「消滅時効」の窓口

原則としては、下記の表のとおり、１社あたり５万円となります。

　一般的に下記のとおりとなります。

（１）債務整理の方針決定前

（２）「債務整理」の方針（消滅時効）

　借金やクレジットカード払いにも時効はあります。

　たしかに、借りたお金は返さなければいけないのが大原則です。しかし、それでも時効はあります。そして、①時間の経過、②時効の援用の手続によって、権利が消えることを消滅時効といいます。

　消滅時効が認められる理由は、「消滅時効を認めないとすると、返済をしたことなどの証拠を長期間にわたって保存しなければならないことになる」から等です。

　具体的には、下記の条文で消滅時効が定められています。

　消滅時効の期間が経過しても、自動的に支払い義務がなくなるわけではありません。

　消滅時効を有効に成立させるためには、「消滅時効の援用手続」が必要です。

　サラ金（アコム、アイフル、プロミスなどの貸金業者）からの借金は、最後の取引等（借入・返済・利息の変更・和解契約など）から５年で時効になります。

　ただし、過去に債権者から裁判を起こされて、判決を取られているような場合は、当該判決の確定日から１０年で時効になります。

　銀行等（銀行・信用金庫・信用組合・農協・商工中金・労働金庫・住宅金融支援機構）の場合には、サラ金と同じで、最後の取引等から５年で時効になります。

　ただし、過去に債権者から裁判を起こされて、判決を取られているような場合は、当該判決の確定日から１０年で時効になります。

　クレジットカード会社（三井住友カード・楽天カード・JCB・ｄカード・イオンカードなどの信販会社）の立替金は、最後の取引等から５年で時効になります。

　ただし、過去に債権者から裁判を起こされて、判決を取られているような場合は、当該判決の確定日から１０年で時効になります。

　奨学金は、最後の取引（借入・返済・返済日）から５年で時効になります。

　ただし、過去に債権者から裁判を起こされて、判決を取られているような場合は、当該判決の確定日から１０年で時効になります。

　なお、近年、日本学生支援機構は滞納金の回収に力を入れており、延滞金の回収業務を専門の債権回収会社（日立キャピタル債権回収、エム・ユー・フロンティア債権回収など）に委託しています。しかも、債権回収会社に委託をしている債権は、未だ時効期間が経過していない債権だけでなく、すでに時効期間が経過している債権も含まれることが多いです。したがって、債権回収会社から請求が来た場合でも、消滅時効の援用ができる場合がありますので、債権回収会社に連絡をする前に、弁護士・司法書士などの法律専門家へ相談をしましょう。

　携帯電話の料金は、原則として、滞納してから５年で時効になります。

　ただし、過去に債権者（や債権回収）から裁判を起こされて、判決を取られているような場合は、当該判決の確定日から１０年で時効になります。

滞納賃料は、原則として、滞納してから５年で時効になります。

管理費あるいは修繕積立金の請求権は5年で時効となります。平成16年4月23日最高裁判決で、管理費等が民法169条所定の定期給付債権に当たるとして、時効が成立することが認められました。つまり、5年を過ぎ、相手方が時効の援用（時効が成立したことを主張し相手に伝えること）をすれば、債権は消滅します。

最三小判平成16年4月23日民集第58巻4号959頁

 【判示事項】マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権が民法１６９条所定の債権に当たるとされた事例

 【裁判要旨】マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権が，管理規約の規定に基づいて，区分所有者に対して発生するものであり，その具体的な額は総会の決議によって確定し，月ごとに支払われるものであるときは，当該債権は民法１６９条所定の債権に当たる。

医療費（診察代）は、原則として、医療費（診察代）が発生してから５年で時効になります。

ＮＨＫ受信料は、原則として、ＮＨＫ受信料が発生してから５年で時効になります。

友人・知人・親族からの借金は、原則として、借金をして最後の返済をしてから５年で時効になります。

債権者等（例えば、貸金業者・クレジットカード会社など）に連絡したり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

債権者等（例えば、貸金業者・クレジットカード会社など）から届いた書面にもよりますが、債権者等に連絡したり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。なお、その際には、届いた書面も資料として法律専門家（弁護士・認定司法書士）に提示してください。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

債権者の代理人弁護士事務所から届いた書面にもよりますが、債権者等に連絡したり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。なお、その際には、届いた書面も資料として法律専門家（弁護士・認定司法書士）に提示してください。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

債権回収会社から届いた書面にもよりますが、債権者等に連絡したり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。なお、その際には、届いた書面も資料として法律専門家（弁護士・認定司法書士）に提示してください。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

保証会社から届いた書面にもよりますが、債権者等に連絡したり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。なお、その際には、届いた書面も資料として法律専門家（弁護士・認定司法書士）に提示してください。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

債権者等（例えば、貸金業者・クレジットカード会社など）が自宅に訪問をしてきたら、債権者等と話をしたり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

債権者等（例えば、貸金業者・クレジットカード会社など）に連絡したり返済したりする前に、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

債権者等（例えば、貸金業者・クレジットカード会社など）から訴えられたら、裁判所から訴状又は支払督促が届きます。訴状又は支払督促が届いたら、すぐに法律専門家（弁護士・認定司法書士）などの専門家に相談しましょう。消滅時効の手続を行えば、払えわなくてもよくなる可能性があります。

　消滅時効には、＜１＞客観的起算点と＜２＞主観的起算点があるとされています。

　＜１＞消滅時効の客観的起算点は、「権利を行使することできるとき」であるとされています（民法１６６条Ⅰ②）。そして、①最大判昭和45年7月15日民集第24巻7号771頁や、②最三小判平成8年3月5日民集第50巻3号383頁では、「権利を行使することができるとき」とは、（１）権利の行使につき法律上の障害がないというだけではなく、さらに（２）権利の性質上、その権利行使が現実に期待のできる時をいうとされています。なお、単なる事実上の障害（債権者の病気・不在・権利進行時期の不知という個人的な事情）は、時効の進行を妨げないとされています。

　＜２＞一方で、消滅時効の主観的起算点は、「権利を行使することができることを知った時」です（民法１６６条Ⅰ①）。「権利を行使することができることを知った時」とは、「客観的起算点の到来を債権者が知った時であり、権利行使が期待可能な程度に当該権利の発生及びその履行期の到来その他権利行使にとっての障害がなくなったことを債権者が知った時」を意味するとされています。

最大判昭和45年7月15日民集第24巻7号771頁は、「民法166 条1 項の「権利を行使することができる時」の意義につき、「単にその権利の行使につき法律上の障害がないというだけではなく、さらに権利の性質上、その権利行使が現実に期待のできるものであることをも必要と解するのが相当である」と判示し、受領拒絶を理由とする供託物取戻請求権の消滅時効は、供託した時ではなく、供託の基礎となった債務の不存在が確定するなど供託者が免責の効果を受ける必要が消滅したときから進行するとしている判例です。

　最三小判平成8年3月5日民集第50巻3号383頁は、「自動車損害賠償保障法72条1項前段による政府に対するてん補請求権の消滅時効につき、昭和45年判決を引用し、ある者が交通事故の加害自動車の保有者であるか否かをめぐって、上記の者と当該交通事故の被害者との間で同法3条による損害賠償請求権の存否が争われている場合においては、上記損害賠償請求権が存在しないことが確定した時から進行する」と判示している判例です。

　客観的起算点については、下記のとおりです。

＜１＞確定期限の定めがある債権

　①奨学金の返済、②回数固定の分割払いなど将来の返済日が先に定めてある契約の場合、確定期限の定めがある債権になります。そして、確定期限の定めがある債権は、期限到来時より進行します。

＜２＞不確定期限の定めがある債権

　①将来、父が死亡した日、②次に気温が25度を超えた日など将来の日が「到来する期日が確定していない期限」の定めがある債権の場合、不確定期限の定めがある債権になります。そして、不確定期限の定めがある債権は、期限到来時より進行します。

＜３＞期限の定めがない債権

• 原則：債権成立（発生）時から進行する。【説明】不当利得返還請求権（民法703条,民法704条）などの法定債権は原則として期限の定めがない債権になる。
• 返済の時期を定めない消費貸借：契約成立から相当期間経過後から進行する。
• 債務不履行による損害賠償請求権（民法415条）：本来の債務の履行を請求しうる時から進行する。【比較】じん肺のような進行性疾患についての安全配慮義務違反による損害賠償請求権（最三小判平成6年2月22日民集第48巻2号441頁）
• 不法行為に基づく損害賠償請求権（民法709条）：①主観的起算点による消滅時効は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から進行する。②客観的起算点による消滅時効は、不法行為の時から進行する（民法724条）。【比較】継続的不法行為による損害賠償請求権（最一小判平成6年1月20日 集民第171号1頁）

＜４＞期限付又は停止条件付債権

　「将来保険事故が発生した場合の保険金請求権」「賃貸借契約における敷金（保証金）返還請求権」は、期限付債権・停止条件付債権になります。そして、期限付又は停止条件付債権は、期限到来時又は条件成就時から進行します。

＜５＞解除条件付債権

　解除条件とは、条件を充たしたときに法的効力が「消滅」する条件のことをいいます。「土地建物の明渡しの和解条項で、明渡しの猶予期間の定めがある場合」「不動産の解除条件付売買契約（融資利用特約や買い換え特約）」などに解除条件の条項が入ることがあります。そして、解除条件付債権は、債権の成立時から進行します（つまり、条件成就未定の間も進行します。）。

＜６＞期限の利益喪失約款付債権

　一回の不履行があっても、各割賦金債務について約定弁済期の到来ごとに順次消滅時効が進行し、債権者が特に残債務全額の弁済を求める旨の意思表示をしたときにかぎり、その時から右全額について消滅時効が進行します（最二小判昭和42年6月23日民集第21巻6号1492頁）

＜７＞預金債権

　普通預金債権は、預入れの時から進行する。当座預金は契約終了時から進行する。【比較】自動継続特約付きの定期預金契約（最三小判平成19年4月24日民集第61巻3号1073頁）

＜８＞不作為債権

　不作為債権は、違反行為のなされた時から進行します。

最三小判平成6年2月22日民集第48巻2号441頁は、雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効の起算点に関し、「雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、じん肺法所定の管理区分についての最終の行政上の決定を受けた時から進行する」とした判例です。

最一小判平成6年1月20日集民第171号1頁は、夫婦の一方の配偶者が他方の配偶者と第三者との同せいにより第三者に対して取得する慰謝料請求権の消滅時効の起算点に関し、「夫婦の一方の配偶者が他方の配偶者と第三者との同せいにより第三者に対して取得する慰謝料請求権については、一方の配偶者が右の同せい関係を知った時から、それまでの間の慰謝料請求権の消滅時効が進行する。」とした判例です。

最二小判昭和42年6月23日民集第21巻6号1492頁は、いわゆる過怠約款を付した割賦払債務の消滅時効の起算点に関し、「割賦金弁済契約において、割賦払の約定に違反したときは債務者は債権者の請求により償還期限にかかわらず直ちに残債務全額を弁済すべき旨の約定がされた場合には、一回の不履行があつても、各割賦金債務について約定弁済期の到来ごとに順次消滅時効が進行し、債権者が特に残債務全額の弁済を求める旨の意思表示をしたときにかぎり、その時から右全額について消滅時効が進行するものと解すべきである。」とした判例です。

最三小判平成19年4月24日民集第61巻3号1073頁は、いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点に関し、「いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効は，それ以降自動継続の取扱いがされることのなくなった満期日が到来した時から進行する。」とした判例です。