1.オンライン申請の原則

 オンライン申請は、原則として、電子化されたすべての添付情報を電子情報として、申請情報と併せてオンラインで提供する(添付する電子情報には、作成者の電子署名が必要)。

2.特例方式の場合

(1)提出の方法

□ 電子化されていない添付情報(登記識別情報は除く)は、申請情報とは別に、書面を登記所に郵送(書留郵便等)又は持参して提供することができる。これを特例方式という。

□ 特例方式の場合には、申請情報に添付する登記原因証明情報(PDF)の作成者の電子署名は不要。

□ 登記原因証明情報を添付する際には、登記原因証明情報をPDFで、送信しなければならない。(※1)

□ 特例方式における、添付書面の提出方法は、持参及び送付のいずれの方法によることもできる。

□ 添付書面を提出するときは,各添付情報につき添付書面を提出する方法によるか否かの別も申請情報の内容とする(例:登記原因証明情報(特例or持参or送付)。

□ 登記申請情報を送信する際に、持参か送付か決まってない場合には、(特例)を使用する。

□ 登記原因証明情報(PDF)を送信する部分は、登記原因の内容を明らかにする部分で足りる。登記原因の内容を明らかにする部分とは、例えば、売買契約の場合には、[1]契約当事者の記載のある部分[2]対象不動産の記載のある部分[3]売買契約の年月日の記載のある部分[4]売買契約締結の事実が分かる記載のある部分、である。

□ 特例方式により添付書面を送付の方法により提出するときは、当該添付書面を入れた封筒の表面に添付書面が在中している旨を明記する。

(2)提出期限

□ 【持参】特例方式により添付書面を提出するときは、申請の受付の日から2日以内に当該添付書面を提出しなければならない。

□ 【送付】特例方式により添付書面を送付の方法により提出するときは、書留郵便等によって受付の日から2日以内に登記所に到着するようにして送付しなければならない。

□ 期間の計算は、初日は算入せず(民法第140条)、かつ、期限が日曜、土曜、祝日等の行政機関の休日に当たるときは、その翌日が期限となる(行政機関の休日に関する法律第2条)。

(※1)例外規定等

(1)登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等

 不動産登記法第64条の規定に基づく登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等については、登記原因を証する情報を記録した電磁的記録を申請情報と併せて送信する必要はない(不動産登記規則附則第22条第2項)。

(2)(根)抵当権の債務者の氏名等の変更・更正登記

 不動産登記令附則第5条第1項の規定による(根)抵当権の債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記の申請において、市町村長,登記官その他の公務員が職務上作成した情報を登記原因を証する情報とする場合には、同条第4項の規定に基づく書面に記載された登記原因を証する情報を記録した電磁的記録の提供がないときであっても、不動産登記規則附則第22条第2項に規定する不動産登記法第64条の登記に準じて受理して差し支えない(平成20年3月19日法務省民二第950号)。

(3)相続登記

□ 法定相続の場合は、相続関係説明図のみの添付でよい。戸籍謄本等は不要。もっとも、渉外相続登記の際には、「登記原因証明情報として相続関係説明図が提出されても、外国の官憲が作成し、又は外国で発行された戸籍謄本等については、その写しが添付されない限り、原本の還付をすることはできない」とする質疑応答(登研778号)があるため、相続関係説明図のみの添付で可能かは不明。

□ 遺産分割協議の場合には、遺産分割協議書のPDFは必要であるが、遺産分割協議書の印鑑証明書のPDFの添付は不要。

□ 相続放棄の場合には、相続放棄の申述受理証明書のPDFが必要。

□ 特別受益の場合には、特別受益証明書のPDFが必要

□ 相続関係説明図に、「遺産分割」「特別受益」「放棄」等の具体的内容を記載したPDFを提供した場合は、遺産分割協議書、相続放棄申述受理証明書、特別受益証明書のPDFは提供しなくてもよい(平成20年11月12日法務省民二第2957号回答)