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民法122条(取り消すことができる行為の追認),124条(追認の要件),125条(法定追認)

民法122条(取り消すことができる行為の追認),124条(追認の要件),125条(法定追認)

1 新旧対照表

旧<平成32年(2020年)3月31日まで>

(取り消すことができる行為の追認)
第百二十二条 取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。

(追認の要件)
第百二十四条 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
2 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
3 前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

(法定追認)
第百二十五条 前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一 全部又は一部の履行
二 履行の請求
三 更改
四 担保の供与
五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六 強制執行

新<平成32年(2020年)4月1日から>

(取り消すことができる行為の追認)
第百二十二条 取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。

(追認の要件)
第百二十四条 取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。
2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。
一 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。
二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。

(法定追認)
第百二十五条 追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一 全部又は一部の履行
二 履行の請求
三 更改
四 担保の供与
五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六 強制執行

2 改正のポイント

ポイント ①124条1項の改正は,判例(大判大正5年12月28日)を踏襲し,「取消権を有することを知った後」の要件を追加したものである。
②法定追認については,「取消権を有することを知った後」の要件は規定せず
③制限行為能力者(成年被後見人を除く)が追認できることを明文化した。

3 解説

(1)改正前民法122 条ただし書の削除

 改正前民法122 条ただし書は,不要な規定であるとして削除された。

(2)124条1項(「取消権を有することを知った後」の要件の追加)

 判例(大判大正5・12・28 民録22-2529)が「問題の法律行為を取り消すことができることを知っていること」を要件として加えていることと,取消権の放棄という追認の性質からしてもその立場は適切であることから,この要件を追加した(中間試案の補足説明59 頁)。

(3)法定追認については,「取消権を有することを知った後」の要件は規定せず

 一方,法定追認の場合に取消権を有することを知っていることが要件となるか否かについては,法制審議会でコンセンサスが得られなかった。そこで,改正前民法125条の「前条の規定により」という文言を削除することで,民法124 条と切り離す形での規定に改正し,法定追認についても「取消権を有することを知った」ことが必要になるかは解釈に委ねられることとなった。なお,判例(大判大正12年6月11日民集2巻396頁)は,改正前民法第125条の規定は取消権者が取消権の存否を知っていると否とを問わずその適用があるとしている。

(4)改正前民法124条3項は維持

 改正後民法124条2項1号は,改正前民法124条3項を実質的に維持するものである。

(5)制限行為能力者(成年被後見人を除く)が追認できることを明文化

 改正後民法124条2項2号は,制限行為能力者(成年被後見人を除く)が法定代理人・保佐人・補助人の同意を得て追認することができるという異論のないルールを明文化したものである。

経過措置

 施行日前に取り消すことができる行為がされた場合におけるその行為の追認(法定追認を含む。)については,なお従前の例による(附則8Ⅱ)。

(無効及び取消しに関する経過措置)
第八条 施行日前に無効な行為に基づく債務の履行として給付がされた場合におけるその給付を受けた者の原状回復の義務については、新法第百二十一条の二(新法第八百七十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 施行日前に取り消すことができる行為がされた場合におけるその行為の追認(法定追認を含む。)については、新法第百二十二条、第百二十四条及び第百二十五条(これらの規定を新法第八百七十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

関連判例

大判大正5年12月28日

大判大正12年6月11日民集2巻396頁

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