【NEWS】NHK党/政治家女子48党の党首交代の登記が法務局で認められなかった理由

斉藤健一郎氏への代表変更届を法務局が拒否「大津綾香氏のサインがない」【政女党お家騒動】(2023.6.9)【東スポWEB】

政治家女子48党のお家騒動で、立花孝志氏が9日、法務局に提出していた大津綾香氏から斉藤健一郎氏への党代表の名義変更が認められなかったことを明かした。

(続きは↓)

https://nordot.app/1039865712011379610?c=516798125649773665

どうやら、前回の記事から動きがあったようです。

【NEWS】NHK党/政治家女子48党の党首交代について

司法書士業界で、話題になっている事件。 どっちが正しいかどうかは、証拠が表に出てきていない以上はわからないのですが、私としては、この事件をきっかけに商業・法人登…

以下、Twitter上で頓珍漢なコメントが多いので、Q&Aを作成してみました。ご参考にどうぞ。

NHK党/政治家女子48党の党首交代の登記が法務局で認められなかったのですか?

どうやら、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第七条のニの第二項で定める「代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面」がなかったようです。

【条文】政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律

(設立の登記)
第七条 政党は、第五条第一項の規定による中央選挙管理会の確認を受けた日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をしなければならない。
2 前項の規定による登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 名称
二 目的
三 主たる事務所の所在場所
四 代表権を有する者の氏名及び住所
五 解散の事由を定めたときは、その事由
3 第一項の規定による登記の申請書には、第五条第一項の規定による中央選挙管理会の確認を受けたことを証する書面を添付しなければならない。

(変更の登記)
第七条の二 第四条第一項の規定による法人である政党(当該政党が第三条第一項各号のいずれにも該当しない政治団体となった場合における当該政治団体(第十二条第一項の規定により法人でなくなったものを除く。)を含む。以下「法人である政党等」という。)において前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、その日の翌日から起算して二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。
2 前項の規定による登記の申請書には、前条第二項各号に掲げる事項の変更があったことを証する代表権を有する者の記名した書面(代表権を有する者の変更があった場合には、他に代表権を有する者があるときは当該変更があったことを証するその者の記名押印した書面とし、他に当該書面を作成することができる代表権を有する者がないときは当該変更があったことを証する代表権を有していた者及び代表権を有するに至った者の記名押印した書面とする。)を添付しなければならない。

なぜ、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第七条のニの第二項で定める「代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面」がないのに、解任の登記を申請したのですか?

どうやら、解任の場合には、代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面が不要であると考えたようです。

なぜ、解任の登記申請をした人は、解任の場合には、代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面が不要であると考えたのですか?

条文(政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第七条のニの第二項)上当然に必要であると考えられるのに、なぜ、不要と考えたのかはわかりません。条文上、明らかに必要としか読めないため、その他、なにかしらの特殊な根拠があるのかと思っていたら、そういうわけでもなさそうです。

そもそも、なぜ、解任の場合でも、代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面が必要なのですか? 株式会社等であれば、不要ですよね?

解任の場合でも、代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面が必要な理由に関しては、詳細は不明です。
たしかに、仮に、「解任の場合でも、代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面が必要とした」理由を「政党の乗っ取り防止」であると考えると、会社(株式会社等)の登記と平仄が合わないことになりそうです。つまり、解任の場合、代表権を有していた者(登記申請上、前代表者である大津綾香氏)の記名押印した書面が不要となりそうです。
もっとも、政党では、会社(株式会社)と異なり、そもそも代表者の強制的な解任を法が想定していない、とも考えられます。具体的には、会社(株式会社の株主)と役員(代表取締役や取締役)の関係は委任契約に基づくものですが、政党とその代表者は委任契約に基づくものではないと考えられますので、解任(法定解除〈委任契約に基づく解除〉)のようなことはできない、と考えることもできそうです。

政党の代表を解任できないことになった、今回のような状況になったら、永久に解決しないことになる。したがって、解任をすることができないとする考えは変だと思います。

今回のような状況が起こった場合の解決方法としては、政党の分裂で対処すればよいと考えられます。

とある弁護士が「法律的には、斎藤議員の代表選任の登記を先行させて、その後解任の登記を斎藤議員の書面によってすることで問題ないはず。」と言っていますが、このような方法で、大津綾香氏の解任の登記が認められませんか?

政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第七条のニの第二項で定める「代表権を有する者の変更があった場合には、他に代表権を有する者があるときは当該変更があったことを証するその者(大津綾香氏)の記名押印した書面」も必要(つまり、「新旧双方の代表者」の押印が必要)となりますので、解任の登記は、当該書面がないと認められません。したがって、斎藤議員の書面のみによって、大津綾香氏の解任の登記はできません。

解任の登記が却下された場合、その却下が不当であることを理由に不服申立てはできないのですか?

登記が却下された場合、行政不服審査法に基づき、法務局に対し審査請求手続をとることができます。

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