棄を含む相続業務に15年以上のキャリアをもつ司法書士中嶋剛士が電話相談・面談、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。安心してお任せ頂けたらと思います。

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登記申請書の基本項目と書き方

登記の目的 (とうきのもくてき)

 相続登記の申請書を作成する際、一番最初に書く項目が「登記の目的」です。 一見難しそうに見えますが、実は「亡くなった方が、その不動産をどのような状態で持っていたか」によって、書くべき言葉はほぼ2パターンに決まります。

 なお、登記の目的を間違えると、法務局から訂正を求められる(補正)原因となります。まずは、お手元に取得した不動産の「登記事項証明書(登記簿謄本)」をご用意いただき、「権利部(甲区)」の欄を確認しながら書き進めましょう。

Q01-01 単独で所有していた場合 ➡ 「所有権移転」

相談者

《質問》亡くなった父が、自分一人の名義で所有していた土地と建物です。何と書けばいいですか?

司法書士

《回答》「所有権移転」(しょゆうけんいてん)と書きます。亡くなった方(被相続人)が100%単独で所有していた不動産を相続する場合は、基本的に、この書き方になります。

登記事項証明書の甲区(所有権に関する事項)に、亡くなった方ひとりの名前だけが書かれている場合は単独所有です。 この場合、不動産のすべての権利が次の世代へ移るため、シンプルに**「所有権移転」**と記載します。

  • よくあるケース:

Q01-02 誰かと共有していた場合 ➡ 「〇〇持分全部移転」

相談者

《質問》亡くなった父と、母の2人が「共有名義(半分ずつなど)」で持っていた実家です。父の分だけを相続する場合、どう書けばいいですか?

司法書士

《回答》「〇〇(亡くなった父の氏名)持分全部移転」と書きます。(例:父の名前が山田太郎の場合 ➡「山田太郎持分全部移転」)。これは、すでに他の人との共有状態になっている不動産のうち、亡くなった方の持分(割合)だけを引き継ぐ場合の書き方です。

登記事項証明書の甲区に、「共有者 持分2分の1 山田太郎、持分2分の1 山田花子」のように複数人の名前が書かれている場合は共有財産です。 この場合、不動産全体の所有権が移るわけではなく、「亡くなった人の持っている権利(持分)だけ」が移るため、誰の持分が移るのかを特定する必要があります。

  • よくあるケース:
    • 夫婦でお金を出し合って買った共有名義の自宅
    • 兄弟で相続して、とりあえず共有名義にしていた土地
    • 分譲地などで、近隣住民と共有名義になっているゴミ捨て場や私道

Q01-03 所有権移転と○○持分全部移転

相談者

《質問》一人で持っていた「実家の土地・建物」と、近隣の人と共有している「私道」を一緒に相続します。申請書は1枚にまとめられますか?

司法書士

《回答》申請書は、1枚(1件)にまとめて、所有権移転及び○○持分全部移転と記載することができます。もっとも、その記載方法をすると、その他の書き方が複雑になるため、相続登記の申請の場合には、原則として、申請書は2枚(2件)に分けるべきだと思われます。
実家は「所有権移転」、私道は「〇〇持分全部移転」となります。また、共有持分の割合の違いでも申請書を分けるべきだと思われます。

注意!「複数の不動産」を申請するときの落とし穴

相続する不動産が複数ある場合、すべての登記を1枚の申請書でまとめて申請すること(一括申請)が認められています。しかし、これには**「登記の目的が完全に同じであること」**という絶対条件があります。

  • ⭕ 1枚にまとめられる例
    • 土地(単独所有)と 建物(単独所有) ➡ どちらも「所有権移転」だからOK
    • 土地(共有持分4分1)と建物(共有持分4分1)➡ どちらも「○○持分全部移転」かつ「共有持分の割合が同じ」、だからOK
  • ❌ 1枚にまとめるべきではない例
    • 実家(単独所有)と 前の私道(共有) ➡ 「所有権移転」と「〇〇持分全部移転」で目的が違うため難易度が高くなる!!
    • 実家(共有持分4分3)と 前の私道(共有持分4分1) ➡ 「〇〇持分全部移転」で目的は一緒だが、「共有持分の割合が違う」ため難易度が高くなる!!

Q01-04 新所有者が共有の場合

相談者

《質問》亡くなった父の持分だけでなく、一部を母に残して「母と私の共有」として相続します。この場合、登記の目的は変わりますか?

司法書士

《回答》登記の目的は、変わりません。
登記の目的は「誰がどのように相続するか」ではなく、「亡くなった方がどう所有していたか」で決まります。父が単独名義だったなら、あなたが一人で相続しても、母と共有で相続しても、登記の目的は「所有権移転」のままです。

原因 (げんいん)

 登記申請書の「原因」とは、「いつ、どういう理由で不動産の持ち主が変わったのか」を法務局に申告する項目です。相続登記の場合、遺産分割協議(話し合い)で決めた日などを書いてしまいがちですが、法律上の明確なルールがあります。

 登記の「原因」は、基本的には「被相続人の死亡日 + 相続」(又は遺言による遺贈の場合:「被相続人の死亡日 + 遺贈)と書くだけのシンプルな項目です。しかし、意味を正しく理解していないと思わぬミスに繋がります。

Q02-01 最近亡くなった場合:通常パターン

相談者

《質問》父が亡くなり、家族の話し合い(遺産分割協議)で私が実家を相続することになりました。「原因」には何と書けばいいですか?

司法書士

《回答》「(お父様が亡くなった日) 相続」と書きます。(例:令和6年4月1日 相続) 話し合いがまとまった日や、申請書を書いている日ではありません。必ず「被相続人が亡くなった日」を記載します。

ポイント1:所有権が移るのは「亡くなった瞬間」

なぜ、遺産分割協議(話し合い)が成立した日ではなく「亡くなった日」を書くのでしょうか? それは、日本の法律(民法)では、**「人が亡くなった瞬間に、その人の財産は自動的に相続人へ移る」**と決められているからです。

遺産分割協議は、あくまで「とりあえず全員の共有状態になった財産を、最終的に誰のものにするか割り振る作業」にすぎません。そのため、さかのぼって「亡くなった日」が所有権の移った日(=原因の日付)となります。

Q02-02 相続の日付の確認方法

相談者

《質問》亡くなった日は、どこを確認して書けばいいですか?

司法書士

《回答》亡くなった方の「戸籍謄本(または除籍謄本)」を確認してください。
戸籍には必ず死亡した日付が記載されています。登記申請書には、戸籍に記載されている日付を一言一句違わず正確に書き写す必要があります。

⚠️ ここに注意!和暦と西暦の書き方
 法務局へ提出する申請書は、原則として**「和暦(令和、平成、昭和など)」**で記載します。戸籍謄本も和暦で記載されているため、西暦(2024年など)に変換せず、戸籍の記載通りに「令和〇年〇月〇日」と書き写すようにしましょう。

Q02-03 特殊な記載例:推定時刻など

相談者

《質問》戸籍の死亡日の欄に「令和6年4月1日頃」や「令和6年4月1日から同月3日の間」と書かれています。この場合はどう書けばいいですか?

司法書士

《回答》戸籍の記載通りに書きます。
時間が書かれている場合(例:午前3時死亡)は時間は省いて構いませんが、日にちが曖昧な場合はそのまま書き写します。(例1)「令和6年4月1日頃 相続」(例2)「令和6年4月1日から同月3日までの間 相続」

Q02-04 遺贈の場合には年月日遺贈

相談者

《質問》遺言書を使って相続登記をします。この場合も「相続」でいいですか?

司法書士

《回答》財産をもらう人が「法定相続人」か「それ以外の人」かで変わります。妻や子どもなど、本来の相続人が引き継ぐ場合は「〇年〇月〇日 相続」です。しかし、法定相続人ではない人(孫、息子の嫁、友人など)に財産を譲る遺言だった場合は、「〇年〇月〇日 遺贈(いぞう)」という言葉を使います。

Q02-05 遺贈か相続か(相続人に相続させる遺言)

相談者

《質問》亡くなった父の遺言書に、「長男(私)に実家の土地建物を『相続させる』」と書かれていました。登記の原因は何になりますか?

司法書士

《回答》「(父の死亡日) 相続」となります。財産を受け取る人が本来の「法定相続人」であり、かつ「相続させる」という言葉が使われているため、通常の相続と同じ扱いになります。

Q02-06 遺贈か相続か(相続人以外に遺贈させる遺言)

相談者

《質問》亡くなった祖父の遺言書に、「同居して世話をしてくれた孫(私)に、自宅を『遺贈する』」と書かれていました。原因は何になりますか?

司法書士

《回答》「(祖父の死亡日) 遺贈」となります。孫は、原則として法定相続人ではありません(※親がすでに他界している代襲相続の場合を除く)。法定相続人以外の人へ財産を譲る場合は、すべて「遺贈」となります。

Q02-07 遺贈か相続か(相続人に遺贈させる遺言)

相談者

《質問》亡くなった母の遺言書に、「長女(私)にマンションを『遺贈する(あるいは「与える」)』」と書かれていました。私は法定相続人ですが、原因はどうなりますか?

司法書士

《回答》原則として「(母の死亡日) 遺贈」となります。財産を受け取る人が法定相続人であっても、遺言書に明確に「遺贈する」「与える」「譲る」と書かれている場合は、法務局では「遺贈」として扱われるのが原則です。

「相続」か「遺贈」の判断基準

登記の原因がどちらになるかは、以下の2つのポイントの「組み合わせ」で決まります。遺言書の実物を手元に置いて、一言一句確認してみてください。

基準1:財産をもらう人は「法定相続人」か?
  • 法定相続人である(配偶者、子ども、親、兄弟姉妹など): 「相続」になる可能性があります(※基準2の言葉遣いによります)。
  • 法定相続人ではない(孫、息子の妻、内縁の妻、友人など): どんな言葉が使われていても、**必ず「遺贈」**になります。法律上、相続人以外が「相続」することはできないためです。
基準2:遺言書の言葉遣いは「相続させる」か?
  • 「〇〇に相続させる」と書かれている: 相手が法定相続人であれば、登記の原因は**「相続」**です。(法律用語で「特定財産承継遺言」と呼ばれます)。
  • 「〇〇に遺贈する」「与える」「譲渡する」と書かれている: 相手が法定相続人であってもなくても、登記の原因は**「遺贈」**として扱われます。

💡 結論: **「もらう人が法定相続人であり、かつ「『相続させる』と書かれている」**という2つの条件が揃ったときのみ、登記の原因は「相続」になります。

⚠️ 要注意!「相続」と「遺贈」では手続きの負担が全く違う

なぜここまで「原因」の言葉にこだわる必要があるのでしょうか?それは、登記の申請方法(誰がハンコを押すか)に決定的な違いがあるからです。

  • 原因が「相続」の場合 ➡ 【単独申請】で超簡単! 財産をもらう人(あなた)が、自分ひとりの実印と書類だけで法務局へ申請できます。他の相続人の協力は一切不要です。
  • 原因が「遺贈」の場合 ➡ 【共同申請】になり一気にハードルが上がる! 財産をもらう人(あなた)だけでなく、「遺言執行者(遺言を実現する責任者)」と一緒に申請しなければなりません。もし遺言書遺言執行者が指定されていない場合は、法定相続人全員」の実印と印鑑証明書が必要になってしまいます。 (※一部例外として、令和5年4月の法改正により、法定相続人に対する遺贈については単独申請が可能になるケースもできましたが、依然として相続人以外への遺贈は共同申請が原則です)。

専門家からのアドバイス: これから遺言書を作成される方は、将来残されたご家族がスムーズに名義変更(単独申請)できるよう、法定相続人に財産を残す場合は必ず「相続させる」という言葉を使うことを強くおすすめします。

Q02-08 数次相続(祖父 ➡ 父 ➡ 自分 と連続で亡くなっている場合)

相談者

《質問》祖父名義の土地があります。祖父が亡くなった後、手続きをしないまま父も亡くなり、孫である私が相続することになりました。「原因」はどう書けばいいですか?

司法書士

《回答》「(祖父の死亡日) 〇〇(父の氏名)相続 (父の死亡日)相続」と連記して書きます。(例:令和元年5月1日 山田一郎相続 令和4年8月10日 相続)
※父の名前の部分には、戸籍通りの氏名を書きます。

本来は2回の申請が必要だが1回にまとめられる

 数次相続とは、最初の相続の手続きが終わらないうちに、次の相続人が亡くなってしまい、相続が連続して発生している状態のことです。原則として、登記は「祖父 ➡ 父」「父 ➡ 自分」と、歴史の順番通りに2回(2件)申請しなければなりません。これをすると手間も費用(登録免許税)も2倍かかってしまいます。

 しかし、「真ん中の人(父)が単独で相続する状況だった場合」に限り、特例として父の名義を飛ばして、いきなり「祖父 ➡ 自分」へ名義を変えることが認められています。 その際、法務局に対して「父を飛ばしますが、歴史上はこういう順番で相続されましたよ」と証明するために、原因の欄に「祖父の死亡日+父の名前」と「父の死亡日」を両方書くという特殊なルールになっています。

Q02-09 家督相続(昭和22年5月2日より前に亡くなっている場合)

相談者

《質問》曽祖父名義の山林です。戸籍謄本を取り寄せたところ、昭和15年に曽祖父が亡くなり、祖父が「家督相続」をしたと書かれていました。「原因」には何と書きますか?

司法書士

《回答》「(曽祖父が亡くなった日) 家督相続」と書きます。(例:昭和15年3月1日 家督相続)
単なる「相続」ではなく、必ず「家督相続」という四文字を使います。

「死亡日」と「届出日」を間違えないように注意!

家督相続とは、現在の民法ができる前(昭和22年5月2日以前)の古い法律に基づいた制度で、原則として「長男が一家の財産をすべて単独で引き継ぐ(戸主になる)」というルールのことです。家督相続の登記をする際、古い戸籍謄本(除籍謄本など)を見ながら申請書を作りますが、ここで一番多いミスが「日付の取り違え」です。古い戸籍には、以下のように2つの日付が並んで書かれていることがよくあります。

  • 昭和15年3月1日 死亡
  • 昭和15年3月10日 家督相続届出

この場合、原因として書くべき日付は「死亡日(3月1日)」です。「届出日(3月10日)」を書いてしまうと法務局から訂正(補正)を求められてしまいますので、必ず死亡した日(または隠居した日など、家督相続が開始した根本の日付)を記載してください。

💡 まとめ:数次相続と家督相続が混ざっている最難関ケース

長期間放置されていた不動産の場合、「曽祖父(家督相続)➡ 祖父(数次相続)➡ 父(数次相続)➡ 自分」というように、両方のパターンがミックスされていることも珍しくありません。

もしご自身のケースで、「登場人物が多くて途中の人が単独相続かどうかわからない」「戸籍が古すぎて家督相続なのか普通の相続なのか読めない」といった場合は、無理に申請書をまとめようとせず、まずは収集した戸籍一式と登記事項証明書を持って、司法書士へ相談することをおすすめします。

相続人 (そうぞくにん) / 申請人

 相続登記の申請書において、最も間違いが許されない部分の一つが「相続人(申請人)」の欄です。ここは不動産の新しい持ち主として登記簿に載る情報を記載する場所だからです。
「住民票の写しをそのまま書けばいいのでは?」と思われがちですが、共有で相続する場合や、住所の書き方など、細かいルールがあります。
 また、2025年(令和7年)4月21日から法改正があり、相続登記などの申請書に「フリガナ」「生年月日」「メールアドレス」を記載する(検索用情報を提供する)ルールが新しくスタートしました。
 さらに、2026年(令和8年)4月1日からは「住所・氏名変更登記の義務化」も始まっており、このメールアドレスの記載の有無は今後の不動産管理において非常に重要な意味を持っています。

Q03-01 相続人の住所

相談者

《質問》住所は「〇丁目〇番〇号」と省略せずに書く必要がありますか?

司法書士

《回答》はい、必ず「住民票」の記載通りに、一字一句違わず書き写してください。普段、年賀状などで「1-2-3」と略して書いていても、住民票が「一丁目2番3号」となっていれば、その通りに書く必要があります。マンション名や部屋番号も同様です。

登記簿には、住民票と全く同じデータが登録されます。

  • 数字の書き方: 「一」なのか「1」なのか、住民票に従います。
  • 外字・旧字体: 「齋藤」の「齋」など、住民票で旧字体が使われている場合は、可能な限りその通りに記載します(法務局で標準的な文字に変換されることもありますが、申請書は住民票に合わせるのが基本です)。
⚠️ ここに注意!「住民票コード」を書くと書類が減らせる?

申請書の氏名の後に**「住民票コード(11桁の数字)」**を記載すると、添付書類としての「住民票の写し」の提出を省略できる場合があります。 ただし、住民票コードはマイナンバー(12桁)とは別物です。住民票を取得する際に「住民票コードを記載する」というオプションを選ばないと確認できません。

もし手元にすでに「住民票の写し」がある場合は、コードを無理に調べず、そのまま住民票を添付して申請するのが一番スムーズです。

Q03-02 取得持分の記載

相談者

《質問》兄弟2人で土地を半分ずつ(共有で)相続します。この場合、どう書けばいいですか?

司法書士

《回答》2人分の住所・氏名を並べて書き、それぞれの氏名の前に「持分」を記載します。
(例)
持分 2分の1 (住所) (氏名) 印
持分 2分の1 (住所) (氏名) 印
このように、誰がどのくらいの割合で持つのかを明確にします。

亡くなった方の情報を書いた後に、続けて相続人の情報を書きます。

  • 単独で相続する場合
    「(被相続人 〇〇 〇〇) 相続人 (住所・氏名)」
  • 複数で相続する場合
    「(被相続人 〇〇 〇〇) 相続人 (持分・住所・氏名)」を人数分。
💡 専門家からのアドバイス:共有名義にする際の注意

Q2のように複数人で「持分」を決めて相続する場合、将来その土地を売却したり建物を建て替えたりする際に、「共有者全員の同意」が必要になります。 「とりあえず兄弟で半分ずつ」と安易に共有名義にしてしまうと、将来のトラブルに繋がることもあるため、できる限り「一人の名義」にまとめることを検討してみてください。

Q03-03 相続人欄への押印

相談者

《質問》申請書に押すハンコは「実印」でなければいけませんか?

司法書士

《回答》相続登記の申請書に限れば、認印(シャチハタ不可)でも受理されます。ただし、別途用意する「遺産分割協議書」には必ず全員の実印が必要です。間違いを防ぐため、申請書にも遺産分割協議書と同じ実印を押すのが一般的で、最も確実です。

押印と「捨印(すていん)」

氏名の横に押印します。また、申請書の余白(上部など)に「捨印」を押しておくことを強くおすすめします。

  • 捨印とは?: 軽微な書き間違い(例:住所の番地の書き漏れなど)があった際、法務局側で訂正することを認めるためのハンコです。これがないと、小さなミスでもわざわざ法務局の窓口まで出向いて訂正印を押さなければならなくなります。

Q03-04 連絡先電話番号

相談者

《質問》連絡先の電話番号は携帯電話でも大丈夫ですか?

司法書士

《回答》はい、大丈夫です。法務局の担当者が、書類の不備を見つけた際に電話をかけてくることがあります。平日(9時〜17時)に連絡がつきやすい番号を記入してください。

Q03-05 「フリガナ」「生年月日」「メールアドレス」

相談者

《質問》なぜ法務局に個人の「メールアドレス」や「フリガナ」「生年月日」まで教えないといけないのですか?

司法書士

《回答》将来あなたが引っ越した際、法務局が「自動で住所変更」をしてくれるため(その確認メールを受け取るため)です。

 以前の相続登記では、申請書に住民票通りの「住所」と「氏名」を書けば手続きができました。しかし、2025年(令和7年)4月21日以降の申請からは、新たに「フリガナ」「生年月日」「メールアドレス」の提供が義務付けられています(これらを「検索用情報」と呼びます)。

 2026年(令和8年)4月から、引っ越し等で住所が変わった際の「住所変更登記」が義務化されました。これに伴い、法務局が自動で登記簿の住所を書き換えてくれる「スマート変更登記」という便利な制度が始まりました。法務局が「住所が変わったようですが、登記簿も変更していいですか?」とあなたに確認を取るための連絡先として、メールアドレスが必要になります。

Q03-06 相続人欄の住所

相談者

《質問》パソコンやスマホが苦手で、メールアドレスを持っていません。メールアドレスがないと相続登記の手続きできませんか?

司法書士

《回答》いいえ、メールアドレスがなくても相続登記の手続きできます。持っていない場合は書面申請の場合「メールアドレスの欄に、メールアドレスなし」と記載し、オンライン申請の場合「メールアドレスの欄を空白にして、登記名義人につきメールアドレスなし」と記載します。

 メールアドレスを持っていない場合や、どうしても提供したくない場合は、無理に書かなくても相続登記自体は可能です。ただし、将来引っ越した際に自動変更(スマート変更登記)の恩恵が受けられず、文書での確認になるか、あるいはご自身で法務局へ住所変更の手続きを行わなければならなくなる点に注意が必要です。
 2026年(令和8年)4月1日より、引っ越し等で住所が変わってから2年以内に住所変更登記をしないと、最大5万円の過料(罰金のようなもの)が科される可能性があります。
 しかし、相続登記の申請時に「メールアドレス」を書いておけば、引っ越した後に法務局から「住所変更の登記を法務局の方でやっておきましょうか?」という内容の確認メールが届きます。それに「はい」と答えるだけで、自分で面倒な書類を集めたり、費用をかけて住所変更登記をしたりする手間が省け、罰則を受けるリスクもなくなります(スマート変更登記制度)。

Q03-07 メールアドレス登録に潜むリスク

相談者

《質問》司法書士の先生から「アドレスは書かなくていい」と言われました。なぜですか?

司法書士

《回答》法務局(国)からの連絡を装った「詐欺メール」に騙されるリスクを防ぐためです。

 法務局から本当にメールが届くようになると、それを利用して「法務局のフリをした偽のメール」を送りつけ、個人情報やお金を騙し取ろうとする詐欺グループが必ず現れます。その被害を防ぐための自衛策として、あえて登録しないことを推奨する専門家が多いのです。

⚖️ 「登録する」か「登録しない」かの判断基準

メールアドレスを提供するかどうかは、最終的にはご本人の選択(任意)です。以下の基準を参考に決めてみてください。

  • 【登録しない方がいい人】
    • パソコンやスマホの操作に不慣れな方
    • 「緊急」「重要」といったメールが来ると焦ってしまいがちな方
    • 引っ越しの予定が当分ない、あるいは引っ越した際は自分で法務局へ手続きに行く(または司法書士に頼む)と割り切れる方
  • 【登録してもいい人】
    • 転勤などで頻繁に引っ越しをする方
    • 送信元のメールアドレスを正確に確認でき、不審なリンクは絶対にクリックしないというネットリテラシーに自信がある方

Q03-08 詐欺メールの具体的

相談者

《質問》詐欺メールとは、具体的にどのようなものが来るのですか?

司法書士

《回答》「あなたの不動産の名義が変更されました。もし、不動産の名義変更が正しくなければ、手続きが必要です。」「期限を過ぎると不動産の名義を失います」と不安を煽るメールが予想されます。

⚠️ 最も警戒すべき詐欺のシナリオ(乗っ取り通知の偽装)

 詐欺の手口として最も恐ろしいのは、「家や土地を奪われるかもしれない」という人間の強烈な恐怖心を利用することです。今後、以下のようなメールが横行すると予想されています。

  • 件名:【緊急・法務局】あなたの不動産名義の変更手続きが完了しました
  • 本文: 「あなたの不動産の名義が変更されました。もし、この不動産の名義変更が正しくなければ、至急取り消しの手続きが必要です。〇月〇日(期限)を過ぎると不動産の名義を失います。以下のリンクから直ちに手続きを行ってください。👉(偽サイトへのURL)」

 このように「期限を過ぎると不動産の名義を完全に失います」などと不安を極度に煽り、本文に記載された偽のURL(リンク)をクリックさせようとします。リンク先の本物そっくりの法務局の偽サイトで、マイナンバーや個人情報、パスワードなどを入力させて盗み取る手口です。
 普段なら冷静に疑える内容でも、「家が他人のものになってしまう!」とパニック状態に陥ると、ついリンクを押してしまう危険性があります。法務局からの「お知らせメール」という便利な制度が、「手続きを急がせるための強力な口実」として悪用されてしまうのです。

Q03-09 メールアドレスを登録しなければ騙されない

相談者

《質問》登録しなければ詐欺メールは来ないのですか?

司法書士

《回答》詐欺メール自体は無差別に送られてくる可能性がありますが、「騙される確率」を大幅に下げられます。

 もしあなたが法務局にアドレスを登録していなければ、どんなに恐ろしい内容でも「法務局からメールが来るはずがない」とすぐに気づき、詐欺を見破ることができます。逆に登録していると、「本当に法務局から来たお知らせだ!」と信じ込んでしまう危険性が跳ね上がります。

💡 専門家からのアドバイス:迷ったら「書かない」が安全

 もしメールアドレスの提供に少しでも不安を感じるなら、申請書の欄には「なし」と記載するか、空欄のまま提出することをおすすめします。法務局からの自動連絡は受け取れなくなりますが、安全には代えられません。 もし登録する場合でも、「法務局のメールから直接個人情報を入力させたり、金銭を要求したりすることは絶対にない」ということを、ご自身とご家族でしっかりと共有しておいてください。

Q03-10 「振り仮名」は「ひらがな」「カタカナ」ですか?

相談者

《質問》「振り仮名」は「ひらがな」「カタカナ」ですか?

司法書士

《回答》登記申請書には「ひらがな」で記載します。(例:やまだ たろう)
もし相続人が外国籍の方などで、住民票にローマ字が併記されている場合は、ひらがなに加えて「ローマ字」も記載します。(※なお、すでに通称名で登記している場合などはローマ字不要など、外国籍の方には別途細かなルールがあります)。

⚠️ ここが間違いやすい!「戸籍」と「登記」でルールが違う?

実は、登記のふりがなを書く際に、非常に多くの方が陥りやすい罠があります。2026年(令和8年)から、全国民の「戸籍」にもフリガナが登録されるようになりますが、戸籍のフリガナは「カタカナ」で登録するというルールになっています。 そのため、「戸籍がカタカナだから、登記もカタカナだろう」と勘違いして申請書にカタカナで書いてしまう方が後を絶ちません。

  • 戸籍・住民票 ➡ カタカナ
  • 不動産登記(検索用情報) ➡ ひらがな

お役所の手続きの中でルールが統一されておらず非常にややこしいですが、登記の申請書を作るときは「ひらがな」と覚えておきましょう。

Q03-11 「生年月日」や「ふりがな」

相談者

《質問》「生年月日」や「ふりがな」はどこに書けばいいのですか?

司法書士

《回答》「相続人(申請人)」の欄の、氏名のすぐ下などに記載します。

法務局が提供している最新の申請書テンプレートでは、申請人の連絡先電話番号を書く欄の近くに、「(フリガナ)」「(生年月日)」「(メールアドレス)」を記載する欄が設けられています。

●添付情報 (てんぷじょうほう)

Q04-01 添付情報の記載例

相談者

《質問》添付情報の欄には、具体的に何と書けばいいですか?

司法書士

《回答》基本的には「登記原因証明情報」「住所証明情報」の2つを並べて書くだけでOKです。なお、代理人が行う場合には、「代理権限証明書」の記載が必要です。

Q04-02 登記原因証明情報

相談者

《質問》「登記原因証明情報」とは、何の書類のことですか?

司法書士

《回答》「なぜ名義が変わるのか」を証明する書類のまとまりのことです。
相続登記の場合は、「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本一式」「相続人全員の戸籍謄本」「遺産分割協議書」「相続人全員の印鑑証明書」などが、すべてまとめて「登記原因証明情報」という一つのカテゴリーとして扱われます。

 登記原因証明情報は、添付書類のうちの登記をする原因を証明する情報(書面)ということです。具体的には、次の「★相続登記の必要書類一覧表(法務局提出)」をご覧ください。

★相続登記の必要書類一覧表(法務局提出)

【目次】相続登記の必要書類一覧表 相続登記 の 報酬 及び 費用 ★「相続登記の費用」「相続登記の手続きの流れ」は、【「相続登記」の窓口】へ 第1 相続登記の必要書類…

Q04-03 住所証明情報

相談者

《質問》「住所証明情報」とは、何の書類のことですか?

司法書士

《回答》新しく不動産の持ち主になる人(あなた)の「住民票」のことです。
(※マイナンバーが記載されていないものをご用意ください)。

Q04-04 固定資産評価証明書は記載しない

相談者

《質問》固定資産評価証明書は書かなくていいのですか?

司法書士

《回答》固定資産税評価証明書や課税明細書は書きません。

登録免許税(税金)を計算するために、市役所などで「固定資産評価証明書」を取得して添付しますが、実はこの書類、申請書の「添付情報」の欄には書かなくてよいことになっています。(※書いても補正にはなりません)。 書かなくても、書類の束の最後にホッチキスで一緒に綴じて提出すれば、法務局はしっかり確認してくれます。

Q04-05 遺産分割協議書・印鑑証明書の原本を返してほしい場合

相談者

《質問》戸籍謄本を集めるのに数万円かかりました。銀行の相続手続きにも使いたいのですが、原本は返してもらえますか?

司法書士

《回答》はい、返してもらえます(原本還付といいます)。
ただし、申請書の添付情報の欄に「原本を返してください」と書いても返してくれません。原本を返してもらうには、書類のコピーと「相続関係説明図」という特別な図面を一緒に提出するという別ルールが存在します。

原本還付できるもの
 戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票、遺言書など。

◆原本還付できないもの
 登記申請書そのもの、委任状(その登記のためだけに作成されたもの)、登録免許税の領収書など。

提出するとき
①「戸籍謄本一式の原本」及び「相続関係説明図
②「遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票、遺言書」及び「遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票、遺言書」のコピー

原本還付の手順

  1. コピーを用意する: 還付を受けたい書類すべてのコピーを取ります。
  2. 証明文を記載する: コピーの余白(または裏面)に「原本に相違ありません。」と記入し、申請人が署名・押印(認め印で可)します。
    • 枚数が多い場合は、一束にまとめてホチキス留めし、各ページに割印(契印)をすることで、最後のページにのみ署名・押印することも可能です。
  3. 申請時に提出する: 登記申請書と一緒に、「原本」と「署名・押印済みのコピー」の両方を窓口へ提出します。

「□登記識別情報の通知を希望しません。」は罠

法務局が提供している申請書のひな形を見ていると、下の方にひっそりと「□ 登記識別情報の通知を希望しません。」というチェックボックスがあります。

  • 「よくわからないお知らせなら、要らないからチェックしておこう」
  • 「通知が来ると面倒そうだから希望しないでおこう」

もし軽い気持ちでここにチェックを入れてしまったら……将来その不動産を売却する際に、5万円〜10万円もの余計な出費が発生してしまいます。

Q05-01 「□ 登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れてはいけない

相談者

《質問》結論から言って、このチェックボックスはどうすればいいですか?

司法書士

《回答》絶対にチェックを入れず、空欄のまま提出してください。個人の相続登記において、ここにチェックを入れるメリットは一つもありません。

💡 なぜこんなトラップのような項目があるの?

「個人の相続では絶対に不要なのに、なぜこんなチェックボックスが用意されているの?」と疑問に思うかもしれません。

実はこれ、一部の不動産業者や国、自治体のための項目なのです。 例えば、不動産開発業者が分譲地を作るために100筆の土地を買った場合、100個のパスワードが発行されます。厳重に管理しなければならないパスワードが大量にあると、かえって情報漏洩のリスクや管理コストが高まるため、会社側から「うちは管理が大変なので最初から発行しないでください」とお願いすることがあります。

つまり、一般の方には全く関係のないプロ向けの項目なのです。

Q05-02 登記識別情報とは?

相談者

《質問》「登記識別情報」とはそもそも何ですか?

司法書士

《回答》昔でいう「権利証(権利書)」の現代版です。

 現在は分厚い和紙の権利証ではなく、新しく所有者になった人に対して「12桁の英数字のパスワード」が発行されます。このパスワードが書かれた大切な書類のことを「登記識別情報通知」と呼びます。

📖 【詳細解説】なぜ「希望しない」と5万〜10万円損するのか?

不動産を相続して自分の名義にするだけであれば、権利証(登記識別情報)が手元になくても特に困ることはありません。 しかし、将来その不動産を**「売却する」「子どもに贈与する」「担保に入れてお金を借りる」**といった手続きをする際、必ずこのパスワード(登記識別情報)の提示を求められます。

💸 パスワードがない場合の「身代わり費用」が高額!

もし、「通知を希望しません」にチェックを入れてしまい、パスワードを持っていない状態で不動産を売却することになったらどうなるのでしょうか。

この場合、司法書士に依頼して**「本人確認情報」**という特別な書類を作成してもらう必要があります。 「この人はパスワードを持っていませんが、私が直接面談して、間違いなく本物の所有者であることを確認しました」と、司法書士が国に対して保証書を書くようなイメージです。

この手続きには非常に重い責任が伴うため、司法書士への報酬として通常の売却費用とは別に、追加で5万円〜10万円程度の費用が上乗せされてしまいます。

たった一つのチェックボックスを埋めたばかりに、将来数万円の損をすることになるのが、この「希望しません」の恐ろしいところです。

Q05-03 もし間違えてチェックを入れたら

相談者

《質問》もし間違えてチェックを入れてしまったら、どうなりますか?

司法書士

《回答》あなたの手元に「権利証(パスワード)」が一生発行されません。
「希望しません」と申告したことになり、大切な登記識別情報をもらう権利を自ら放棄したことになります。

Q05-04 後から「やっぱり発行してください」はできる?

相談者

《質問》後から「やっぱり発行してください」とお願いできますか?

司法書士

《回答》いいえ、絶対に再発行はできません。

 登記識別情報は、登記が完了したその時、その瞬間にしか発行されないという非常に厳しいルールがあります。紛失した場合も含め、いかなる理由があっても後から発行してもらうことは不可能です。

申請日と管轄の法務局(名古屋法務局の場合)

Q06-01 申請日の日付

相談者

《質問》「申請日」にはいつの日付を書けばいいですか?

司法書士

《回答》法務局の窓口に「実際に提出する日」を書きます。郵送で提出する場合は、郵便ポストに投函する日(または郵便局の窓口で発送する日)を記入してください。

Q06-02 日付を間違えたら

相談者

《質問》事前に書類を作っておきたいのですが、日付を間違えたらどうなりますか?

司法書士

《回答》日付は「空欄」にしておくのが一番安全なテクニックです。

 相続人が2名以上の場合で、遠方にいて押印が同時にできないこともありますし、「〇月〇日に行く予定だったのに、急用で行けなくなった」という事もあります。そのような場合に備え、申請書の年月の部分(令和〇年〇月)までをパソコンで印字しておき、「日」の部分だけ空欄にしておきます。そして、提出する当日に法務局の窓口で(郵送なら封筒に入れる直前に)黒のボールペンで手書きで書き足すのが、最も失敗の少ない方法です。

Q06-03 法務局の管轄に注意(名古屋法務局)

相談者

《質問》私は名古屋市中区に住んでいます。実家(相続する不動産)は豊田市にあります。名古屋法務局の本局(中区)に出せばいいですか?

司法書士

《回答》いいえ、豊田市の不動産を管轄する「名古屋法務局 豊田支局」に提出しなければなりません。

登記の申請は「あなたが今住んでいる場所」は一切関係ありません。「その不動産がどこにあるか」で提出先の法務局が厳格に決まっています。名古屋法務局については、「名古屋 法務局 管轄」と調べれば、管轄がわかります。特に名古屋市内でも、すべて「名古屋法務局」ではないことに注意が必要です。

https://houmukyoku.moj.go.jp/nagoya/table/shikyokutou/all.html

📖 【詳細解説】名古屋法務局の管轄トラップに要注意!

申請書の最後には、「令和〇年〇月〇日 〇〇法務局(〇〇支局) 御中」と、提出先の法務局名を記載します。

ここで愛知県内の不動産を相続する方が陥りやすいのが、「名古屋市内の不動産なら、全部『名古屋法務局(本局)』でいいんでしょ?」という勘違いです。

⚠️ 名古屋市内でも管轄が「3つ」に分かれている

名古屋法務局は非常に規模が大きく、名古屋市内にある不動産であっても、区によって管轄(担当する窓口)が以下の3つに細かく分かれています。

  • 名古屋法務局 本局(中区): 中区,東区,北区,中村区,西区,千種区,昭和区、西春日井郡豊山町、清須市、北名古屋市などの不動産
  • 名古屋法務局 熱田出張所(熱田区):熱田区,南区,中川区,港区,瑞穂区,緑区、豊明市の不動産
  • 名古屋法務局 名東出張所(名東区): 名東区,守山区,天白区、日進市、長久手市、愛知郡東郷町 などの不動産

例えば、あなたが中区の本局のすぐ裏に住んでいたとしても、相続する実家が「緑区」にある場合は、熱田出張所まで行く(または郵送する)必要があります。申請書にも「名古屋法務局 熱田出張所 御中」と書かなければなりません。

💡 管轄の調べ方

申請書を印刷する前に、必ずインターネットで**「〇〇市(〇〇区) 法務局 管轄」**と検索してください。法務局の公式ホームページ(管轄のご案内)がヒットしますので、不動産の所在地を担当している法務局の「正式名称」を確認し、申請書に正確に記載しましょう。

Q06-04 管轄が遠方の法務局

相談者

《質問》遠方の法務局まで行く時間がありません。どうすればいいですか?

司法書士

《回答》補正(及びそのための旅費交通費)のことを考えると、司法書士に依頼した方がいいと思います。なお、「郵送(書留郵便)」で提出することができます。

 管轄の法務局宛てに、郵便局の窓口から「簡易書留」または「レターパックプラス(赤色)」など、対面で配達されて記録が残る方法で郵送すれば、わざわざ現地まで行く必要はありません。申請書の宛先にも、その管轄の法務局名を書きます。ただ、遠方であればあるほど、補正(及びそのための旅費交通費)のことを考えると、司法書士に依頼した方がいいと思います。

📮 郵送申請する場合のワンポイントアドバイス

遠方の法務局へ郵送で申請し、かつ登記完了後の書類(権利証や原本還付した戸籍など)も郵送で送り返してほしい場合は、申請書と一緒に**「返信用封筒(あなたの住所・氏名を書き、書留分の切手を貼ったもの)※レターパックプラスがおすすめ」**を必ず同封してください。これがないと、法務局まで直接書類を取りに行かなければならなくなります。

登録免許税 (とうろくめんきょぜい)

Q07-1 相続登記の申請書の登録免許税

相談者

《質問》相続登記の申請書に記載する登録免許税の記載方法は、どのようにするのですか?

司法書士

《回答》登録免許税の記載方法については、まず、「【パターン別】相続登記と登録免許税の計算方法(免税ケースと免税にする方法)」をご確認ください。その後、「★相続登記・登録免許税シミュレーター」を利用し、税額の計算をしてください。

【パターン別】相続登記と登録免許税の計算方法(免税ケースと免税にする方法)

●登録免許税の計算と免税規定(①土地評価額が100万円以下②土地を故人名義にする場合)●マイナーな地目の取り扱い(公衆用道路(私道)・用悪水路・ため池・保安林・未登記…

★相続登記・登録免許税シミュレーター

相続登記・登録免許税シミュレーター ※登録免許税の計算方法の詳細については「【パターン別】相続登記と登録免許税の計算方法(免税ケースと免税にする方法)」へ 司法…

不動産の表示 (ふどうさんのひょうじ)

Q08-1 相続登記の申請書の不動産の表示

相談者

《質問》相続登記の申請書に記載する不動産の表示はどのようにすればよいですか?

司法書士

《回答》相続登記の申請書に記載する不動産の表示は、遺産分割協議書に記載する方法と同じですので、「相続登記の遺産分割協議書作成ガイド│失敗しない書き方と注意点」をご覧ください。

相続登記の遺産分割協議書作成ガイド│失敗しない書き方と注意点

相続登記の遺産分割協議書作成ガイド│失敗しない書き方と注意点 不動産の表示に関するミス Q1-1 土地に関する遺産分割協議書の正確な記載手順について Q1-2 建物に関する…

法務局の記載例の解説

Q09-1 相続登記・申請書・①法定相続分

法務省・相続登記・申請書・①法定相続分_ページ_1

説明: 遺言書や話し合い(遺産分割協議)を行わず、法律で定められた割合(法定相続分)のとおりに共同で相続する場合の申請書です

特徴: 申請書の相続人欄には、各相続人が取得する持分(例:持分2分の1、持分4分の1など)を記載します 。登記の原因は、被相続人の死亡日と「相続」となります

注意点: 相続人のうちの1人が代表して申請することも可能ですが、その場合、申請人にならなかった他の相続人には登記識別情報(権利証)が通知されません 。また、亡くなった時期(昭和56年以前や昭和22年以前など)によって、法律上の相続割合が異なるため持分の計算には注意が必要です

特有のルール(持分の計算): 申請書には各相続人の持分(割合)を書きますが、亡くなった時期によって法律が異なるため注意が必要です。

  • 昭和56年1月1日以降に死亡:配偶者1/2、子1/2(複数いる場合はさらに等分) 。
  • 昭和22年5月3日〜昭和55年12月31日に死亡:配偶者1/3、子2/3 。
  • 昭和22年5月3日より前に死亡:原則として長男などが単独で引き継ぐ「家督相続」となります 。

Q09-2 相続登記・申請書・②遺産分割

法務省・相続登記・申請書・②遺産分割_ページ_1

説明: 相続人全員での話し合い(遺産分割協議)により、誰がどの不動産を引き継ぐかを決めた場合の申請書です

特徴: 登記原因証明情報として「遺産分割協議書」を添付します 。登記の原因の日付は、協議が成立した日ではなく、被相続人が死亡した日(戸籍上の死亡日)を記載します

注意点: 添付する遺産分割協議書には、協議を行った相続人全員の実印を押印し、それぞれの「印鑑証明書」を提出する必要があります 。この登記手続に使う印鑑証明書は、作成後3か月以内のものでなくても差し支えありません

Q09-3 相続登記・申請書・③遺産分割(数次相続)

法務省・相続登記・申請書・③遺産分割(数次相続)_ページ_1

説明: 最初の相続登記が終わらないうちに相続人の一人が亡くなり、次の相続が連続して発生している(数次相続)ケースの申請書です

特徴: 登記の原因欄には、最初の被相続人の死亡日と「〇〇相続」、その次の相続人の死亡日と「相続」のように、歴史の順番どおりに連記します

注意点: 最終の相続以外の途中の相続において、共同相続人数名が権利を取得している状態では、特例として1件の申請書にまとめることはできません 。手続きが複雑になりやすいため、代理人(司法書士など)に委任する場合の記載例や、登記識別情報通知等を郵送で受け取るための方法が詳細に解説されています

Q09-4 相続登記・申請書・④公正証書遺言

法務省・相続登記・申請書・④公正証書遺言

説明: 公証役場で作成された「公正証書遺言」に基づき、相続人が不動産を引き継ぐ場合の申請書です

特徴: 登記の原因は、遺言書が書かれた日ではなく、被相続人が死亡した日と「相続」を記載します

注意点: 申請書に記載する各相続人の持分は、遺言書に記載されている持分と一致している必要があります

Q09-5 相続登記・申請書・⑤自筆証書遺言

法務省・相続登記・申請書・⑤自筆証書遺言

説明: 亡くなった方が自分で手書きした「自筆証書遺言」に基づき、相続人が不動産を引き継ぐ場合の申請書です

特徴: 申請書の基本的な構造は公正証書遺言の場合と同様で、持分は遺言書と一致させ、登記の原因には被相続人の死亡日と「相続」を記載します

注意点: 登記手続に自筆証書遺言を提出する場合、法務局の遺言書保管制度を利用しているものを除き、必ず家庭裁判所の「検認済証明書」が付いている必要があります

Q09-6 相続登記・申請書・⑥相続人に対する遺贈・単独申請

法務省・相続登記・申請書・⑥相続人に対する遺贈・単独申請

具体的な利用シーン: 亡くなった方の遺言書に「妻(法定相続人)に〇〇の土地を遺贈する」と書かれていた場合に使用します。

この手続きのポイント: 以前は「遺贈」の場合、他の相続人全員(または遺言執行者)と協力して登記申請をする必要がありましたが、令和5年4月1日の法律改正により、財産を受け取る相続人が単独で申請できるようになりました 。令和5年4月1日より前に発生した相続でも、この単独申請が可能です

注意点(落とし穴):

  • 公正証書遺言や、法務局の遺言書保管制度を利用した遺言書「以外」の場合は、必ず家庭裁判所で**「検認済証明書」**をもらってから添付する必要があります 。
  • 原因の日付は「遺言書を書いた日」ではなく、「遺贈者が死亡した日(戸籍上の死亡日)」を書きます 。

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はい。初回のみ無料相談とさせていただいております。
ぜひ、司法書士なかしま事務所までご連絡ください。

※1 当事務所は、相続登記遺言・相続対策・遺産承継業務・相続放棄を含む相続業務に15年以上のキャリアをもつ司法書士中嶋剛士が電話相談・面談、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。安心してお任せ頂けたらと思います。

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解説者「司法書士 中嶋 剛士」のプロフィール

司法書士 中嶋剛士(シホウショシ ナカシマコウジ)
司法書士中嶋剛士

「司法書士なかしま事務所」代表司法書士
名古屋市の法務大臣認定司法書士
依頼は“相続・相続対策”と“借金問題”が中心
司法書士実務は2011年から
特別研修のチューターを4年経験
テレビ出演:2021年3月30日:CBCテレビ[チャント!]
登録番号 愛知 第1924号
簡裁訴訟代理等関係業務 認定番号 第1318043号

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