本店移転

 会社の住所がある場所を会社法では「本店」といいます。定款には「本店所在地」を定めなければならず、登記では「本店所在場所」を定めなければなりません。本店は日本国内であればよく、本店の所在場所と実際に事業活動をしている場所が一致している必要はありません。たとえば、本店として代表取締役の個人の自宅住所を登記しておいて、別の場所で実際に事業を行うこともできます。

 ただし、金融機関で会社の口座を開設する場合、本店の最寄りの支店でしか開設できないことがあります。また、管轄の税務署や法務局といった役所は、本店の所在地を基準として決まるので、本店を遠方の場所にすると、手続きに手間や時間がかかってしまいます。そう考えると、ビジネスの拠点となっている場所を本店として決めるのがよいでしょう。

 

ご依頼の流れ

1.事前相談・お見積り
 会社の定款など確認すべきことがございますので、まずはご連絡ください。ご連絡方法は、電話、メール、FAX等で対応しております。
2.打ち合わせ
 (1)本店住所地の記載には一定のルールがあります。また(2)登記をすべきでない住所地というのもあります。さらに、(3)同じ住所で同じ商号の会社は登記できないなどの規制があります。
3.書類作成及び委任状に押印
 本店移転変更可能か、調査し、書類を作成します。書類が完成しましたら、委任状に押印をいただきます。この時に登記費用をお支払いただきます。
4.登記申請
 当事務所が登記を申請いたします。
5.登記完了
 登記はおおむね1週間前後で完了します。
6.書類のお渡し
 登記が完了しましたら登記関係書類をお客様にお渡しいたします。

 

本店移転の注意点

 会社の所在地を変更した場合、本店移転の登記を申請しなければいけません。本店移転の登記は、(1)所在地を同じ管轄の中で変更する場合(例えば、名古屋市中区から名古屋市千種区)と、(2)異なる管轄へ移転する場合(例えば、名古屋市→岐阜市)では手続の内容が異なります。

 異なる管轄内へ移転する場合の注意点としては、会社を設立したときと同様、商号・目的の調査が必要になる点です。万一変更した地区に同じ事業目的で同じような名前の会社が存在したというような場合、商号権の侵害になる可能性がありますので、異なる地区へ会社の所在地を変更する際には事前の調査を怠らないようにしましょう。