公正証書の作成の仕方を教えて下さい。
公正証書遺言を作成するのか,それとも債務承認弁済契約等の公正証書を作成するか,作成する内容で多少異なります。以下,債務承認弁済契約等の公正証書を作成する場合の手順を説明します。公正証書遺言の場合の手続きは,遺言の記事で説明します。
1.公証役場へ連絡する。
管轄の公証役場へ「債務承認弁済契約」等の公正証書を作成したい旨を連絡し,担当公証人と今後の日程調整等を打ち合わせする。その際に,FAX番号等を聞き忘れないように注意する。
2.公証役場へ原案をFAXで送る。
公正証書は,文案を事前に作成しておき,その文案で公正証書を作成できるか,公証人に確認を取らなければなりません。公証人は,違法な内容についてはしっかりチェックしますが,それ以外では,原則として,中立な立場ですので,どちらかに有利または不利になるような誘導はしてくれません。例えば,「強制執行認諾文言」のついていない公正証書は,何のために公正証書にしたのかわからないような公正証書になりますが,文案に「強制執行認諾文言」の規定を入れていないと,公証人は,当該規定を入れないで,公正証書を作成します。また,公正証書には,当事者の“職業”が入ることも忘れてはいけません。
3.公証役場へ出向く
指定された日に,公証役場へ出向きます。必要書類の原本や公正証書の費用を忘れないように気をつけてください。

 以上のように,公正証書の作成手続自体は,簡単ですが,重要なのは,どのような内容の公正証書を作成するかです。公正証書の内容は,民事訴訟法・民事執行法等の知識に基づいて作成されなければ,当該公正証書は,絵に描いた餅になってしまいます。その点に気をつけて,公正証書を作成しましよう。