1. 相続登記が完了!しかし「全ての手続きが終わった」わけではありません
1-1. 司法書士から受け取った「登記識別情報(権利証)」の正しい保管方法
《質問》新しく届いた「登記識別情報通知」は、昔の権利証のように金庫に入れておけば安全ですか?
《回答》はい、大切に保管してください。ただし、一番重要なのは用紙そのものではなく、下部にシールや折り込みで目隠しされている「12桁のパスワード」です。このパスワードを他人に見られないよう、シールや目隠しを剥がさずに安全な場所で保管することが最も重要です。
【詳細な解説】
相続登記が完了すると、法務局から新たに「登記識別情報通知」というA4サイズの緑色の用紙が発行されます。これは、以前の「権利証(登記済証)」に代わるもので、あなたが不動産の正当な所有者であることを証明する非常に重要な書類です。
用紙の下部には目隠しシール(または折り込み方式)が施されており、その下に12桁の英数字(パスワード)が印字されています。将来、この不動産を売却したり、担保に入れてお金を借りたりする際に、このパスワードが必要になります。万が一、他人にパスワードを知られてしまうと、権利証を盗まれたのと同じ状態になり大変危険ですので、目隠しは絶対に剥がさずに保管してください。
▼従来の権利証と登記識別情報の違い(表)
| 項目 | 従来の権利証(登記済証) | 登記識別情報通知(現在) |
| 形状 | 朱肉の印鑑(登記済印)が押された書類 | A4サイズの用紙(下部に目隠しあり) |
| 重要となる部分 | 「書類そのもの」が存在すること | 目隠し下の「12桁のパスワード」 |
| 紛失時の再発行 | 再発行不可 | 再発行不可 |
| 取り扱いの注意点 | 書類を盗まれないようにする | パスワードを見られないようにする |
1-2. 登記完了直後にやってくる「不動産」と「税金」の新たな課題とは
《質問》不動産の名義変更が終われば、もう法務局や税務署から連絡が来ることはありませんか?
《回答》名義変更が完了しても、ご遺産の総額によっては税務署から「相続税についてのお尋ね」が届くことがあります。また、翌年からは新しい所有者(あなた)宛てに、市区町村から固定資産税の納付書が届くようになります。
【詳細な解説】
相続登記は「名義を変える」ための手続きであり、税金の手続きとは別物です。不動産を相続するということは、その不動産に対する納税義務や維持管理の責任も同時に引き継ぐことを意味します。
特に注意が必要なのは相続税と固定資産税です。相続税は、基礎控除額を超える財産がある場合に申告が必要となり、期限(10ヶ月)を過ぎると重いペナルティが課せられます。また、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課せられるため、翌年からは新しい名義人のもとへ納付書が届くようになります。
▼登記完了から発生する主な税金・維持イベント(流れ)
- 【登記完了直後】 遺産総額の確認。基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合は、相続税申告の準備を開始。
- 【相続開始から10ヶ月以内】 相続税の申告対象であれば、税務署へ申告および納税を完了させる。
- 【翌年の春頃(4〜5月)】 名古屋市や春日井市などの管轄市区町村から、新しい所有者宛てに「固定資産税・都市計画税の納税通知書」が届く。
- 【継続的】 定期的な固定資産税の支払いと、建物の修繕・庭木の剪定など不動産の維持管理を行う。
1-3. 手続きの抜け漏れを防ぐ!登記後に確認すべきチェックリスト
《質問》不動産の名義変更以外に、何か忘れている手続きがないか不安です。
《回答》預貯金や有価証券の解約・名義変更のほか、火災保険や公共料金の名義変更など、生活に密着した手続きが漏れがちです。後々トラブルにならないよう、チェックリストを活用して一つずつ確認していきましょう。
【詳細な解説】
不動産の登記が終わるとホッとしてしまい、その他の手続きを後回しにしてしまう方が少なくありません。特に、銀行口座の凍結解除や、亡くなった方が契約していたサービスの解約・名義変更は速やかに行う必要があります。
例えば、火災保険の名義変更を忘れていると、万が一火災が起きた際に保険金がスムーズに支払われないリスクがあります。また、誰も住まない実家の水道や電気をそのままにしておくと、無駄な基本料金を払い続けることになります。
▼登記後確認チェックリスト(表)
| 手続きの分類 | 確認・手続き内容 | 手続き先 |
| 金融資産 | 銀行預金の解約・名義変更、証券口座の移管手続き | 各金融機関、証券会社 |
| ライフライン | 電気、ガス、水道の契約者変更・支払い口座変更・解約 | 各電力・ガス・水道局 |
| 保険・年金 | 火災保険・地震保険の名義変更、生命保険金の請求 | 各保険会社 |
| 通信・その他 | 固定電話、インターネット回線、NHK受信料の解約・変更 | NTT、プロバイダ、NHK等 |
| 自動車等 | 普通車・軽自動車の相続による名義変更または廃車 | 運輸支局、軽自動車検査協会 |
1-4. 法務局から返却された「戸籍謄本などの原本」の使い道
《質問》登記が終わった際、権利証と一緒に、提出した戸籍謄本や印鑑証明書が束になって返却されました。これらは捨ててもよいのでしょうか?
《回答》絶対に捨てないでください!法務局から返却(原本還付)された戸籍謄本や遺産分割協議書は、この後に行う銀行の口座解約や、証券会社の名義変更などの手続きで「そのまま使い回す」ことができます。
【詳細な解説】
相続登記を司法書士に依頼した場合、ほとんどのケースで「原本還付(げんぽんかんぷ)」という手続きを同時に行います。これは、法務局での確認が終わった後、貴重な戸籍謄本などの原本を返してもらう制度です。 戸籍謄本を一から取り直すと、数千円〜数万円の手数料と多大な手間がかかります。名古屋法務局等から返却された書類一式と「法定相続情報一覧図(※取得している場合)」があれば、その後の金融機関や税務署での相続手続きが非常にスムーズに進みます。すべての相続手続きが完全に終わるまでは、大切に保管しておきましょう。
▼返却された書類が使える主な手続き先(流れ)
- 【法務局】 登記完了。戸籍謄本や遺産分割協議書の原本が手元に戻る。
- 【金融機関】 銀行口座の凍結解除・払い戻しに提出(窓口で確認後、再び返却されることが多い)。
- 【証券会社・保険会社】 株式の移管や、生命保険金の請求時に提出。
- 【税務署】 相続税の申告が必要な場合、添付書類として提出。
2. なぜ?相続登記完了後に「不動産業者からDM」が届く理由と仕組み
2-1. 「どこから情報を得ているの?」法務局の公開情報(不動産登記簿)の仕組み
《質問》相続登記をした途端、見知らぬ不動産会社から「家を売りませんか」という手紙が来ました。私の個人情報がどこかから漏れているのでしょうか?
《回答》個人情報の漏洩ではありませんのでご安心ください。法務局が管理している「不動産登記簿」は、手数料を支払えば誰でも閲覧できる公開情報です。不動産業者は、この公開されている登記情報をチェックしてDMを送っています。
【詳細な解説】
突然見知らぬ業者から手紙が届くと、「司法書士事務所や役所から情報が漏れたのでは?」と不安になるかもしれません。しかし、日本の法律では、不動産の所有者や面積、権利関係が記載された「登記簿(登記事項証明書)」は、取引の安全を守るために一般に公開されるルールになっています。
そのため、不動産業者は法務局で「最近、相続によって名義が変わった不動産」を調べ、そこに記載されている新しい所有者の住所と氏名宛てに、営業のダイレクトメール(DM)を送付しているのです。
▼不動産業者がDMを送るまでの仕組み(流れ)
- 【相続人・司法書士】 法務局へ相続登記を申請し、名義変更が完了する。
- 【法務局】 新しい名義人の情報が不動産登記簿に反映され、公開状態となる。
- 【不動産業者・データ会社】 法務局で登記簿情報を取得し、「相続を原因とする所有権移転」があった物件をリストアップする。
- 【不動産業者】 リスト化された新しい所有者(相続人)の住所宛てに、売却勧誘のDMを発送する。
2-2. 個人情報漏洩ではないのでご安心を!DM発送業者の実態
《質問》司法書士事務所から情報が漏れているわけではないと聞いて安心しましたが、勝手に登記簿を見て営業に使うのは違法ではないのですか?
《回答》登記簿情報を取得し、それを元にDMを送る行為自体は違法ではありません。不動産業界では、相続された物件は将来的に売却される可能性が高いため、有効な営業手法の一つとして昔から行われています。
【詳細な解説】
登記簿は誰でも取得できるため、その情報を利用したダイレクトメールの送付自体を法律で禁止することはできません。不動産会社が一軒一軒法務局で調べることもあれば、「不動産登記情報提供サービス」などを利用してデータを一括取得・販売している専門のリスト業者から情報を買い取り、一斉にDMを発送しているケースも多く見られます。
相続登記後は、複数の業者から一気にDMが届くことも珍しくありませんが、これはあくまで合法的な営業活動の一環であることをご理解ください。
▼DMが届く仕組みに関わる関係者(表)
| 関係者 | 役割と行動 |
| 法務局 | 登記簿を管理し、請求があれば誰にでも情報を公開する。 |
| データ販売業者 | 法務局の情報を収集・データ化し、不動産会社へ名簿として販売する。 |
| 不動産会社 | 取得したリストを元に、「売却予定はありませんか?」とDMを送る。 |
| 相続人(あなた) | 突然複数の業者からDMを受け取り、驚くことになる。 |
2-3. 突然のDMは怪しい業者?優良業者と悪徳業者を見分ける3つのポイント
《質問》届いたDMの業者が信用できる不動産会社なのか、それとも悪質な業者なのか、どうすれば見分けられますか?
《回答》DMの中身を見て、「極端に高い買取価格を提示していないか」「会社のHPや実体があるか(宅建業の免許番号が記載されているか)」「強引な表現がないか」の3点をチェックしてください。
【詳細な解説】
DMを送ってくる業者の多くは真っ当な不動産会社ですが、中には注意が必要な業者も混ざっていることがあります。
特に、「どんな物件でも相場の2倍で買います!」といった非現実的な高額査定を謳う業者は、後から不当に値下げを要求してくるトラブルのリスクがあります。また、免許番号(例:愛知県知事(○)第×××号)の記載がない業者は、そもそも不動産取引を行う資格がありません。まずは会社のホームページを検索し、地域(長久手市や日進市など)での実績や、代表者の顔写真が掲載されているかなどを確認することが大切です。
▼優良業者と要注意業者の特徴比較(表)
| チェックポイント | 優良業者の特徴 | 要注意業者の特徴 |
| 査定の提案 | 相場に基づいた現実的な価格を提案する理由が書かれている。 | 根拠のない極端な高額買取や、「今すぐ売らないと損」と急かす。 |
| 会社の実体 | 宅建業免許番号の記載があり、HPで店舗情報や実績が確認できる。 | 免許番号の記載がなく、HPが存在しない、または携帯電話番号しか載っていない。 |
| 文面や対応 | 選択肢の一つとして売却を提案する、丁寧な文面。 | 何度も一方的に送りつけてきたり、強引な訪問営業を行ったりする。 |
2-4. しつこいDMや訪問営業をピタリと止めるための具体的な対処法
《質問》家を売る気はないのに、同じ業者から何度もDMが来たり、突然家に訪問されたりして迷惑しています。どうすれば止まりますか?
《回答》業者へ直接電話などで「売却の意思は一切ありません。今後のDMや訪問営業は迷惑なので、リストから削除してください」と毅然と伝えるのが最も効果的です。それでも続く場合は、宅建業法違反として管轄の行政窓口へ相談できます。
【詳細な解説】
無視していても繰り返しDMが届いたり、直接訪問してきたりする業者には、はっきりと「NO」の意思表示をすることが重要です。
不動産業者を規制する「宅地建物取引業法」では、相手が契約を締結しない意思(売却しない意思)を示したにもかかわらず、執拗に勧誘を続けることを禁止しています。そのため、一度明確に断れば、まともな業者であればそれ以上の営業はしてきません。もし、断った後も営業が続くような悪質なケースであれば、愛知県の都市整備局(宅建業指導担当)などへ相談しましょう。
▼しつこい営業を止めるための対応ステップ(流れ)
- 【意思表示】 DMに記載されている業者の連絡先へ電話し、「物件を売る気はないため、DMの送付や訪問は止めてほしい」と明確に伝える。
- 【リスト削除要求】 合わせて「自社の営業リストから個人情報を削除してほしい」と要求する。
- 【記録を残す】 断った日時、対応した担当者の名前、業者の社名をメモしておく。
- 【行政への相談(最終手段)】 それでも勧誘が続く場合、メモ等の記録を元に、愛知県の担当窓口や消費生活センターへ「宅建業法違反のしつこい勧誘を受けている」と相談する。
3. 届いた不動産売却DMは「無視」すべきか?状況別の正しい判断基準
3-1. 【無視してOK】当面は実家や土地を手放す予定が一切ない場合
《質問》現在は自分がその家に住んでいる(または身内が住む予定がある)ので、絶対に売るつもりはありません。届いたDMはどうすればいいですか?
《回答》そのまま破棄していただいて全く問題ありません。業者に連絡をしてしまうと「見込み客」とみなされる可能性があるため、不要であれば無視して捨てるのが一番です。
【詳細な解説】
売却の意思が明確に「ない」のであれば、DMに目を通す必要もありません。届いた端から資源ごみやシュレッダーにかけて処分してしまいましょう。
親切心から「売りません」と連絡を入れてしまう方もいらっしゃいますが、業者によっては「わざわざ連絡をくれるということは、少しは興味があるのかも」と勘違いし、逆に営業の電話がかかってくるキッカケを作ってしまうこともあります。不要なDMは「無反応」を貫くことが、一番の対処法です。
▼売却予定がない場合のDM取り扱い(表)
| 行動 | メリット・デメリット | おすすめ度 |
| そのまま捨てる(無視) | 手間がかからず、余計な営業を受けるリスクがない。 | ◎(最も推奨) |
| 「売りません」と連絡する | 以降のDMは止まるが、連絡時に別の営業トークを受ける可能性がある。 | △(しつこい場合のみ) |
| 念のため保管しておく | 全く売る気がないのであれば、保管スペースの無駄になる。 | × |
3-2. 【要検討】愛知県外など遠方にお住まいで、今後の維持管理に不安がある場合
《質問》実家(尾張旭市)を相続しましたが、私は県外に住んでいて実家は空き家になっています。今はまだ決断できませんが、DMはすべて捨ててしまっていいですか?
《回答》すべて捨てるのではなく、実家周辺(名古屋市や尾張地域など)の不動産事情に詳しそうな地元の業者のDMを、数通だけ保管しておくことをお勧めします。将来、売却や管理を相談する際の情報源として役立ちます。
【詳細な解説】
遠方の空き家を相続した場合、「すぐには売らないが、将来どうするかは未定」という方が非常に多いです。空き家は放置すればするほど老朽化し、維持費(固定資産税や庭の管理費など)がかさむため、いずれは売却や活用を検討する時期が来ます。
その際、ゼロから地元の不動産会社を探すのは大変です。届いたDMの中から、手書きの丁寧な挨拶状が同封されていたり、地元密着での取引実績をアピールしていたりする業者のものをピックアップし、ファイルなどに保管しておくと、いざという時の相談先候補となります。
▼遠方にお住まいの方のDM活用ステップ(流れ)
- 【選別】 届いたDMの中から、実家の地元エリアに強そうな業者や、印象の良い業者のDMを3〜5通ほど選び出す。
- 【破棄】 選別から漏れた全国チェーンの定型DMや、怪しげな業者のDMは破棄する。
- 【保管】 選んだDMを相続関連の書類と一緒に保管しておく。
- 【将来の相談】 維持管理に限界を感じたり、売却を決意した際に、保管していたDMの業者に連絡して相談や査定を依頼する。
3-3. 【活用】すでに「相続した不動産を売却して現金化・分割したい」と考えている場合
《質問》ちょうど相続した土地を売って、兄弟で現金を分けたいと思っていました。DMを送ってきた業者にすぐ連絡して売却をお願いしてもよいですか?
《回答》DMをキッカケに連絡すること自体は問題ありませんが、DMを送ってきた1社だけで即決するのは危険です。必ず複数の業者から相見積もり(査定)を取り、対応や査定額を比較検討してから依頼する業者を決定してください。
【詳細な解説】
すでに「売却して換価分割(現金で分ける方法)をしたい」と決めている方にとって、DMは売却活動の第一歩を踏み出す便利なツールになります。
しかし、不動産の査定額は業者によって数百万円単位で差が出ることがあります。DMを送ってきたA社が「2,000万円で売れますよ」と言っても、B社なら「2,500万円で売れます」と提案してくるかもしれません。最初から1社に絞り込まず、DMの中から良さそうな業者を数社選び、一斉に査定を依頼して比較することが、損をしない不動産売却の鉄則です。
▼DM業者を活用する際のメリット・デメリット(表)
| 内容 | |
| メリット | 自分から不動産会社を探す手間が省ける。 相続物件の扱いに積極的な業者であることがわかる。 |
| デメリット | 提示された査定額が適正な相場価格かどうか、1社だけでは判断できない。 DMの印象だけで悪徳業者に引っかかるリスクがある。 |
| 対策 | 必ず3社以上の不動産会社に査定を依頼し、比較検討する。 |
3-4. 業者へ連絡する前に知っておきたい!不動産査定の基本と注意点
《質問》業者に査定を依頼する際、騙されたり安く買い叩かれたりしないために、あらかじめ知っておくべきことはありますか?
《回答》査定にはデータだけで算出する「机上査定」と、現地を見る「訪問査定」があること、そして「査定額=必ずその金額で売れる保証ではない」という点を理解しておきましょう。一番高い査定額を出した業者が、一番良い業者とは限りません。
【詳細な解説】
不動産の査定を依頼する前に、基本的な知識を持っておくことで、業者のペースに巻き込まれるのを防ぐことができます。
まず、手軽な「机上査定」で大まかな相場を把握し、信頼できそうな業者に絞ってから「訪問査定」を依頼し、より正確な価格を出してもらうのが一般的な流れです。
注意すべきは、自社と契約させるためだけに、わざと相場より不自然に高い査定額を提示する業者(高預かり)の存在です。査定額を比較する際は、金額の高さだけでなく、「なぜその金額になるのか」という根拠を論理的に説明できる業者を選ぶことが、スムーズな売却成功へのカギとなります。
▼不動産査定を依頼する際の基本フロー(流れ)
- 【相場の把握】 インターネットの一括査定サイトや、手元のDM業者(複数)に「机上査定」を依頼し、おおよその相場観を掴む。
- 【業者の絞り込み】 査定結果の根拠がしっかりしており、対応が丁寧な業者を2〜3社ピックアップする。
- 【訪問査定の依頼】 絞り込んだ業者に実際に現地(家の中や土地の境界など)を見てもらい、より精度の高い「訪問査定」を依頼する。
- 【媒介契約の締結】 最終的な査定額と、担当者の信頼性や販売戦略を総合的に判断し、最も納得できる1社(または複数社)と売却を依頼する契約(媒介契約)を結ぶ。
4. 要注意!相続登記と「相続税申告」の深い関係とよくある誤解
4-1. 「名義変更が終わった=相続税の申告も不要」は大変危険な勘違い
《質問》司法書士に頼んで不動産の名義変更(相続登記)が無事に終わりました。これで税務署への手続きもすべて完了したことになりますか?
《回答》いいえ、完了していません。相続登記(法務局の手続き)と相続税の申告(税務署の手続き)は全くの別物です。不動産の名義を変えても、相続税の納税義務が消えるわけではありません。
【詳細な解説】
相続が発生すると、多くの人が「名義変更(登記)」に意識が向きますが、これはあくまで「所有権」を確定させる手続きです。一方で、相続税は「取得した財産の価値」に対して課される税金です。
法務局は登記が完了すると、その情報を税務署へ通知します。そのため、「登記だけして税金を免れる」ことは不可能です。
▼「相続登記」と「相続税申告」の違い(表)
| 比較項目 | 相続登記(名義変更) | 相続税の申告・納税 |
| 提出先 | 法務局 | 税務署 |
| 目的 | 所有権をハッキリさせる | 相続税を正しく納める |
| 期限 | 相続を知った日から3年以内(義務化) | 相続開始を知った日から10ヶ月以内 |
| 義務の対象 | 相続したすべての不動産 | 基礎控除額を超える財産がある場合 |
4-2. 自分は申告対象?相続税がかかるかどうかの「基礎控除額」の計算方法
《質問》名古屋市内に一戸建てを持っていますが、どのくらいの遺産があると相続税がかかるのでしょうか?
《回答》相続税には「基礎控除」という非課税枠があります。遺産の総額が「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」を超えない限り、相続税の申告も納税も必要ありません。
【詳細な解説】
例えば、夫が亡くなり、妻と子2人の計3人が相続人の場合、基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円」となります。遺産(不動産+預貯金など)が4,800万円以下であれば、税金はかかりません。
昨今の地価上昇により、名古屋市瑞穂区や昭和区、また人気の高い長久手市・日進市などに不動産をお持ちの場合は、土地の評価額だけでこの枠を超えてしまうケースが増えています。
▼相続税の基礎控除額一覧(表)
| 法定相続人の数 | 基礎控除額(非課税枠) |
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
4-3. 期限は「相続開始を知った日から10ヶ月以内」!遅れた場合の重いペナルティ
《質問》相続税の申告期限を過ぎてしまったら、どうなりますか?
《回答》本来納めるべき税金に加え、「無申告加算税」や「延滞税」といった重い罰金が課せられます。また、後述する「小規模宅地等の特例」などの大きな節税ルールが使えなくなるリスクもあります。
【詳細な解説】
相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。相続登記に時間がかかり、この期限を忘れてしまう方が多いため注意が必要です。
▼相続発生から申告・納税までのタイムライン(流れ)
- 【当日〜】 死亡届の提出、葬儀の準備
- 【3ヶ月以内】 相続放棄または限定承認の検討期限
- 【4ヶ月以内】 準確定申告(亡くなった方の所得税申告)
- 【6ヶ月前後】 遺産分割協議の成立、相続登記の申請
- 【10ヶ月以内】 相続税の申告および納税(期限厳守)
4-4. 「小規模宅地等の特例」で税額がゼロになる場合でも申告は必須
《質問》「小規模宅地等の特例」を使えば、実家の土地評価が8割引きになると聞きました。計算したところ税金が0円になったので、申告しなくても大丈夫ですよね?
《回答》いいえ、そこが最も注意すべき点です。「特例を適用して0円になる」場合は、必ず期限内に申告をしなければなりません。申告をしないと特例は適用されず、高額な税金を請求されることになります。
【詳細な解説】
小規模宅地等の特例は、亡くなった方の自宅を相続人が引き継ぐ場合、一定の面積まで土地の評価額を最大80%減額できる非常に強力な節税ルールです。
しかし、この特例は「期限内に税務署へ申告すること」が適用条件となっています。「0円だから何もしなくていい」という判断は、名古屋周辺での地主様や一戸建て相続において最も多い失敗例の一つです。
4-5. 不動産だけじゃない!名義預金やタンス預金など税務署に指摘されやすい財産
《質問》不動産以外は少しの預貯金しかないので安心だと思っていますが、税務署はどのようなところをチェックするのでしょうか?
《回答》税務署が特に厳しくチェックするのは「名義預金」です。亡くなった方が子供や孫の名前で作っていた通帳や、自宅に保管されていた現金(タンス預金)も、実質的に亡くなった方の財産であれば相続税の対象となります。
【詳細な解説】
不動産登記簿から相続を知った税務署は、過去数年分に遡って亡くなった方の銀行口座の動きを調査することがあります。
- 子供名義の口座に毎年多額の送金があるが、子供本人はその通帳を管理していない(名義預金)
- 亡くなる直前に多額の現金が引き出されているが、使い道が不明これらは「申告漏れ」として指摘されやすく、追加の税金がかかる原因となります。
5. 翌年以降の負担はどうなる?不動産に関わるその他の税金手続き
5-1. 【固定資産税】翌年からの納税義務者は誰?市町村役場での代表者変更手続き
《質問》父が亡くなって相続登記をしましたが、今年の固定資産税の納付書は父の名前で届きました。来年からはどうなりますか?
《回答》固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。相続登記が完了していれば、翌年からは新しい名義人宛てに納付書が届きます。もし登記が遅れる場合は、役所へ「相続人代表者指定届」を出す必要があります。
【詳細な解説】
名古屋市や春日井市、瀬戸市などの各自治体は、登記情報を元に納税通知書を送付します。
▼登記時期と納付書が届く相手(流れ)
- 【12月31日までに登記完了】 → 翌年4月頃、**「新名義人」**宛てに通知書が届く。
- 【1月2日以降に登記完了】 → 翌年4月頃、「亡くなった方」(実質的には相続人代表者)宛てに通知書が届く。その翌年から新名義人へ切り替わる。
5-2. 共有名義で相続した場合の固定資産税トラブルを防ぐ支払いルール
《質問》実家を兄と私の2人で半分ずつ相続しました。固定資産税の通知書は別々に届きますか?
《回答》いいえ、通知書は「代表者1名」にのみ届きます。役所は分割して請求してくれませんので、兄弟間で誰がどう支払うかを事前に決めておかないと、滞納トラブルに発展する恐れがあります。
【詳細な解説】
不動産を共有名義にすると、共有者全員が「連帯して納付する義務」を負います。役所からは通常「代表者 外○名」という形で1通だけ届くため、代表者が一括で支払い、後で他の共有者に請求するのが一般的です。
▼共有名義時の支払い管理方法(表)
| 方法 | 内容とメリット | デメリット・注意点 |
| 代表者一括精算 | 代表者が支払い、他者が現金を渡す。シンプル。 | 毎年請求する手間が発生し、関係が悪いと揉める。 |
| 専用口座の作成 | 共有者で出し合い、そこから引き落とす。透明性が高い。 | 口座維持の手間がかかる。 |
| 持分に応じた按分 | きっちり持分比率で分担する。 | 1円単位の端数調整が必要になる。 |
5-3. 【不動産取得税】相続による取得は原則「非課税」だが、生前贈与等との違いに注意
《質問》不動産を買うと「不動産取得税」がかかると聞きました。相続でも数万円〜数十万円の支払いが必要ですか?
《回答》一般的な相続(遺言や遺産分割協議による取得)であれば、不動産取得税は**「非課税(かからない)」**です。ただし、生前贈与や特定の条件での取得には課税されるため混同しないよう注意が必要です。
【詳細な解説】
不動産取得税は、不動産を手に入れたときに一度だけ都道府県(愛知県)に納める税金です。
相続による取得は「形式的な所有権の移転」とみなされるため、原則としてかかりません。
▼相続と他の取得方法の比較(表)
| 取得方法 | 不動産取得税 | 備考 |
| 相続(法定相続人) | 非課税 | 手続きも不要です。 |
| 生前贈与 | 課税 | 贈与税とは別に、県税としてかかります。 |
| 売買(購入) | 課税 | 評価額に応じた税金がかかります。 |
| 死因贈与 | 原則課税 | 相続人以外への死因贈与などは注意。 |
5-4. 相続した不動産を「人に貸している」場合は、所得税の確定申告(準確定申告)に注意
《質問》相続した実家の一部を人に貸して家賃をもらっていたり、アパートや貸駐車場を相続したりした場合、何か特別な手続きは必要ですか?
《回答》はい、家賃収入(不動産所得)を引き継ぐため、「所得税」に関する手続きが必要です。亡くなった方の代わりに「準確定申告」を行い、相続後は新しい所有者としてご自身で毎年の確定申告を行う必要があります。
【詳細な解説】
相続した不動産が、アパート、賃貸マンション、貸駐車場など、家賃収入を生み出している「収益不動産」である場合は、相続税や固定資産税に加えて「所得税」への対応が必須となります。
まず、亡くなった年の1月1日から死亡日までに発生した家賃収入について、相続人が代わりに税務署へ申告する「準確定申告」を、相続を知った日から4ヶ月以内に行う必要があります。その後は、名義人となったあなたが不動産所得を得ることになるため、翌年以降はご自身で確定申告を行わなければなりません。
▼収益不動産を相続した際の所得税の手続き(表)
| 申告の種類 | 申告の対象となる所得(家賃収入) | 申告期限 |
| 準確定申告 | 亡くなった年の1月1日 〜 死亡日までの分 | 相続を知った日の翌日から4ヶ月以内 |
| ご自身の確定申告 | 死亡日の翌日 〜 その年の12月31日までの分 | 翌年の2月16日 〜 3月15日まで |
※家賃の振込口座も亡くなった時点で凍結されるため、賃借人(借りている人)へ「相続により振込先口座が変わる旨」を速やかに通知することも忘れないようにしましょう。
6. 意外と忘れがち!ライフライン・保険・地域ネットワークの各種変更手続き
6-1. 火災保険・地震保険の名義変更(空白期間の火災リスクを防ぐために)
《質問》家を相続しましたが、火災保険は亡くなった父の名義のままです。そのままにしておくと何か問題がありますか?
《回答》大いに問題があります。名義変更を怠っていると、万が一火災が起きた際、保険金の受け取りが非常に複雑になったり、最悪の場合、契約が失効して保険金が支払われないリスクがあります。
【詳細な解説】
登記が終わったら、すぐに保険証券を確認し、損害保険会社へ連絡してください。
特に「空き家」になる場合は注意が必要です。一般的な火災保険は「居住用」を前提としているため、空き家になったことを隠して契約を続けていると、いざという時に通知義務違反として保険金が下りないことがあります。
6-2. 水道・ガス・電気の契約者変更と、引き落とし口座の再設定
《質問》誰も住まなくなる実家ですが、電気や水道は止めてしまってもいいのでしょうか?
《回答》完全に止めてしまうと、家の掃除や維持管理(通水など)ができなくなり、老朽化を早めます。名義変更をして契約は残しつつ、基本料金のみのプランに変更するのがお勧めです。
【詳細な解説】
名古屋市上下水道局や中部電力などへ連絡し、契約者を相続人に変更します。
▼ライフライン停止・変更の判断基準(表)
| インフラ | 停止のデメリット | お勧めの対応 |
| 水道 | トラップの封水が切れて悪臭や害虫が発生する。 | 契約を維持し、定期的に水を流す。 |
| 電気 | 掃除機の使用や夜間の防犯ライトが使えなくなる。 | 契約を維持。ブレーカーを落として管理する。 |
| ガス | 給湯器の凍結防止機能が働かなくなる(冬場)。 | 冬場以外は閉栓しても比較的影響が少ない。 |
6-3. インターネット回線、固定電話、NHK受信料の解約または名義変更
《質問》実家で使っていたWi-FiやNHKの料金が、父の口座から引き落とされ続けています。どうすればいいですか?
《回答》これらは自動的には止まりません。各会社へ連絡し、「契約者の死亡による解約または承継」の手続きを行ってください。特にネット回線の違約金などは、死亡による解約であれば免除されるケースもあります。
【詳細な解説】
固定電話(NTT)の加入権も相続財産です。利用休止の手続きをするか、名義変更をして引き継ぐかを選びます。NHKについても、世帯消滅(空き家)であれば解約手続きが必要です。これらを放置すると、誰も見ていないテレビや使っていないネットに月々数千円を払い続けることになります。
6-4. 町内会や自治会への退会・名義変更連絡(名古屋市や尾張地域のルール確認)
《質問》実家の町内会費は払い続けるべきでしょうか?近所付き合いが薄いので、こっそり辞めても大丈夫ですか?
《回答》名古屋市周辺や尾張旭・瀬戸エリアなどは、地域コミュニティがしっかりしている場所が多いです。無断で辞めるのではなく、班長さんや町内会長さんに「相続で空き家になるが、管理は続ける」等の状況を伝え、会費や役員の相談をすることをお勧めします。
【詳細な解説】
地域によっては、町内会を辞めるとゴミステーションの使用ができなくなったり、街灯の維持管理(防犯面)で不利益が生じたりすることがあります。
特に空き家として放置する場合、近隣の方の協力(異変があった時の連絡など)は不可欠です。「空き家になるけれど、定期的に掃除に来るので、最小限の会費だけで継続させてもらえないか」といった相談が、将来のトラブル防止に繋がります。
司法書士なかしま事務所様、引き続きH2の項目7~10について、各H3に対応するQ&Aと詳細な解説(文章・表・流れ)を作成いたしました。
相続手続きの終盤から売却・管理、そして事務所の強み(お問い合わせへの誘導)へと繋がる重要なセクションです。地域名も自然に盛り込み、SEO効果とユーザーの利便性を高める構成にしています。
7. 預貯金や有価証券など、不動産以外の相続手続きは完了していますか?
7-1. 銀行口座の凍結解除と払い戻し手続きの再確認
《質問》不動産の登記は終わりましたが、父の銀行口座はキャッシュカードの暗証番号を知っているので、そのままATMで引き出してもよいですか?
《回答》ATMでの引き出しはトラブルの原因となるため絶対におやめください。金融機関は死亡の事実を知ると口座を「凍結」します。不動産と同じように、戸籍謄本などを提出して正式な払い戻し(または名義変更)手続きを行う必要があります。
【詳細な解説】
銀行口座は、口座名義人が亡くなったことが金融機関に伝わった時点で凍結され、入出金や引き落としが一切できなくなります。これを解除するには、相続人全員の同意(遺産分割協議書)や戸籍謄本一式などを窓口へ提出しなければなりません。
不動産の相続登記(法務局)で使用した「法定相続情報一覧図」があれば、各銀行での戸籍提出を省略できるため、登記完了後のスムーズな手続きが可能です。
▼銀行口座の相続手続きの基本フロー(流れ)
- 【口座の確認】 通帳やキャッシュカード、ネットバンキングの履歴から、どこの銀行・支店に口座があるか洗い出す。
- 【金融機関への連絡】 各銀行に名義人の死亡を連絡し、相続手続きの必要書類を取り寄せる(この時点で口座は完全に凍結されます)。
- 【書類の準備・提出】 遺産分割協議書、印鑑証明書、法定相続情報一覧図(または戸籍一式)などを窓口または郵送で提出する。
- 【払い戻し】 指定した代表相続人の口座へ、解約された預金が振り込まれる。
7-2. ネット証券・株式・投資信託の相続は、移管用の口座開設が必要
《質問》亡くなった母が株を持っていたようです。私自身は株をやったことがないのですが、どうやって現金化すればよいですか?
《回答》株式や投資信託を現金化するには、まず相続人様ご自身の名義で「同じ証券会社に口座を開設」し、そこに株式を移管(移動)させる必要があります。亡くなった方の口座のまま売却することはできません。
【詳細な解説】
預貯金であれば代表者の口座に現金で振り込んでもらえますが、有価証券(株や投資信託)の場合はルールが異なります。株式のまま引き継ぐため、まずは受け皿となる相続人名義の証券口座が必要です。例えば、亡くなった方がA証券を利用していたなら、相続人もA証券に口座を開設しなければなりません。近年増えているネット証券でも基本的なルールは同じです。
▼預貯金と有価証券の相続手続きの違い(表)
| 項目 | 銀行預金 | 株式・投資信託(証券口座) |
| 最終的な受け取り方 | 現金(代表者口座への振込) | 有価証券のまま移管(その後、任意で売却) |
| 受取用の口座開設 | 不要(既存の口座に振り込み可能) | 必要(同じ証券会社での開設が必須) |
| 価値の変動 | 変動しない(元本確定) | 日々変動する(手続き中に価値が下がるリスクあり) |
7-3. 実家にある自動車(普通車・軽自動車)の相続による名義変更または廃車手続き
《質問》実家の車庫に父の車が残っています。もう誰も乗らないので、知り合いの中古車屋に引き取ってもらって構いませんか?
《回答》亡くなった方名義のままでは、売却も廃車(抹消登録)もできません。まずは「相続を原因とする名義変更(移転登録)」を行ってから、売却や廃車の手続きをする必要があります。
【詳細な解説】
自動車も不動産と同様に立派な「財産」であり、勝手に処分することは法律で禁じられています。普通自動車の場合は、不動産の手続きと同様に「遺産分割協議書」や「印鑑証明書」などを用意し、管轄の運輸支局(名古屋市や春日井市周辺であれば愛知運輸支局や小牧自動車検査登録事務所)で手続きを行います。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会での手続きとなり、普通車よりも書類がやや簡略化されます。
8. 相続した実家を「空き家」のまま放置するリスクと管理対策
8-1. 「特定空家」に指定されると、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる!?
《質問》実家を相続しましたが、解体費用がないので当分そのままにしておこうと思います。税金面で損をすることはありますか?
《回答》放置して老朽化が進み、自治体から「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定されると、土地の固定資産税を安くする特例(住宅用地の特例)が外され、税額が最大6倍に跳ね上がる恐れがあります。
【詳細な解説】
通常、家が建っている土地(住宅用地)は固定資産税が最大6分の1に減額される特例が適用されています。しかし、「空家等対策特別措置法」の改正により、倒壊の危険がある「特定空家」や、そこまでいかなくても管理が不十分な「管理不全空家」に指定され、自治体からの勧告を無視し続けると、この減額特例が解除されてしまいます。
▼空き家放置による固定資産税の変化(表)
| 建物の状態 | 住宅用地の特例 | 固定資産税の負担(目安) |
| 人が住んでいる / 適切に管理された空き家 | 適用される | 通常の額(最大1/6に減額済み) |
| 管理不全空家・特定空家(勧告後) | 除外される | 通常の最大6倍に増額 |
| 家を解体して更地にした場合 | 除外される | 通常の最大6倍に増額 |
8-2. 防犯・防災リスク(放火、倒壊、害虫被害)と所有者責任(損害賠償)
《質問》空き家が強風で壊れて隣の家の車に当たってしまった場合、誰が責任を取るのでしょうか?
《回答》建物の所有者である「相続人」が損害賠償責任を負うことになります(土地工作物責任)。最悪の場合、数百万〜数千万円規模の賠償金に発展するケースもあります。
【詳細な解説】
誰も住んでいない家は急速に劣化します。台風で屋根瓦が飛んで通行人にケガをさせたり、シロアリが発生して隣家に被害が及んだりした場合、その責任は名義人であるあなたに降りかかります。また、人の目がない空き家は、放火や不法投棄、空き巣のターゲットになりやすく、地域の治安悪化にも繋がります。
8-3. 長久手市・日進市・尾張旭市などの戸建てで特に注意すべき「雑草・越境トラブル」
《質問》実家の庭木が伸び放題で、隣の敷地に入ってしまっています。遠方なのでなかなか切りに行けませんが大丈夫でしょうか?
《回答》ご近所トラブルの典型的な原因となります。民法改正により、越境された側が一定の条件を満たせば「勝手に枝を切り取り、その費用を所有者(あなた)に請求できる」ようになりましたので、早急な対応が必要です。
【詳細な解説】
長久手市や日進市、尾張旭市など、庭付きの戸建てが多いエリアで頻発するのが「雑草・庭木の越境トラブル」です。放置すると美観を損ねるだけでなく、害虫(毛虫など)の発生源として苦情が寄せられます。「少し草が伸びているだけ」と甘く見ず、定期的な剪定や除草剤の散布など、最低限の環境維持が求められます。
8-4. 遠方にお住まいの方へ:空き家管理代行サービスの活用メリット
《質問》仕事が忙しく、名古屋の実家まで定期的に掃除に行くことができません。手放したくはないのですが、どう管理すればよいですか?
《回答》月に数千円〜1万円程度で依頼できる「空き家管理代行サービス」の活用をお勧めします。専門業者が定期的に換気や郵便物の回収、外観チェックを行ってくれるため、遠方でも安心です。
【詳細な解説】
「今は売れないが、管理もしきれない」という状況であれば、お金を払ってプロに管理を任せるのが最も合理的で安全です。
▼空き家管理代行サービスの主な内容(流れ)
- 【外部チェック】 建物の外壁や屋根に異常がないか、不法投棄がないかを目視確認。
- 【庭の確認】 雑草の状況や、庭木の越境がないかを確認(別料金で草刈りを依頼可能)。
- 【内部の換気・通水】 窓を開けて空気を入れ替え、水道の蛇口をひねって悪臭やサビを防ぐ。
- 【ポスト整理と報告】 郵便物を整理・転送し、当日の写真を添付した報告書を依頼者へ送付。
9. 相続不動産を「売却」する際に活用できる税制優遇と事前準備
9-1. 税金を大幅に減らす「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」
《質問》相続した古い実家を売ろうと思います。売却して利益が出ると高い税金がかかると聞いて不安です。
《回答》条件を満たせば「空き家の3,000万円特別控除」という特例が使えます。売却益から最大3,000万円が差し引かれるため、譲渡所得税(売却益にかかる税金)をゼロにできる可能性が高い強力な制度です。
【詳細な解説】
親が一人暮らしをしていた実家を相続し、空き家になった後に売却する場合に使える特例です。適用されれば税金が数百万円単位で安くなることがあります。ただし、適用には「昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた家屋であること」「耐震基準を満たして売るか、更地にして売ること」などの厳格な要件があり、期限(相続から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)も決まっています。
9-2. 相続税を納めた方は必見「取得費加算の特例」で譲渡所得税を節税
《質問》相続税をかなり支払いました。その上、不動産を売った時にも税金(譲渡所得税)を払わなければならないのでしょうか?
《回答》相続税を納めた方であれば「取得費加算の特例」が使える可能性があります。支払った相続税のうち、その不動産に対応する部分の金額を、売却時の経費(取得費)に上乗せして計算できるため、売却にかかる税金を減らせます。
【詳細な解説】
相続税と譲渡所得税の「二重課税」のような状態を軽減するための制度です。この特例を使うための最も重要な条件は、「相続開始のあった日の翌日から3年10ヶ月以内」に売却することです。相続税を支払った方で売却を検討している場合は、この期限を意識して早めに動き出すことが重要です。
9-3. 測量・境界確定は必要?近隣トラブルのないスムーズな売却に向けた準備
《質問》不動産屋から「土地を売るなら測量をして境界を確定させた方がよい」と言われました。費用がかかるので省きたいのですが……。
《回答》昔からの土地は、登記簿の面積と実際の面積が違っていたり、隣の家との境界線が曖昧だったりすることが多々あります。そのままでは買い手がつかない(または安く叩かれる)ため、事前の「境界確定測量」は実質的に必須と考えたほうがよいでしょう。
【詳細な解説】
境界が未確定の土地は「後から隣地トラブルに巻き込まれるリスクのある土地」とみなされ、まともな価格で売却することが困難です。土地家屋調査士に依頼して隣地所有者と立ち会い、境界を確定させる作業には数ヶ月の期間と数十万円の費用がかかりますが、結果的に高くスムーズに売却するための必要経費と言えます。
▼測量あり・なしでの売却への影響(表)
| 項目 | 境界確定測量を実施済み | 未測量のまま |
| 買い手の印象 | トラブルがなく安心(買い手がつきやすい) | 後々のトラブルが怖くて敬遠されがち |
| 売却価格 | 相場通りの適正価格で売却可能 | リスク分を差し引かれ、大幅に値下げされる |
| 売却後の責任 | 売主側のリスクは低い | 面積不足や境界トラブルで契約解除の恐れ |
10. 相続登記後の「これから」の不安は、司法書士なかしま事務所へ
10-1. 名古屋市・春日井市・瀬戸市など、尾張エリアに密着したスピーディな対応力
《質問》相続登記は終わりましたが、これからどうすればいいか不安です。司法書士なかしま事務所に相談してもいいのでしょうか?
《回答》もちろんです。当事務所は単に登記を申請して終わりではなく、登記完了後のサポートも重視しています。名古屋市、春日井市、長久手市、尾張旭市、瀬戸市、日進市など、地元・尾張エリアに密着しているため、迅速かつ丁寧な対応が可能です。
【詳細な解説】
相続は地域に根ざした不動産やご近所関係が深く関わるため、地元の事情に精通した専門家に相談することが最も安心です。当事務所は対象エリアの役所や法務局との連携もスムーズであり、「顔の見える身近な法律家」として、登記後のアフターフォローにも力を入れています。
10-2. 不動産業者や税理士のご紹介も可能!各専門家との強力なネットワーク
《質問》相続税の申告や、実家の売却査定もまとめてお願いできますか?自分で税理士や不動産屋を探すのは大変で……。
《回答》司法書士が直接税金の申告や不動産の仲介を行うことはできませんが、当事務所が信頼を置く、相続に強い地元の「税理士」や「不動産会社」を無料でご紹介いたします。窓口を一つにして、ワンストップで解決に導きます。
【詳細な解説】
相続登記完了後に届くDMの中から優良な業者を見極めたり、実績のある税理士を自力で探したりするのは大変な労力です。当事務所をハブ(中心)としてご相談いただければ、お客様の状況に最適な各分野の専門家チームを編成し、シームレスに問題解決へ向けてサポートいたします。
10-3. 登記手続きだけで終わらない、お客様に寄り添うアフターフォロー
《質問》後になって「あれはどうだったっけ?」と疑問が出てきた場合、また連絡しても迷惑になりませんか?
《回答》ご迷惑などということは一切ございません。手続き完了後も、書類の読み方や今後の管理についての疑問などがございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
【詳細な解説】
相続問題は数年越しで課題が浮き彫りになることも少なくありません。「司法書士なかしま事務所に頼んで本当によかった」と安心していただけるよう、一過性のお付き合いではなく、末長く皆様の財産と権利を守るパートナーでありたいと考えております。
10-4. 初回無料相談のご案内・お問い合わせはこちらから
《質問》自分のケースで具体的に何をすべきか、まずは少しだけ話を聞いてもらいたいのですが、相談料はかかりますか?
《回答》当事務所では【初回のご相談は無料】で承っております。現在の状況をお伺いし、今後どのような手続きや専門家が必要になるか、道筋をわかりやすくアドバイスいたします。
【詳細な解説】
「何から手をつければいいのかわからない」という状態でも構いません。まずは当事務所の無料相談をご利用いただき、ご不安な胸の内をお聞かせください。
「相続登記」の窓口 ー よくある質問 ー
1.相続登記の費用と見積り・相場
- ★相続登記・登録免許税シミュレーター
- 自分でやる?専門家に依頼する?相続登記費用の完全ガイド
- 相続登記の費用を抑えるポイント:自分でやる範囲と依頼する範囲
- 【パターン別】相続登記と登録免許税の計算方法(免税ケースと免税にする方法)
- 相続登記の費用は誰が負担する?相続人同士の取り決め
2.相続登記義務化とリスク
- 2024年4月からの相続登記義務化:罰則、対象、期限を徹底解説
- 相続登記ができない理由30選:書類が集まらない・費用がない…トラブル解決ガイド
- 相続登記を放置する5つのリスク+α:過料以外の思わぬ落とし穴とは?
- 相続放棄と相続登記の関係:放棄した場合でも手続きは必要?
- 住所・氏名変更登記の義務化も?2年以内に手続きしないと過料の対象に
- 相続登記義務化の免除規定「正当性な理由」とは?!
3.相続登記の手続き
- 相続登記の流れ~初めてでもわかる9つのステップガイド
- 相続登記と相続税申告の関係:手続きのタイミングと注意点
- 相続登記の遺産分割協議書作成ガイド│失敗しない書き方と注意点
- 相続登記の申請書の書き方│ポイント39と法務局の記入例解説6
- 相続登記の申請方法:窓口、郵送、オンラインの手順と注意点
- 登記識別情報とは?新しい『権利証』の受け取り方と紛失時のリスク
- 相続登記完了後の手続き:不動産業者からのDMや相続税申告との関係
- 相続登記後の不動産売却手続き:時系列と注意点
4.相続登記の必要書類
- 【チェックリスト付】相続登記に必要な書類一覧:ケース別(遺言・協議・法定)
- 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本とは…
- 相続登記のための<戸籍の広域交付請求>
- 相続登記のための<住民票・戸籍の附票・上申書>
- 法定相続情報一覧図を作成するか否か
- 固定資産評価証明書・課税明細書・名寄帳とは?
- 「遺贈」による相続登記
- 【原本還付】必要書類の原本を返却してもらう方法とメリット
5.その他
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