【NEWS】紙の約束手形、2026年廃止→電子記録債権への移行

紙の約束手形、26年廃止へ 日本独特の商慣行改善(令和3年2月17日:日本経済新聞)

 企業が取引先への支払いに使う紙の約束手形について、経済産業省は2026年をめどに利用廃止を目指す方針だ。産業界に対応を要請する。全国銀行協会も連携して銀行振り込みや電子記録債権(電子手形)への移行を促す。約束手形は一般に現金化まで数カ月かかる。受注側の中小企業の資金繰りを圧迫しがちな古い商慣行の改善に向けて動き出す。

ーーー続きは↓ーーー

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF172XT0X10C21A2000000/

目次【手形の廃止と電子記録債権】

電子記録債権とは

 「電子記録債権」とは、電子債権記録機関の記録原簿への電子記録をその発生・譲渡等の要件とする、既存の指名債権・手形債権などとは異なる新たな金銭債権です。手形と同様に、電子記録債権の譲渡には善意取得や人的抗弁の切断の効力などの取引の安全を確保するための措置も講じられているので、事業者は、企業間取引などで発生した債権の支払に関し、パソコンやFAXなどで電子記録をすることで、安全・簡易・迅速に電子記録債権の発生・譲渡等を行うことができます。
※ 電子記録債権は、電子記録債権法(平成19年法律第102号)により、事業者の資金調達の円滑化等を図るために創設された新しい類型の金銭債権であり、この法律は平成20年12月1日に施行されています。

指名債権・手形と比較した場合の電子記録債権のメリット

(1)指名債権と比較した場合の電子記録債権のメリット

 民法上、指名債権(売掛債権等)を譲渡することが認められていますが、指名債権は、当事者の合意さえあれば譲渡が可能であるため、二重譲渡のリスクがあります。しかし、電子記録債権は、電子記録をすることをその発生や譲渡の要件としており、当事者間の合意のみでは譲渡はできないため、二重譲渡のリスクが排除されています。また、民法上、指名債権の譲渡があったことを債務者に主張するには、債務者への通知または債務者の承諾が必要ですが、電子記録債権の譲渡については、これらは必要ありません。これは、電子記録債権についてはその存在・帰属が電子的に記録されるため、債務者への通知または債務者の承諾がなくても、電子記録債権の債務者においてその電子的な記録(債権記録)を確認することにより、電子記録債権の債権者を確認することができるからです。
 なお、指名債権の場合、債権の譲受人は、権利発生の原因となった売買契約等が無効になったなどの事情を理由として支払を拒まれることがありますが、電子記録債権の場合は、手形と同様に原則として、債務者は譲受人に対してこのような原因債権の事情等を理由として支払を拒むことができません(人的抗弁の切断)。

(2)手形と比較した場合の電子記録債権のメリット

 手形は権利内容を紙面に記載することで、上記の指名債権のデメリットを排除するものですが、紙媒体を使用するため書面の作成・交付・保管に要するコストや盗難・紛失のリスクがあります。
 電子記録債権は、権利内容を電子的に記録するため、このような問題を解消または軽減できます。また、電子データとして記録するものであるという特徴を活用して、記載事項が限定されている手形とは異なり、多様な記録事項が認められています。そして、その一部のみを譲渡することができない手形とは異なり、電子記録債権の一部を分割して、その一部を譲渡することが可能です。

電子記録債権の手形代替的利用

 電子記録債権は、善意取得や人的抗弁の切断等の手形と同様の取引の安全を確保するための措置も講じられていますので、手形を電子化するのと同様の機能を果たすことが可能となります。
 例えば、売掛債権について手形の振出に代えて電子記録債権を発生させた場合、納入企業は、当該電子記録債権についてパソコンやFAXなどで譲渡記録が行われることにより、手形割引のように金融機関に譲渡して現金化したり、あるいは回し手形のように2次納入企業に譲渡してその支払に充てることができます。さらに、手形は分割できませんが、電子記録債権は分割記録を行うことで分割ができるので、複数の2次納入企業の支払に充てることも可能です。

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